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危険な場所の住民ゼロへ「逆線引き」とは?広島土砂災害から10年

広島テレビ ニュース 2024年8月20日 21時53分

防災のため、広島県が進めている取り組みが「逆線引き」です。ざっくり言うと「災害の危険度の高い地域への居住を制限する」というものです。

私たちが暮らしている街には「市街化区域」=「人が住む街にしていこう、開発してもいい区域」と、「市街化”調整”区域」=「開発を制限する区域」があります。

ですから、両区域の間は「線引き」がされています。

ところが、開発してもいいはずの「市街化区域」の中にレッドゾーンと呼ばれる「土砂災害特別警戒区域」が含まれています。レッドゾーンは土砂災害発生の危険度が特に高いエリアです。広島県はこのレッドゾーンが全国で最も多いんです。

その背景には、かつて急激な人口増加で宅地の需要が高まり、山を切り開いて団地が作られていったという経緯があります。そうした場所で、広島土砂災害や西日本豪雨などで甚大な被害が出ています。

こうしたことから広島県は、山際の危険な場所に住む人を減らそうと考えています。

つまり、これまでは開発できる区域でしたが、その中のレッドゾーンに該当するエリアは開発に制限をかけようというものです。

だから「逆線引き」と呼ばれます。

一方で、すでに住んでいる人たちが転居を求められても、そう簡単ではありません。

ですから、県はまず、住宅や店舗などがない土地から始めます。

13の市町の500か所以上で先行して実施する方針です。

時間がかかるのは承知の上で、概ね20年後に「逆線引き」を終え、災害リスクの高い区域に新規居住者がほぼいない状態に。50年後には災害リスクの高い区域に居住する人が“0”を目指すとしています。

【2024年8月20日放送】

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