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那須川天心「この一戦で全てを失うことにも全部持っていけることにもなる」…24日ゴング、前世界王者モロニー戦へ練習公開

スポーツ報知 2025年2月12日 17時14分

◆プロボクシング ▽バンタム級10回戦 那須川天心―ジェーソン・モロニー(2月24日、東京・有明アリーナ)

 プロボクシングWBOアジアパシフィック・バンタム級王者の那須川天心(26)=帝拳=が12日、都内の所属ジムで練習を公開した。24日に前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー(34)=オーストラリア=と対戦する天心は、「世界前哨戦」に勝利してボクシング界を盛り上げることを誓った。

 天心は、WBC世界同級7位のアレハンドロ・ジャイル・ゴンサレス(25)=メキシコ、27戦18勝10KO6敗3分け=と3ラウンドのスパーリングを披露。初回は多彩な右リードで組み立てながら距離を確認すると、2回は左オーバーハンドなど強打を打ち込み、3回は接近戦でのバリエーションも見せた。

 続けて元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナー(40)と3ラウンドのミット打ち。さらに2ラウンド、身長188センチの元日本ミドル級1位カルロス・リナレス・トレーナー(35)のボディープロテクターに圧力をかけられた状態でパンチを打ち込んだ。「公開練習というか、普通の追い込みをやってしまった。記者の方は途中で飽きている方もいたと思いますが申し訳ない。でも自分のテーマはリアルを見せていくこと。本気でやっているぞ、という部分を見せられているかなと思う」と汗をぬぐった。

 スパーリングは週4回のペースで行っており、ここまで100ラウンドを超えている。「体力がついたなと自分でも思う。週4のスパーにも耐えてきた自信がある。スパーリングはヘッドギアもグローブも重いし、ドラゴンボールでいうと天下一武道会で重りを持ってずっと戦っているような感じなので、それが試合の時に解放されると思うとすごい楽しみですね」と笑顔で話した。

 モロニーは、20年10月に井上尚弥(31)=大橋=と対戦(7回KO負け)、昨年5月には東京ドームで行われたWBO世界同級タイトルマッチで武居由樹(28)=大橋=に判定負けしてベルトを失っている。日本のファンにとってもなじみのある選手との対戦に「世間的な反応もやっぱりいいし、こういう試合をしたかった。見ているファンだったりとか、そうではない人にも、いつもの試合よりも注目度がある。知っている選手同士のカードが、やっぱり一番見ている人も燃えると思う」と話した。

 昨年10月のボクシング転向5戦目でジェルウィン・アシロ(24)=フィリピン=に判定勝ちしてWBOアジアパシフィック同級王座を獲得した天心は、すでに世界ランキングでもWBA2位、WBC3位、WBO3位、IBF13位につけている。モロニー戦は「世界前哨戦」の位置づけとなる。「もうそこまで言われる位置に来たと思う。この試合は、ボクシング界の中でも格闘技界の中でも、『戦い』がある試合。この一戦で全てを失うことにもなるし、全部持っていけることにもなる。そういう試合をできる立場にいられるっていうのが、自分の中ですごい嬉しい。ここを勝つか負けるかで、今後の日本のボクシング界がさらに盛り上がるのか、盛り上がらないのかになってくる。業界を盛り上げてこそプロ。そこの戦いになる」。ボクシング界を背負っていく強い覚悟を示した。

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