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スマート家電音痴でも手軽に節電? 石ころデザインのスマートリモコン「Nature Remo Lapis」登場

ITmedia Mobile 2024年6月26日 20時55分

 Natureは7月5日、新型のスマートリモコン「Nature Remo Lapis」を発売する。想定価格は7980円で、6月26日からNature公式サイトで予約販売を受け付けている。Amazon.co.jpでも7月5日から販売を開始する予定だ。

●Nature Remo Lapisは「がんばらなくても節電できるデバイス」

 Nature Remo Lapisは、累計販売台数65万台を記録した「Nature Remo」のデザインと機能を大幅に刷新した新モデルとなる。節電、快適、健康を意識した製品で、ユーザーが意識的に難しい操作をせずに家電を操作でき、節電もできるようにと開発されたという。

 使い方は今までのNature Remoと同様だ。本機とペアリングしたスマホかスマートスピーカーで家電の操作を指示すると、Wi-Fiを通して本機に指示が飛び、本機から赤外線信号が送信されて家電を制御できる。

 Natureの塩出晴海氏(代表取締役)は、「利便性のみならずエネルギーの効率性も追求した製品をこれからどんどん届けていきたい」「家電の制御は勝手にやってくれて、快適に節電できるのが、やっぱり理想的な形だ」と語る。本機は、そんな理想に向けた「第一歩」だといえる。

 塩出氏は家電の中でも夏場に向けて消費電力量の多くなるエアコンを中心に取り上げ、「昨今、電気料金が非常に高くなっている」ことを指摘。その上で、本機をこのタイミングで発表した意図をこう話す。

塩出氏 元々、燃料価格の高騰により電気料金が上がっていましたが、それが一服した今でも1kWh当たり30円に迫る状況だからこそ、頑張らなくても節電ができるデバイスが必要なのです。

●部屋に馴染む石ころデザイン

 Natureの長尾友美氏(デザイナー)は、Nature Remo Lapisが「機能性だけでなくデザイン性も重視している」製品であることをアピールする。

 Nature Remo Lapisの石ころのような見た目は「Live with Nature」(自然と調和するデザイン)がコンセプトとなっている。海辺の石をモチーフとした見た目にすべく、「ベースとなる形を探しにわざわざ海へ行った」と明かす。その石をスキャンし、シルエットやテクスチャを再現したという。

 石ころデザインの本体パッケージは、「砂浜をイメージした」(長尾氏)そうだ。量産時に廃棄されるプラスチックは、過去シリーズと比べて68.8%削減し、「環境への配慮にも努めた」としている。

 ボディーサイズは約57(幅)×69(奥行き)×26(厚さ)mmで、重量は約28gだ。

Matterにも対応

 本機は、米CSA(Connectivity Standards Alliance)が策定したスマートホームの共通規格「Matter」に対応している。従来の対応モデル(Nature Remo nano)と比べると、Matter機器の接続数は最大3台から最大20台に拡大し、同時利用できるコントローラーの数も最大2台から最大8台に増加した。Matterの「Door Lock」対応デバイスの制御にも対応しており、スマートロック「Qrio Lock」の制御も可能だ。

 また本機は、スマートスイッチ「SESAME Bot」「SESAME Bot 2」にも対応している。スマート照明「Philips Hue」との公式連携機能は、2024年内に実装予定だ。

●アプリに新機能を搭載 利便性向上と節電の両立を図る

 Natureは、Nature Remoアプリに「オートエコ」「コスパ起動」「消し忘れアラート」を搭載し、利便性向上と節電の両立を目指す。その具体的な内容は、荒川恵太氏(プロダクトマネージャー)が説明した。

オートエコ

 オートエコは、エアコンの利用状況からユーザーに適した節電のタイミングを計画する機能だ。ユーザーが都度リモコンやアプリで操作しなくとも、勝手に節電してくれるという。節電の効果はアプリで確認できる。

 例えば、1日最長8時間節電すると、「最大で月額2300円」(荒川氏)を節約可能だ。

 この機能については、大阪大学大学院の谷口一徹准教授(総合技術研究科)との共同研究が進められている。荒川氏は研究成果をアプリの新機能に反映させたいとの構想を述べた。

コスパ起動

 コスパ起動は、エアコンを急速に冷やしたり暖める必要がないときに、ゆっくりとエアコンの温度を変更する機能だ。Nature Remoが室温を確認しつつ、「30分かけて段階的にエアコンの設定温度を変更する」(荒川氏)。

 エアコンの消費電力は、室温とエアコン設定温度の差が開くほど大きくなる。この機能を使うことで「エアコンの消費電力を抑えられる」(荒川氏)そうだ。

消し忘れアラート

 消し忘れアラートは、家に人がいないときに一定時間以上、エアコンが動作すると、アプリをインストールしたスマホに通知する機能で、文字通りエアコンの消し忘れを防ぐために用意される。利用者の位置情報をもとに外出中かどうかを判定するため、この機能を利用するにはスマホアプリで位置情報の取得を認める必要がある。

 なお、この機能は2024年夏めどに実装される。。

「熱中症アラート」なども実装

 同社では、Nature Remo Lapisを含む温度/湿度センサー付きのNature Remoシリーズにおいて、設置場所の室温と湿度から熱中症の恐れになる場合に事前通知する「熱中症アラート」機能を2024年夏をめどに実装する。

 また、適切な室内環境かどうかを可視化する「快適指数表示」機能を2024年冬、ウェアラブルデバイスで得たバイタルデータをもとにエアコンを最適に制御する「バイタルデータ連携」機能を2025年内に順次実装する予定だ。

●「auでんき」とのコラボレーションサービスも

 Nature Remo Lapisの発表に合わせて、Natureとauエネルギー&ライフは、共同提供の新サービス「スマート節電 with Nature Green」を発表した。「auでんき」のユーザー向けのオプションサービスで、月額550円を支払うことでNature Remo Lapisを1台無料で利用できる。

 このサービスでは、「auでんきアプリ」とNature Remo Lapisを連携させることで、アプリから電気料金を確認/予測したり、節電効果を確認したりできる。

 auエネルギー&ライフの吉岡尉登副社長は「自社のみでサービス事業展開をしていくのではなく、パートナーとサービスを共創する文化がある」とした上で、「エネルギーの価格が上昇している状態において、節電により直接、電気料金の値下げにつなげることで、ユーザーの家計を応援していく、というコンセプト」のもと、本サービスの提供に至ったと説明した。

 吉岡副社長は、本サービスの提供にとどまらず「事前に550円以上の節電効果が出るのかをシミュレーションできるサイトを準備している」ことも明らかにした。

 Natureの塩出氏は「auエネルギー&ライフが保有している“電力の実際の消費データ”に意味がある」と語り、auエネルギー&ライフとの提携により「Nature Remoシリーズ単体で取得できない、具体的な(電力)消費データをユーザーに提示できる」とのメリットを示した。

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