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なぜ登山に綿のTシャツはNGなのか 着ていくとどうなる?

Fav-Log by ITmedia 2024年8月2日 7時15分

 登山に出かけるとき、ウェア選びに悩む方も多いのではないでしょうか。特に初めて登山をする方は、普段着慣れている綿素材のTシャツを選ぶことがよくあります。しかし、実は登山に綿のTシャツは不向きなのです!

 今回は元アウトドア店員の筆者が、なぜ綿素材がNGなのか、そして代わりにどのような素材が良いのかを解説します。

●登山で綿素材のTシャツはNG! その理由は?

 登山では、綿素材のTシャツは避けるのが基本といわれています。その理由は、綿が持つ特性にあります。綿は吸水性が高く、一度汗を吸うとその水分を保持する性質があります。

 これが登山中にどのような影響を及ぼすのかを考えてみましょう。山の天候は変わりやすく運動量も多いため、雨でぬれたり、汗をかいたりする機会が多くなります。そんなとき、綿のTシャツは水分をすぐに吸収しますが、乾くのには時間がかかります。

 ぬれた状態が続くと、不快感を覚えるだけでなく、体が冷えやすくなります。特に標高が高い山では気温が低くなるため、汗でぬれたTシャツは体温を急激に奪う原因となります。これが低体温症などのリスクを高める要因となり、安全な登山を妨げるのです。

●登山に綿のTシャツを着ていくとどうなる?

 登山中に綿のTシャツを着ていると、どのような事態が起こるのでしょうか。綿は肌触りがよく、ほどよく風も通すため、歩き始めは特に問題を感じないでしょう。

 しかし、体がほてって汗をかくようになると、Tシャツが水分を吸い込み、しっとりと重くなります。ぬれたTシャツが肌に張り付くと、不快感を覚えるはず。この不快感が集中力を削ぎ、精神的な疲労や注意力の低下を招く恐れもあります。

 さらに、汗でぬれたTシャツが乾かないまま行動を続けると、体が冷えてしまいます。登山中の休憩時には特に寒さを感じるでしょう。これが体力の消耗をさらに加速させ、疲労感を増す結果となります。最悪の場合、低体温症や風邪を引くリスクも考えられます。

 以上から、綿のTシャツは登山には不向き。山歩きを集中して楽しむためにも、速乾性の高い素材のTシャツを選ぶことが大切なのです。

●登山で着るのにおすすめの素材は?

 では、登山にはどのような素材のTシャツが適しているのでしょうか。おすすめは、ポリエステルやメリノウールをはじめとした、速乾性が高く通気性に優れた素材です。これらの素材は湿気や汗を素早く吸って蒸発させ、体をドライに保つ効果があります。

 ポリエステルは軽量でありながら丈夫で、汗をかいてもすぐに乾くのが特徴。メリノウールは天然素材ながら高い吸湿速乾性を持ち、服の中の湿度を調整し快適に保ってくれます。

 たかがTシャツ、されどTシャツ。せっかくの山歩きを辛い思い出にしないためにも、適切なウェアを選んで臨みましょう。

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