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ダイソーが“激安スマホアクセサリー”を女性向けに展開したワケ 1100円のオーディオ製品はどうやって生まれた?

ITmedia Mobile 2024年5月28日 12時53分

 100円ショップのダイソー(DAISO)では、スマートフォン向けのアクセサリーも多数の製品を取り扱っている。その中でも異例といえるのが、3月から展開している、東京ガールズコレクションとのコラボ製品だ。「東京ガールズコレクション 2024 SPRING/SUMMER」の出展に合わせて発表したもので、オーディオ製品やモバイルバッテリー、スマートフォン向けケース、Apple Watch用バンドなどを取り扱っている。

 特筆すべきは価格だ。完全ワイヤレスイヤフォンやワイヤレスヘッドセットを1100円という低価格で販売しており、ネットでは「ダイソーが本気を出してきた」と話題を集めた。

 では、なぜダイソーは東京ガールズコレクションとのコラボレーションを決めたのか。大創産業に聞いた。

●女性にもダイソーの家電ジャンルを認知してもらえるチャンスに

―― 東京ガールズコレクション(以下、TGC)とコラボした製品を販売した経緯を教えてください。

大創産業 2019年よりコラボ展開をスタートし、毎度コラボ商品は話題を集め好評をいただいております。今まで雑貨、コスメを中心に展開しておりましたが、新たなニーズの獲得、話題性の創出のため、DAISO内でカテゴリーとして存在感を増してきた電気アイテムも展開できるのでは、という流れから商品化に至りました。

 電気アイテム(スマホ関連)は特に男性のユーザー様が多く、TGC様とのコラボ商品化は新たな客層へのアプローチ、特に女性の方にもDAISOの電気ジャンルを認知いただくチャンスと捉えました。

―― ヘッドフォンやワイヤレスイヤフォンが1100円という低価格も話題になりましたが、この価格を実現できた理由を教えてください。

大創産業 取引先様との取り組み、努力の結果です。DAISOのスケールメリット(店舗数・販売数量)により単価を抑えられている部分とパッケージの簡素化、付属アクセサリーの見直しなど本体以外の部分でできうることを徹底的に行いました。

―― 同コラボ製品の反響はいかがでしたか?

大創産業 SNSを中心に話題にしていただき、大変好調です。

―― TGC製品で想定しているユーザー層を教えてください。

大創産業 TGC自体に興味関心をお持ちの10代・20代の女性がメインですが、さらにその上の層(DAISOのメインユーザーの30・40代)の方にも手に取っていただきやすいデザインを意識しました。

―― TGCコラボ製品はSNSでも話題になりましたが、若者意識でSNSでの波及も狙っていたのでしょうか。

大創産業 アイテム選定、色展開などトレンドを意識し、告知ビジュアルから映え感は意識しました。あえてデザインを入れ込まず、バイカラー(2色)というテーマを設け、色でファッション性を表現しました。

―― TGC以外にも、コラボする企業やブランドは今後あるのでしょうか。

大創産業 現在お伝えできるものはございませんが、定期的に企画開発を進めております。

●利益が出ていない商品はない

―― ダイソーの製品で特に人気のスマホアクセサリーを教えてください

大創産業 保護フィルム、充電ケーブル、スマホスタンド などです。

―― 製品はどのようにして調達しているのでしょうか

大創産業 取引先様と開発を行っております。

―― 「安かろう悪かろう」をイメージする人も多いと思いますが、製品の品質はどのように担保しているのでしょうか

大創産業 素材、パッケージの表現、品質面など品質管理部による検査を行っております。

―― 110円という安い製品で利益は出ているのでしょうか

大創産業 利益が出ていない商品はございません。

 ダイソーがTGCとタッグを組んだ背景には、ユーザー層を広げるという狙いがあった。ダイソー内でも家電ジャンルは注目を集めているようだが、若い女性にも注目してもらうための仕掛けとして、TGCはうってつけのパートナーだったといえる。若者が関心を集めるブランドや企業とコラボすることで、SNSで波及する効果も期待できる。

 ダイソー自身はSNSではInstagramで新製品の情報を発信している。一方、Xについては「ダイソー50周年記念アカウント(公式)」を展開していたが、2023年3月20日の投稿が最後になっている。情報の拡散力を考えるとXでの発信も欲しいところ。今後のコラボ展開や情報発信の手法にも期待したい。

【更新:2024年5月28日20時50分 ダイソーのInstagramについて追記しました。】

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