厳しい寒さが続き、暖房器具が欠かせないシーズンです。電気料金が年々上がっており、特に電気暖房は消費電力が大きい家電であるため、電気代が気になりますよね。
比較的電気代が安いといわれる「エアコン」を使っている人も多いと思いますが、少しでも節約しながら使いたいですよね。
この記事では、エアコン×サーキュレーターの節約効果について、FPが解説します。
●エアコンとサーキュレーターを併用するメリット
エアコンは、電気ストーブや電気ヒーターなどと比べて消費電力が少なく、長時間の使用に適した暖房器具です。また、部屋全体を暖められるのも特徴です。他の暖房器具にはない長所を持っているエアコンですが、使い方によっては無駄な電力を使ってしまうことがあります。
空気の性質として、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に行きます。そのため、エアコンの風向きは下にした方が良いのですが、それでも部屋全体に暖気が行き渡らず、温度ムラが発生することがあります。エアコンをつけているのに足元が冷える……というのは、この温度ムラが原因です。足元を暖かくするために、設定温度を上げてしまうと電気代も上がってしまいます。
そこで、サーキュレーターの出番です。サーキュレーターを使って空気を攪拌(かくはん)させると、温度ムラをなくすことができます。
●暖房効率が上がる「サーキュレーターの設置場所」とは?
サーキュレーターを使って暖房効率を上げるためには、設置場所が重要です。次の2つを試してみましょう。
1.エアコンの対角線上に置き、エアコンに向けて風を送る
エアコンから出てきた温風に、サーキュレーターからの風をあてることで、温かい空気が部屋全体に行き渡ります。
2.部屋の中央に置き、天井に向けて風を送る
エアコンの対角線上に家具などがあってサーキュレーターを置けない場合は、部屋の中央に置いて、天井に向けて風を送りましょう。天井付近に溜まった暖気が、壁を伝って下に降りてくる流れを作ることができます。
●どのくらい節約できる?
エアコンとサーキュレーターの併用で、どのくらい節約できるのでしょうか。ここで、中部電力ミライズが運営しているサイト「カテエネ」による実験結果を紹介します。
エアコンのみで設定温度23度の場合と、設定温度を1度下げて22度でエアコンとサーキュレーターを併用した場合の、足元の暖かさと省エネ性を比べています。結果は、設定温度を下げてもサーキュレーターを使った方が足元は暖かく、またサーキュレーターの消費電力はそれほど大きくないため、エアコンとサーキュレーターの併用の方が10%の省エネとなりました(参照:中部電力ミライズ「カテエネ」)。
●節約できる電気代を計算してみた
上記の実験結果から、エアコン+サーキュレーターで10%消費電力を削減できることが分かったので、具体的にいくら節約できるのか計算してみましょう。
1時間あたりの電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」の1kWhあたり31円(税込、以下同)を用いて計算します。
エアコンの電気代
エアコンはパナソニックの「エオリアJシリーズ 2024年モデル 14畳」を参考にすると、暖房時の消費電力は1400Wとなっており、1時間あたりの電気代は43.4円となります(出典:パナソニック)。1日10時間使用した場合の1カ月の電気代は、1万3020円となります。
サーキュレーターの使用で10%削減できると考えると、
・1万3020円-1302円=1万1718円
エアコンとサーキュレーターを併用した場合の1カ月の電気代は、1万1718円となります。
サーキュレーターの電気代
一般的なサーキュレーターの消費電力は25W程度です。1時間あたり約0.78円です。1日10時間使用した場合の1カ月の電気代は、234円となります。
節約できた電気代
サーキュレーターを使用したことでエアコンの電気代が1302円減ったのに対し、サーキュレーターの電気代は234円なので、1カ月で1068円の電気代が節約できたことになります。年間にすると1万2816円の節約となるので、決して小さくはない金額です。
●エアコンとサーキュレーターの併用効果は冬の方が高い
サーキュレーターは夏場に使うイメージがありますが、電気代は暖房の方がかかるので、サーキュレーターを使ってエアコンの設定温度を下げる(上げる)ことによる節約効果は、冬場の方が高くなります。夏にサーキュレーターを使っていたけれど、片づけてしまったという人は、ぜひこの冬も使ってみてください。暖房効率を上げて電気代を節約しましょう。