26日、広島市西区で発生した道路の陥没について市の担当者が「地中の雨水管工事が原因」との認識を示しました。周辺では今も立ち入りが規制されています。
道路が陥没した現場では一夜明けた27日朝、避難していた住人が荷物を取りに一時帰宅するなどしていました。
26日午前、広島市西区の交差点で道路が陥没し、建物が傾くなどの被害が出ました。付近では、雨水管の工事が行われていたということです。
■担当者
「避難者の方々には多大なるご不便とご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます」
避難所では27日、広島市や工事を請け負っていた業者が説明会を開きました。
■避難している人
「これって人災で間違いないんですか?」
■担当者
「詳細はまだ分かっておりませんがある意味工事がきっかけで起こった事故だと認識しております」
現場では地下30メートルの深さでシールドマシンを使った掘削工事が進んでいました。作業中に地中で異常な量の水が出てきたということです。
大規模な陥没はなぜ起こったのか。地質学の専門家は、この地域の地盤が関係している可能性を指摘します。
■日本地質学会 越智秀二さん
「普通の地盤とは違う地盤の場所なんですよ。それをどこまで検討しながら掘っているかなというので」
現場は、太田川放水路から東に250メートルほどの場所にあります。約80年前の写真と比較すると、当時は川に面していたことが分かります。川が埋め立てられ、現在の地形になりました。
■日本地質学会 越智秀二さん
「この土地は砂地が多いんですよ。地盤全体の構造がどうだったかそれに対してこの工事したのが大丈夫だったのか本当にしっかり明らかにして住民に納得してもらってそれで工事再開しないと」
27日午後、広島市の松井市長が現地を訪れ現場の担当者から説明を受けました。
■広島市・松井市長
「原因を早急につきとめることと、今の実態対応と同時に、しっかりやってもらいたい。我々としてできることを最善の努力をしたい」
広島市は、現場から半径50メートル以内を立ち入り規制範囲とし、住人に宿泊や入浴の支援を行っています。また、27日から陥没した場所の埋め戻しを始めており、近く、上下水管の復旧工事にも取りかかるとしています。
《2024年9月27日放送》
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