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ChatGPTを外国語の翻訳にだけ使うのはもったいない もっと役立たせる4つのアプローチ

ITmedia Mobile 2024年6月12日 19時20分

 ChatGPTは英語、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語など、50以上の言語に対応している。他の翻訳サービスを使うのと同様、出力される翻訳の精度に注意する必要こそあるが、使い方を工夫すれば、強力な翻訳ツールになるはずだ。本記事では、英文をChatGPTで扱う上での具体的な活用方法について、4つのアプローチを紹介したい。なお、検証には無料プランでも利用できる「ChatGPT 3.5」を使用している。

●(1)ストレートに翻訳してもらう

 1つ目は、単純に翻訳ツールとして活用する方法だ。例えば、“次の文章を英訳してください「○○○」”といったようにChatGPTに指示することで、翻訳した文章を出力してくれる。ここでは、本記事の冒頭の文を英訳してみた。

 ただし、ChatGPTはすぐに英訳を出力してくれるものの、このままでは日本語の構造が複雑な部分や、ニュアンスに頼っている曖昧な部分について、不自然に堅い表現が使われてしまっている。そこで続けて「文意を変えずに、より自然な文章にしてください」と指示をしてみる。

 すると、使用される単語がより柔らかくなった。例えば「本稿では、英文を扱う上での具体的な活用方法について、4つのアプローチを紹介したい」の部分について、最初は「l'd like to introduce four approaches for leveraging it specifically for handling English text.」と訳されていたのが、「l'll introduce four specific approaches for making the most out of using it for handling English text.」と変わった。

 ただし、これでもまだ読みづらい印象が残るので、最後に「文意を変えずに、よりシンプルな文章にしてください」と指示をしてみる。

 これでだいぶすっきりした英文になった。ChatGPTへの指示(プロンプト)自体は日本語でも問題ないので、不慣れな言語でも、こうした段階を経て翻訳することで、ある程度は自然な文章に整えられるだろう。なお、内容が不安な場合は、出力後の文章を再度和訳して確認するといいだろう。

●(2)類語表現を探して部分的にリライトする

 文章全体ではなく、類語表現などを推敲(すいこう)してみよう。例えば次の英文に対し、一部の表現を差し替えてみる。

"When translating Japanese to English using ChatGPT, you can make the output more readable by asking it to keep the meaning while simplifying the text."

 ここでは「readable」を別の表現にできないかChatGPTを使いながら考えてみたい。

 まず、「『readable』を別の表現に変えるとすると、どのような候補が挙げられますか? 5つの例を教えてください」と指示してみる。

 使い分けが分からないので、続けてそれぞれのニュアンスについて聞いてみよう。「それぞれのニュアンスの違いについて教えてください」と指示する。

 例えば「easy to read」を使って、元の文章を書き換えてみよう。「以下の文章を『readable』を使わず、『easy to read』を使って自然に書き換えてください。“○○○”」と指示してみると、「more readable」が「easier to read」へと書き換える形で、出力された。

●(3)ニュアンスを変更する

 続いて、既に整えた文章について、想定する利用用途にあったニュアンスに変換してみたい。例えば、先ほど出力した文章「When translating Japanese to English using ChatGPT, you can make the output easier to read by asking it to keep the meaning while simplifying the text.」を、友人に語りかけるようなせりふにするとどうなるか。

 ここでは「以下の文章について、文意を変えずに、友人にカジュアルに話しかけるせりふに書き換えて。“○○○”」と指示してみた。

 すると、例えば「Hey, did you know that if you use ChatGPT to translate Japanese to English, you can make the text easier to understand? Just tell it to keep the meaning but make it simpler!」と出力された。こちらも少しまわりくどい表現に感じたので、「よりシンプルな言い回しに整えて」と指示してみる。

 これで出力は「Hey, if you're translating Japanese to English with ChatGPT, just ask it to keep things simple. It'll make the text easier to read!」という文に変わった。

●(4)書いた文の添削をしてもらう

 自分でゼロベースで英文を書けるという人は、自身で書いた英文について、上記のようなアプローチをしてみるのも手だ。

 例えば、次のような文章を書いてみて、ChatGPTに添削してもらうとする。

「This morning, I took a walk in the park for looking Japanese apricot blossom. There was a sweet scent all over the place. And in the noon, I went to a cafe to write an article. Then, I ordered a cup of coffee, but that was more sweet than I thought. 」

 ChatGPTには、「次の英文を添削し、添削した箇所を箇条書きにしてください。また、その理由も教えてください。“○○○”」と指示をした。これで、誤りを指摘した上で、より適切な文章に修正したテキストを出力してくれる。具体的な修正内容は以下の画像にある通りだ。

 さらに必要があれば、よりシンプルな表現に整えたり、文語的表現に書き換えたりしてみるのも良いかもしれない。こうした添削にChatGPTを利用してみるのも良いだろう。

 なお、ChatGPTで出力した文章が100%正しいとは限らない。本稿で紹介したような手順を使うことで、何も考えずに使うよりは翻訳の精度を高められるだろうが、内容の正誤については、おのおので確認する必要があることを留意しつつ、こうしたアプローチを試みてほしい。

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