26日も広島県内各地で猛暑日となるなど真夏の暑さが続いていますが、秋の訪れを告げる虫の声も聞こえ始めています。
広島市に住む94歳の男性の自宅では愛情を込めて育てたスズムシが涼しげな声を響かせています。
■スズムシ
「リーンリン」
ハートの形に広げた羽を震わせて鳴くスズムシ。育てているのは…。
■松本博之さん
「スズムシおじさん松本博之になっております」
広島市佐伯区皆賀に住む松本博之さんは94歳です。35年以上前から自宅でスズムシを飼っています。
■松本さん
「(スズムシが増え)2000も3000もどうしようかいの思うてね。保育園さん、幼稚園さん、小学校さん、一般の方へ無料で差し上げることを思いついたんですよ」
■子どもとやりとり
「かわいがってやってください」
「かわいい」
「かわいい」
「ありがとう」
こうして20年ほど前から、希望する幼稚園などにスズムシを分けています。
■松本さん
「今現在、野原にはスズムシはおらないんです。幼稚園の園児さんたち、小学校の子どもさんたち聞こうにも聞けない、見ようにも見られないんですよスズムシがどんなものか。実際に見て“鳴き出した。そういうのを見るのが嬉しくてね」
ちなみにスズムシ、鳴くのはオスだけです。
■松本さん
「オスがリーンリーン鳴くのは、メスを寄せ付けるためです。一本出てるでしょ、長い針が。これがメスですから」
今年、卵からかえったのは、およそ3600匹。
愛情を込めて育てたスズムシは、52か所にもらわれていきました。
■松本さん
「95歳になっても100歳になっても元気なうちは世話ができることをやろうと思っています。こりゃもう私の孫・ひ孫ぐらいに思うとりますからね」
(2024年8月26日放送)
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