広島テレビのアナウンサーが気になるテーマを自ら取材してお伝えする『アナたにプレゼン』。宮脇靖知アナウンサーが、広島県江田島市で行われている『100年先の未来をつくる』取り組みについてをお伝えします。
『100年先の未来をつくる場所』となる広島県江田島市沖美町は、フェリーで宇品港から三高港までおよそ40分、車で呉を通るとおよそ1時間45分、フェリーに自転車を乗せて三高港まで渡り、そこから自転車でおよそ20分の距離にあります。
その沖美町で今、「100年後も美しい夕日を眺める展望台をつくる」という計画が進んでいます。
展望台は、海外からの観光客にも人気がある「島が見える海」瀬戸内海を臨むことができ、さらに宮島も見える場所につくる予定です。
江田島発の地方創生に取り組み、未来をつくろうとしているのは、 江田島市の出身の空本健一さん (55)です。ファイナンシャルプランナーや、古着のセレクトショップを経営していました。2018年の西日本豪雨の際に、被災地のボランティアに入り、高校生たちが土砂かきをしている姿を見て「自分の故郷は自分で守らないといけない」と思ったことで、2020年にNPO法人の3代目理事長に就任して始めたのが、カフェレストランです。
カフェは土日・祝日のみの営業で、完全予約性のコースランチとなっています。庭では野菜も作っており、ハーブも料理に使用しています。毎月17日の「カレーの日」は、予約なしでカフェタイムも用意しているそうです。ここでしか味わえない、ここならではの楽しみがありそうです。
カフェは、山の中に入って「隠れ家」のような場所にあります。海を見渡すことができるカフェの周辺には庭もあります。カフェの先にある現在の展望台をバージョンアップして、より良いものにしていこうとしています。
この展望台を作るために、クラウドファンディングを行いました。クラウドファンディングの金額ごとに、どういったものができるのかが変わるということです。400万円集まれば、夜も行けるように照明がついたおしゃれな場所に、500万円に達すれば、周辺の森や歩道を整備して、音楽ができるようなスペースにしたいそうです。クラウドファンディングを2ヶ月間行った結果、400万円を超えました。展望台の建設予定は冬だそうです。一旦締め切っていますが、500万円には到達していないことから、興味がある、または協力したい場合は、Facebookなどを通じて空本さんに連絡をしてみてください。
空本さんがこのような場所を作りたいと思ったポイントは「100年後も美しい夕日」だったそうです。空本さんは『うっかり住んじゃった』みたいな人を増やしたいということで、「ここ、いいな」と思ったとしても、誰もが移住することは難しいことから、何回も来ることで「気がついたら住んでいた」というように、「少しずつ集まる人が増えていくといいな」という思いがあるそうです。
そして『今いる場所を耕す』についてです。様々な所で移住対策が取られていますが、人口は限られているので、結局は競い合う形となります。そうではなく、江田島に来ることで「広島・自分の故郷にもこんないいところがある」「自分の生まれ育った場所はどういうところなのか」「他にもあるんじゃないか」という視点が持てるように、そして、それぞれの場所に帰り、自分の故郷や自分のいる場所を盛り上げていくための、きっかけとなる場所にしていきたいという思いがあるそうです。『100年先の未来』に向けた空本さんの取り組みに、今後も目が離せません。