ドジャース・佐々木朗希投手(23)が11日(日本時間12日)、アリゾナ州グレンデールのキャンプ施設を初訪問し、ド軍第一歩を踏み出した。身体検査、施設見学後にはキャッチボールも行い、計16人の球団関係者らが見守る異例の状況下で約18分間、腕を振った。ロッテ時代からのトレーナーと理学療法士も帯同し、“チーム朗希”を結成したことも判明した。
夢のスタート地点に立ち、朗希も思わず笑みをこぼした。午前8時8分、黒のキャップと長袖シャツ、淡いグレーのジーンズ姿でド軍のキャンプ地に初めて姿を見せた。15人ほどのスタッフに歓迎され、施設内に歩を進める。「サイ・ヤング賞」を目標に掲げる“令和の怪物”の挑戦が始まった。
誰もが興味を示した。大谷の通訳・アイアトン氏に案内されての施設見学や身体検査を終えた午後1時50分、誰もいないグラウンドに現れた。球団カラーの青いTシャツ姿でウォーミングアップを開始。続けて行ったキャッチボールはマーク・プライアー投手コーチや球団のSNS担当など計16人のスタッフが見守った。マイナー契約選手としては異例の注目ぶりは、期待の表れ。ロッテ時代と同じ黄色のグラブを使い、最大で約40メートルほど離れて計18分間、熱のこもった投球を披露した。終了後は、同コーチからグータッチを求められ、笑顔とともに拳を返した。
“チーム朗希”を結成することも判明した。この日、車での移動からつきっきりだったのが、伊藤憲生理学療法士と、アリゾナ州立大出身の大久保研介トレーナーの2人。ともに昨季までロッテに在籍し、全幅の信頼を置く存在だ。キャッチボールや、その後の施設内の芝生でのトレーニング時にも密にコミュニケーションを取っており、万全のサポート体制を整え、勝負の1年目に臨むもようだ。
チームメイトとも打ち解け始めている。朗希の新背番号となった「11」を譲ったベテラン内野手のM・ロハスは「彼(朗希)が来て、背番号を渡したことに感謝の意を伝えてくれた。『Thank you』と。とても感謝して喜んでいることが伝わったよ」とやりとりを明かし、「健康で成功するキャリアを歩んでほしい。『11』が彼と共に長い間、一緒にプレーすることを願っている」と歓迎した。
朗希は12日(日本時間13日)にブルペンで投球練習をする予定で、背番号「11」のユニホーム姿が披露される。1月22日の入団会見時には「厳しい競争を勝ち上がって、メジャー契約を勝ち取れるように」と決意。3月の日本凱旋登板も期待される右腕は、全力でメジャー切符をつかみに行く。(竹内 夏紀)