与党候補者が苦戦するなか、広島1区で11回目の当選を果たしたのが岸田前首相です。
政治の信頼回復を訴え、他の候補者の応援にも力を入れた選挙戦を追いました。
選挙戦最終日、岸田前首相は広島市の繁華街で最後の支持を訴えました。
■岸田前首相
「広島1区においても本当に激しい苦しい選挙が続いています。何としても皆さん方にあと一押し、もう一歩のお力添えをいただきたく」
今月15日の公示日。選挙事務所で神事を行い、戦いをスタートしました。
向かったのは出陣式。地元・広島での第一声の演説は2014年以来、10年ぶりです。
■岸田前首相
「どの候補者がしっかりと結果を出してくれるのか、どの政党が責任を担ってくれるのか、これがこの選挙において問われることになります」
その日の午後には、他の候補者の応援に。
いわゆる「裏金問題」の影響で、全国的に厳しい戦いとなった自民党。
■岸田首相
「政治の信頼回復、しっかりと進めていく」
選挙期間中、応援に入った選挙区は全国約40にのぼりました。
一方、自身の選挙区で活動したのは数日間。今回から新たに広島1区に加わった地域でも、支持を訴えました。
全国を回った12日間。最終日は自身の選挙区で締めくくりました。
■岸田前首相
「自撮りできるから自撮り」「皆さんどうもありがとうございます」
マイクを使っての最後の訴えは、選挙事務所のスタッフらも見守りました。
■岸田前首相(マイク納め)
「最後の最後まで投票箱が閉まるまで、最後まで私、岸田文雄、岸田文雄にお力添えをたまわりますよう心からお願いを申し上げます」
総理大臣を退任し、初めて臨んだ選挙戦。結果は…。
他の候補を寄せ付けず、10万票余りを獲得し、当選しました。
■岸田前首相
「皆さんのおかげで、11回目の当選を果たすことができました」
しかし、自民党全体では大幅に議席を減らし、連立を組む公明党を合わせても与党で過半数には届きませんでした。
■岸田前首相
「政治の信頼回復というのは、何か一つ、これをやれば回復できるという 甘いものではないということは常々感じてきました。選挙においても自民党が変わらなければならない。こういった思いは伝えさせていただきましたが、引き続き信頼回復に向けては、一つ一つ努力を続けていかなければならない」
後を託した新総裁のもと戦った選挙で大敗した自民党。信頼回復に向けた険しい道は、選挙後も続きます。
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