広島テレビのアナウンサーが気になるテーマを自ら取材してお伝えする『アナたにプレゼン』。地方創生をお伝えする宮脇靖知アナウンサーが、広島県内唯一のブランドを全国に誇る特産品にしようと試みる、東広島市の取り組みをプレゼンします。
東広島市では、広島県内唯一のブランド地鶏「東広島こい地鶏」を、西条のお酒に並ぶブランドにしていこうとする取り組みを行っています。
広島にはブランド鶏の「赤どり」や「みはら神明鶏」がありますが、これらは「銘柄鶏」と呼ばれ、「地鶏」の「東広島こい地鶏」とは明確な違いがあります。地鶏は、明治時代までに導入され、日本に定着した38種類の血が50%以上入っていること、飼育方法が日本農林規格(JAS)に沿った鶏のことです。一方、銘柄鶏は、飼料や環境などを工夫して育てられた鶏を言います。つまり「東広島こい地鶏」は、県内初の唯一のブランド地鶏となります。
「東広島こい地鶏」の名前には、旨味が「濃い」・また食べたいと「恋」しくなる・赤い羽がカープを連想させる「鯉」という意味が込められているそうです。
「東広島こい地鶏」を推し進めているのは、東広島市ブランド推進課の倉増一成さんです。倉増さんは「東広島市の新たな特産品づくり」「農業者の所得向上と雇用創出」として、「農業をやっている人が畑の一角で地鶏を育てることができれば、農業の多角経営と安定的な収入も見込まれるのでは」という思いがあります。では、なぜ「東広島」なのでしょうか?
「東広島こい地鶏」は、東広島市に広島大学があることから、共同で開発したプロジェクトです。広島大学で7年間、この鶏に関して研究をしているのが、竹之内惇さんです。元々、広島大学が最上級の旨味を生み出す「広大鶏」を開発しており、そこに生産性を向上させるための鶏「ロードアイランドレッド」を掛け合わせることで、2023年に商品化されました。竹之内さんは「とにかく知られざる鶏の魅力を知ってほしい」という思いを持ち続けています。
色々な成分や色々な効果がありますが、機能性成分として疲労回復や運動機能改善、認知症予防や抗酸化作用が含まれているそうです。また鶏には、牛や豚に比べて、良質な脂が多く含まれています。
東広島市高屋町で飼育している「東広島こい地鶏」は、JAS基準の10羽以下となる、1平方メートルあたり3~5羽しか育てていないそうです。このような環境なので、平場で自由に歩き回ることができ、ストレスを与えずに育てることができます。さらに、一般的な若鶏の飼育日数は40日~50日ですが、「東広島こい地鶏」は130日と、3倍の時間をかけて育てることで、肉本来の味わいも凝縮されていると言います。
宮脇アナウンサーのおすすめは「炭火焼き」です。噛みごたえがあり、しっかりと旨味が出ており、皮も柔らかく食べやすいことが特徴です。現在、製品開発をしている段階で、加工品としてお土産などにもできるように、開発を早急に進めています。
胸肉はあっさりで味があまりない印象ですが、「東広島こい地鶏」 は、特に胸の部分に旨味成分がしっかりと含まれています。その胸の部分で作った「生ハム」は、いい塩加減で、味も濃く、噛めば噛むほどに肉の旨味が出てきます。
「東広島こい地鶏」は、東広島市内の飲食店でも食べることができます。また、10月12日と13日に行われる『西条酒祭り』の賀茂鶴の会場で、広島県内の6人の有名料理人がプロデュースしたメニューを、一皿およそ400円~500円で味わうことができます。日本酒の香りを産む成分と、肉の中に含まれる脂肪酸が元々同じ成分で、ペアリングもマッチするという楽しみ方もあるそうです。
「東広島こい地鶏」への期待として、竹之内さんは「いろんな方に関わってもらって、地元の人が誇るブランドにしていきたい」と、そして倉増さんは「『東広島にこい地鶏を食べに来い(こい)!』と、地元の方が市外や県外から来た人に言ってもらえるようなものにしていきたい。」と、話していました。これから「東広島こい地鶏」に触れる機会も多いと思いますので、是非チェックしてみてください。