広島土砂災害で被害が大きかったのが、安佐南区八木四丁目の「八木ヶ丘団地」という住宅地です。被災直後も含めて何度か取材をしたのですが当時と何が変わり、何が変わらないのか被災10年目の八木ヶ丘団地を取材してきました。
■森拓磨アナ
「10年前と同じ場所に立っているんですが、こちらお寺があってお寺を境に二手に土砂が当時流れてきました。まずお寺の画面で言うと左側になるんですが、今砂防ダムが建っている場所。ここは大きな木々であったり土砂であったり、岩であったりが流れ込んで来ていました。お寺から下を見ると草木が生えていて更地になっているというところです。こうしてみるとやはりこの10年前の土砂災害の傷跡というのが、ありありと目の前に広がっています。」
安佐南区八木四丁目「八木ヶ丘団地」では、山から流れ出した土砂が住宅街を襲いました。この一帯で10名の方が亡くなりました。
■森アナ
「10年たってもこういった状況なんですね。基礎が残っていてそのあと手つかずになってるんですね。草木が生えていて・・・」
被災した家屋あった場所は、わずかな痕跡を残し今は草木が生い茂っていました。40年ほど、この土地にすむ方にお話を聞くことができました。
■町内会副会長 加藤克則さん
「ダムだけよね できたというのは。」
■森アナ
「団地としては少し人数が減ったなと?」
■町内会副会長 加藤克則さん
「だいぶ減りました すごく。その時に出られた方が帰ってこられてないんです。そういうことですか」
取材中に出会ったのは、この場所に住んでいた仲間を偲ぶ追悼ウオーキングをしていた皆さんです。
土砂の中から掘り出された遺品のシューズを背負ってのウォーキングは、10年続く行事です。地域の方、手作りの祭壇に故人が愛用していたシューズをそなえます。
■広島県ウォーキング協会 源英雄さん
「ウォーキングの会を作った方のひとりですからね。みんなを引っ張っていく方でした」
石を積み上げた小さな慰霊碑は、夏になると地域の人たちが手作りしているのだといいます。10年間 絶え間なく続いてきた追悼イベントで亡き人の思い出をつないでいきます。
【2024年8月20日放送】
この記事の動画はこちらから再生できます