腕時計には多種多様なデザインがあり、機能もさまざま。その中でも、文字板を取り囲むように「400」などの数字や目盛りが配置された腕時計があります。高級ブランドの腕時計でもよく見かけますが、これ、なんだか分かりますか?
●その名は………「タキメーター」!
この数字、ただの飾りではありません。「タキメーター」と呼ばれるもので、ちゃんと実用的な意味があるのです。
タキメーターは、アナログ式のストップウォッチ機能を搭載する「クロノグラフ」に多く備わっています。円形の文字板の外周やベゼルに「500」「100」といった数字と目盛りが刻まれ、数字は時計回りに小さくなっています。「tachymeter」(英語)などと記されてい場合も多いです。
タキメーターで分かるのは、だいたいの平均時速。ストップウォッチと組み合わせて使います。
●使い方は?
タキメーターの使い方について、「EDIFICE」ブランドでタキメーター付きクロノグラフを展開しているカシオ計算機の説明を見てみましょう。
1.ストップウオッチの計測をスタートさせます。
2.1km走行したときにストップウオッチを止めます。秒針が指している外周部の数字がそのときの平均時速です。
例として、1km走行するのに30秒かかったときは秒針が120を示しますので、平均時速は約120km/hということになります。
──カシオ公式サイトより
このように、タキメーターとストップウォッチを組み合わせることで、瞬時に速度を割り出すことができます。計測できるのは基本的には60秒以内(1周)なので、全てのタキメーターは12時位置の数字が「60」になり(1kmの距離に1分かかる=時速60km)、6時位置は「120」になります。
「カレラ」など、モータースポーツを意識した腕時計で人気のブランド、タグ・ホイヤーのWebサイトでは、
「タキメーター」は英語で “tachymeter” と書き、ギリシャ語で「速度」を意味する “tachos” と「計測」を意味する “metron” に由来します。歴史的に、タキメーターの主な機能は、移動時間に基づいて速度を算出することでした。このツールは、19世紀初頭のパイロットやレースカードライバーだけでなく、エンジニアにとってさえ、非常に有益なものでした。
──タグホイヤー公式サイトより
──と、レーサーやパイロットたちに活用されてきた歴史あるツールであることが説明されています。デジタル技術全盛の現在ではかつてほどの有用性はありませんが、スポーティーなデザインのクロノグラフでは今もデザイン上のアイコン的な存在です。
●工夫次第でいろいろと使える
ちょっと計算を工夫すれば、サイクリングやランニング/ウォーキングでも簡易的に速度を割り出せます。
例えばウォーキング中、100mにかかる時間をストップウォッチでタイムを計測。30秒かかったとしたら、針は「120」を指しています。1kmの10分の1の100mで計測したので、平均速度は120の10分の1、つまり12kmだと分かります。
仕事で作業の必要時間や効率を把握するのにも役立ちます。ある作業に30秒かかったとすると、針は「120」を指しているので、1時間でその作業を120回行えることが分かる──といった具合です。
●手頃なタキメーター付き腕時計をピックアップ!
○セイコーセレクション SBTQ041
○セイコーセレクション SBTR013
○セイコーセレクション SBPY165
○シチズンコレクション BL5490-09M
○カシオ EDIFICE ECB-950YDB-1AJF