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【有馬制した牝馬①】長嶋茂雄さんと同じ2月20日生まれジェンティルドンナ 14年ミスターの前で有終V ともに今年天国へ

スポーツ報知 2025年12月23日 6時30分

◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)

 今年の有馬記念はレガレイラに牝馬で史上初の連覇がかかる。00年以降で有馬を制した4頭の名牝を特集する。第1回は14年に制したジェンティルドンナ。今年6月に死去した長嶋茂雄さんが見守るなか、自身のラストランを飾った。

 11万人を超える大観衆の興奮と感動がいつまでも冷めなかった。ジェンティルドンナは抜群のスタートを切ると、2番手から3馬身以上離れた3番手をリズム良く追走。直線は前を行くエピファネイアを抜き去ると、トゥザワールドを振り切り、ゴールドシップの追い上げも封じ込めて自身のラストランを勝利で飾った。

 騎乗した戸崎は当時の心境について「引退レースというのがあったので、無事に一緒に帰ってきたいなという思いがすごく強かったです」と明かした。シンボリルドルフやディープインパクトなどに並ぶ当時、G1最多タイの7勝目(後にアーモンドアイが9勝)は、鞍上にとっても貴重な勝利だった。「あの年、(全国)リーディングだったのですが、G1を勝っていなかった。最後の最後にプレゼントしてくれたなっていう、そんな思いがありました」と感謝を口にした。

 この年の有馬記念には長嶋茂雄さんが、観戦に訪れていた。「(当時の)新聞に出ていましたよね? そういう縁というか、ドラマ性のある馬だったということだと思います」と戸崎はしみじみと振り返る。長嶋さんとジェンティルドンナはともに2月20日生まれで、天国に旅立った年も同じ25年。ディープインパクトの最高傑作との呼び声も高いG17勝の“貴婦人”もまた、競馬界でひときわ輝いたレジェンドホースだった。(西山 智昭)

 ジェンティルドンナ 父ディープインパクト、母ドナブリーニ(父ベルトリーニ)。2009年生まれの牝馬。現役時は、栗東・石坂正厩舎所属で、馬主は(有)サンデーレーシング。北海道安平町のノーザンファームの生産。通算19戦10勝。通算獲得賞金は17億2603万400円。G1勝利は桜花賞、オークス、秋華賞(いずれも12年)、ジャパンC(12、13年)。ドバイ・シーマクラシック、有馬記念(いずれも14年)。12、14年に年度代表馬に輝き、後に顕彰馬にも選出された。母として22年のエリザベス女王杯を勝ったジェラルディーナを出産。25年11月25日に世を去った。

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