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AI検索「Perplexity(パープレ)」でできること ChatGPTやGoogle検索とは何が違う?

ITmedia Mobile 2024年6月17日 16時18分

 ソフトバンクは、米国のスタートアップPerplexityとの戦略的提携を発表した。同社が提供するAI検索エンジンをソフトバンクのユーザー向けに提供する。

 ソフトバンク、Y!mobile、LINEMOのユーザーは、6月19日からPerplexity Proの有料プラン「Perplexity Pro」を1年間無料で利用できるようになる。

 ソフトバンクの寺尾洋幸専務は、「AIをより多くのお客さま、若い方だけでなく、お年寄りの方、全ての方にお届けしたい」と提携の狙いを説明した。日本語では発音しにくい「パープレキシティ」を「パープレ」と略すことで浸透を図る方針を示した。

●AIと対話しながら最新の情報を検索できる「パープレ」

 Perplexityは、生成AIによる対話型検索エンジンを開発している。ChatGPTなどの生成AIサービスと異なる点として、1時間程度頻度で更新する鮮度の高いインデックスを持っており、最新の情報を検索できる。

 Googleのような従来の検索エンジンでは、ユーザーが検索ワードを入力すると関連するWebページのリンク集が表示される。

 しかしPerplexityは、単なるリンク集ではなく、ユーザーの質問に対して的確で分かりやすい回答を直接提示。回答の根拠となる情報ソースを明示することで高い信頼性を確保している。チャットのようにスレッドを重ねて会話を継続できるため、対話を通じて知識を深めていくこともできる。

 同様の検索エンジンには「新しいBing」が存在するが、Perplexityは日本語の検索精度においてもBingを上回っているように感じられた。

 Perplexityが優れているのは、検索対象の絞り込みができることだ。例えば論文のみを検索ソースとした検索もできる。「英語で論文を検索して、日本語で結果を回答して」といったクエリにも柔軟に対応できる。

 Proプランでは、曖昧な質問に対して絞り込みを行う「プロサーチ」という機能が利用できる。例えば「インドから社長が来日るのでもてなしたい」という質問をしたとき、ホテルを探しているのかレストランを探しているのかの確認を、対話表示で行ってくる。曖昧な質問に対して、しっかりとした回答を得られる仕組みだ。

 また、Pro版では検索した内容を簡易的なページにまとめる機能も備えており、即席のWikiのようなサイトが作成できる。

●レシート画像からレシピ提案 カズレーザーさん、ヒコロヒーさんも驚き

 発表会では、お笑い芸人のカズレーザーさんとヒコロヒーさんがPerplexityを実際に使用するデモンストレーションが行われた。カズレーザーさんはお互いのことを検索し合い、AIが個性を的確に捉えた回答を返す様子に驚きの声を上げていた。

 また、ヒコロヒーさんがレシートの写真を撮影すると、AIがそれを分析して写っている食材からおすすめの料理レシピを提案するという画像認識機能を用いた検索もデモンストレーションされた披露された。

 2人は口をそろえて「使いやすい」「身近にあったらいろいろ質問したくなる」と感想を述べた。

●ソフトバンク製LLMの導入も視野

 また、ソフトバンクグループで開発している国産LLMをPerplexityに対して提供する方針を明らかにした。PerplexityのProプランではGPT-4oやClaudeなどの外部のLLMを選択できる機能があるが、ここに日本語に特化したLLMとしてSB Intuitions製のLLMが選択できるようになる見込みだ。

 PerplexityのAravind Srinivas CEOは「利用体験を向上させるために、Pro版では複数のモデルを提供している。将来的に日本語により適したモデルが増えれば、ユーザー体験の向上につながる。ソフトバンクが開発するモデルが非常に優れた体験を提供するならば、それを全てのユーザーに提供したいと考えている」と言及した。

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