J1町田は12日、町田市内で公開練習を行った。練習後に取材に応じた元日本代表DF中山雄太は、野々村芳和チェアマンが言及したファウル判定の基準の変更について、私見を述べた。
野々村チェアマンは10日のJリーグ開幕イベントで、欧州リーグとの違いに「コンタクトの強さと深さ」「アクチュアルプレーイングタイム(試合で実際にプレーが動いている時間)」を挙げ、「世界の標準に近づけていく」と掲げた。ファウルに対する基準を欧州に近づけていく考えを示唆するとともに、欧州と比較した際のプレー強度不足を解消する方針を示した。
6年間、欧州でプレーした中山は「海外でやってきた基準にしていきたいと日本に帰ってきたから思っていました。審判が今シーズン(判定の)基準をちょっと引き上げた形でジャッジしてくれるのはすごく助かる」と賛同。22―23年シーズンから2年間在籍したハダースフィールドが所属するイングランド2部ではVARがなかったこと、文化の一部として選手の「タフさ」があったことにも言及し、「日本もそこの基準に合わせていくことはいい試みなんじゃないかなと思います」と話した。
中山自身も昨年途中に町田に加入してから、判定基準の違いを実感。日本代表の森保一監督とも同じような話になったといい、「当たる強さによって正当なチャージなのに、当たった選手が強すぎるからというので(笛を)吹かれるシーンがやっぱり多い」と分析する。シーズン前恒例となっている審判講習会で「審判の基準がリーグの基準を左右すると思っている」と、直接意見を述べたことも明かした。現状では欧州でプレーする選手が日本代表に多く選出され、出場時間を勝ち取っていることから「日本のリーグから、日本代表がしっかり増えていくようなレベルになっていかないといけない」と力を込めた。
町田は開幕戦(16日14時・町田GIONスタジアム)で昨季2位の広島と戦う。昨季2連敗した広島には、磐田から昨季19得点を記録したFWジャーメイン良、湘南からMF田中聡が加入し、攻守のタレントが強化された。中山も「いい補強もしているので、層が厚くなったっていうのが(印象として)1番強い」と警戒。自身の28歳の誕生日に行われる一戦に、「おそらく去年より比較的ボールを持てると思いますし、町田のストロングの積み上げもすごく出来ている。(Jリーグで誕生日の日に戦うのは)初めてですが、うちが勝てれば何でもいいです」と意気込んだ。