野外で水を沸かしたり、料理をしたりといった場合に必要なストーブ(バーナー)。その中でも、燃料にアルコールを使う「アルコールストーブ」(アルスト、アルコールバーナー)は、軽量・コンパクトで信頼性が高く、登山者やソロキャンパーに愛用者が多いストーブです。
ここでは、アルコールストーブのメリットとおすすめモデルを紹介します。アウトドアライフのの参考にしてください!
●アルコールストーブとは?
アルコールストーブは歴史の古いバーナーです。コンパクトな本体に液体のアルコールを入れ、気化したアルコールを燃焼させることで火を得るというシンプルなもので、故障しにくく信頼性が高いのもメリット。構造が簡単なので、自作を楽しむ人もいるほどです。
燃料となるアルコールは約70mlで25分程度の燃焼が可能(トランギア「TR-B25」の場合)。1人分のお湯を沸かす程度なら少量で済み、ガスカートリッジ式のバーナーと比べて軽量コンパクト。 十分な火力があり、ガスバーナーと比べて燃焼音がほとんどないのも魅力。夜や早朝のキャンプ場でも周囲を気にせずに使えます。
ただ、液体の燃料の取り扱いに注意を要する上、燃料を自分で出し入れする手間がかかります。火力はふたなどを使って調整し、風に弱いので風防も用意しておきたいところ。クッカーを置くゴトクも別途用意するのが基本です。
●アルコールストーブの燃料は?
アルコールストーブの燃料には、ドラッグストアやホームセンターなどで購入できる「燃料用アルコール」が向いています。メタノールを主成分としてエタノールなどを混合したもので、アルコールランプやコーヒーを抽出するサイフォンなどにも使われます。安価で、旅先などでも入手しやすいのがメリットです。
ただしメタノールは毒性が強いため、子どもが誤飲したり、肌に触れたりしないように取り扱いに注意する必要があります。消毒などに使うのも厳禁です。
安全な消毒用エタノール(エタノールを水で希釈したもの)も使えますが、高コストになるのがデメリット。エタノールのほうが火力が強いものの、すすがつきやすくなります(炎は赤くなる傾向があります)。
機種によっては使用燃料が指定されている場合もありますので、説明書などを確認しておきましょう。
●アルコールストーブのおすすめ|トランギア アルコールバーナー TR-B25
メスティンでも知られるスウェーデンの老舗アウトドアブランド、トランギア(trangia)の大定番モデルです。容量は100mlで、3分の2の注入で約25分間燃焼するとしています。付属するタンク用のふたにはに漏れ防止のOリングが付いており、燃料を入れたままふたを閉めて持ち運べるようになっています(ただし「漏れることがある」という愛用者の声も多いので注意)。
火力調整用&消火用のふたも付属し、水平にスライドさせることで火力を調整&消火できます。ただし、ふたにハンドルがついていないので素手での操作は危険。ネットの情報などを参考に自作するのもよいでしょう。
実売価格(税込)は2500円前後から。
●アルコールストーブのおすすめ|エバニュー Ti アルコールストーブ EBY254
国産ブランド「エバニュー」(EVERNEW)のアルコールストーブ。トランギアと並ぶ定番モデルの1つです。
チタン素材を使い、34gと軽量なのが特徴。71(直径)×42(高さ)mmとコンパクトで、クッカーなどに入れて持ち運べます。
タンク容量は70ml。30mlのアルコールで約5分間燃焼し、約400mlのお湯を沸かせるとしています。火力調整・消火用のふたは付属していません。ゴトクなど、チタン製の純正アクセサリもラインアップされています。
実売価格(税込)は約3200円から。
●アルコールストーブのおすすめ|コールマン コンパクトアルコールバーナー&クッカーセット
コールマン(Coleman)のアルコールストーブとクッカーなどがセットになったもの。必要なものは一通りそろっているので、これ1つでアルコールストーブを使った調理を楽しめます。
真ちゅう製のアルコールストーブとクッカー(約800ml&300ml)、焼き網に加え、ゴトクや燃料ボトル(約300ml)が含まれ、専用キャリーケースに収納して持ち運べます。アルコールストーブにはハンドル付きのふたが付属しており、火力調整や消火の際に安全に使えます。
実売価格(税込)は6000円前後から。
●アルコールストーブのアクセサリ
・ゴトク
クッカーを火に掛けるためのゴトクは、固形燃料用のものなどさまざまなものが利用できます。選ぶ際は自分のアルコールストーブとサイズが合うか確認しましょう。
・燃料ボトル
燃料のアルコールは必要量をボトルに小分けして持ち運ぶと安心です。