広島テレビのアナウンサーが気になるテーマを自ら取材してお伝えする『アナたにプレゼン』。宮脇靖知アナウンサーが、先日行われた衆議院議員選挙についてお伝えします。
小選挙区は、2区・3区・4区では接戦を繰り広げる選挙戦になり、与党は4議席、野党は2議席を確保しました。
比例代表では、小選挙区で破れた寺田候補がかろうじて復活当選しました。自民党5議席、立憲民主党が3議席で、3区新人の東候補も比例復活を果たしました。公明党が1議席、国民民主が1議席を確保しました。
自民党候補が破れた4区と5区を見ていきます。5区では佐藤公治候補が、小島敏文候補と猪原真弓候補を破って当選しました。前回は、与野党一騎打ちの結果4000票余りの差となった接戦の選挙区でした。今回は、共産党候補も立候補したため、反自民党の受け皿となっていた佐藤候補への票が、共産党候補にも流れる中で、次点におよそ2万票の大差で勝利しました。
この結果が現れた要因として、 政党支持別にどの立候補者に投票したのかを見ると、自民党を支持する層が、立憲民主党の佐藤公治候補に4割弱投票していました。
逆に、立憲民主党支持者がどの立候補者に投票したのかを見てみると、出口調査でほぼ全ての有権者が、佐藤公治候補に投票していました。出口調査とはいえ、100%はあまり見ない数字です。
続いて、激戦となった4区で大きく変わったのが、区割りです。前回、旧4区だった東広島市と旧5区だった呉市が1つの選挙区となり、有権者は85%となりました。どの候補者がどれだけ制するのかが、今回非常に大きな分かれ目となりました。
選挙結果は、空本誠喜候補がわずか2000票余りの差で、寺田稔候補に勝利しました。
都市別に見ると、呉市は元々、寺田候補の地盤となっていますが、リードはわずかでした。空本候補が呉市出身ということもあり、呉市でもしっかりと票を得ることができました。
一方、空本候補の基盤となる東広島市では、1万票の差をつけています。結果的に、ここで大きく分かれたと思われます。
江田島市は、前回の選挙で自民党の候補が票を得ていた旧2区と旧4区でも、しっかりと善戦しています。
熊野町は、前回は選挙区に入っていませんでしたが、空本候補と寺田候補の差は、わずか12票で僅差でした。
竹原市でも、寺田候補の得票数が空本候補を上回りました。
また、大崎上島町も竹原市と同様です。元々、選挙区に入っていなかった空本候補でしたが、「12日間の短い選挙でしたが、区割りが決まった段階の2年前から、大崎上島町や竹原市で個人演説会や集会を行ったことが、今回の結果につながった」と話していました。選挙活動はできなくても、政治活動をしっかりとしていたことで、今回立候補した時点で、地域の有権者と顔を合わせていることから、スムーズに選挙戦を始めることができたことが、1つ結果になったのでは、ということでした。
1票によって、大きく政治の体制も変わっていくことを、今回の選挙で実感できたのではないでしょうか。