広島土砂災害では線状降水帯が発生しました。また、気象情報や防災情報が、あれからどう変わっていったかを、寺本卓也気象予報士が詳しくお伝えします。
広島土砂災害をきっかけに、「線状降水帯」という言葉が広まっていきました。
また、このような一気に大雨となる日は年々増えております。1日の雨量が100㍉以上になった日を、土砂災害が発生した2014年からさかのぼった10年と、災害後の2015年から現在までの10年で比べました。
このように大雨の日数が増えている事から、予報技術の改良も進んでいきました。
その後、スーパーコンピュータや気象技術の向上もあり、気象庁は2年前から、線状降水帯の「半日前予測」の情報を開始しました。
これは地域ごとに、12時間~6時間前に発表される予想のことです。
当初、全国を11の地域に分けて、発表されていました。
すると、どうしても、範囲が広くなってしまっていたんですね。それが今年5月から大きく進化しました。
全国を59の地域に分け、主に、都道府県単位での発表が可能となりました。
また、さらに、気象庁は2029年には、線状降水帯の予測を市町村単位で発表できるよう計画しています。
気象防災情報についても見直しが行われています。我々が詳しい気象情報を受けて、実際にどう行動するべきかというものです。
大雨警戒レベルの見直しが行われました。それまで分かりづらいとされてた避難勧告は廃止され、避難指示に一本化しました。
さらにこちらは、現状の防災気象情報です。
警戒レベル5は、「発生」だったり、「特別」だったり、レベル4なら「危険」だったり「警戒」だったり、情報名がばらばらで分かりづらいですよね。
それが、今後はこう変わります。
これまで分かりづらいとされていた防災気象情報に対して、気象庁、学識者、報道関係者などの抜本的な見直しが2年前から始まり、今年6月に最終とりまとめが行われました。現象と名称のシンプルな情報に整理することで、よりイメージしやすいように感じてもらう事が狙いです。
ただ、大事なのは、命を守るために必要なのは、これらの情報をどう生かすかです。
まず災害が自分に降りかかってくるものだと、自分ごととして意識する事だと思います。
その意識を持って、少しずつ防災について興味を持って一緒に学んでいけたらいいのではないかと思います。
【2024年8月20日放送】
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