大相撲春場所(3月9日初日・エディオンアリーナ大阪)での復帰に向けて幕下・朝乃山(高砂)が12日、東京・墨田区にある部屋で稽古した。ゴムチューブを使ってのストレッチやてっぽうのほか、左足にサポーターを装着し、若い衆のぶつかり稽古に胸を出した。8日から相撲を取る稽古を再開し、前日の11日は幕下力士や弟弟子の十両・朝紅龍と申し合いを行ったが、「少しずつ慣らしている。サポーターをつけていると胸を出す分にはいいけれど、相撲では流れ的にぎこちなさがある」と明かした。
7月の名古屋場所で左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがで手術。3場所連続で全休し、春場所は三段目転落が確実。元大関は「春場所に出る予定ではいるけれど、元々医師には8か月くらいかかると言われていたし、師匠の高砂親方(元関脇・朝赤龍)と相談しながらになる。この年なんで慎重にいかないといけない」と神妙な面持ちで答えた。
リハビリ中はトレーニングも限られた。ただ、「まだ筋肉は戻っていないし、左右均等でできる限りのことをしないといけない。焦っているけれど、焦らず地道にやりたい」と言い聞かせるように話した。
高砂部屋が移転し、2日に部屋開き。新たなスタートについては「心機一転で頑張りたい。活気のある部屋にしたい」。OBの元横綱・朝青龍にも声をかけられたそうで「入門時は引退していたので呼ばれて声をかけてもらったのはうれしかった」と力をもらったようだった。