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折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold6」、日本で7月31日に発売 面倒な作業はAI任せ、先代より薄型かつ軽量に

ITmedia Mobile 2024年7月10日 22時5分

 Samsung Electronics(サムスン電子)は7月10日(中央ヨーロッパ時間)、折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold6」を発表した。国内版のSIMフリーモデルは7月31日に発売となる。Samsungオンラインショップ価格は256GBが24万9800円(税込み、以下同)、512GBが26万7800円、1TBが30万3800円となっている。

 グローバル向けモデルの発表から国内向けモデルの発表までタイムラグがあるのが通例だが、2024年は異例の同時発表となった。なお、7月10日22時時点で国内の通信事業者による、取り扱い可否の発表はない。SIMフリーモデルの予約開始日は17日だ。

●面倒な作業はAI任せ、Galaxy Z Fold6の構造を生かした機能も搭載

 Galaxy Z Fold6は閉じると一般的なスマホに近いサイズ感で、開くとコンパクトなタブレット大のサイズになる横折りフォルダブルスマートフォンだ。「Galaxy Z Fold5」の後継モデルに当たる。折りたためる構造と大画面のインナーディスプレイを生かしたAI機能を搭載する他、シリーズ史上最軽量かつ最薄のボディーなどが特徴となっている。

 グローバル標準のボディーカラーはシルバーシャドウ、ピンク、ネイビーの3色。国内向けモデルではピンクがない代わりに、シルバーシャドウとネイビーに加え、Samsungオンラインショップ限定カラーとしてクラフテッド ブラックとホワイトの全4色を用意する。

 まずはAIと折りたためる構造を生かした新機能を中心に紹介する。会議の内容の翻訳と要約だけでなく、内容に応じたカバーを生成できる「ノートアシスト」では、話者を判別した文字起こしが可能となった。メモと音声データがリンクしているため、タップしたメモに関連する発言をすぐに確認できる。

 Sペンでイラストを描いたり、文字を書いたりできる「Samsung Notes」アプリで開いたPDFをAIで翻訳することが可能だ。画像内やグラフ内の文字も翻訳できる。

 Galaxy Z Fold6はSペンとAIを組み合わせた新機能として「AIスケッチ」を搭載。スケッチをするだけで写真に合わせたリアルな画像を生成できる。短時間ながら試用したところ、下手なイラストでもまるでプロの画家が描いたかのような芸術的な仕上がりとなった。

 写真内のオブジェクトをリサイズ、削除、再配置、画像拡大しながら、生成AI編集で背景を生成できる。新機能の「ポートレートスタジオ」を利用すれば、コミックや水彩画など、さまざまなスタイルで自分にそっくりなアバターを作ることも可能だ。

 言葉の壁を取り払う新機能もある。「リスニングモード」だ。外国語の長時間の講義や会議では、Galaxy Z Fold6を机上などに置くだけで、即時に文字起こしや翻訳を行える。通訳機能は「Galaxy S24」シリーズも搭載するが、あくまで1対1の対面でのコミュニケーションに特化した機能となる。Galaxy Z Fold6は画面を見続けなくても、1人が複数人にプレゼンする際、多言語であっても文字起こしや翻訳ができる。

 カバーディスプレイに翻訳内容を表示できる「会話モード」も利用できる。カバーディスプレイとインナーディスプレイで互いの会話内容を把握できるため、会話を中断してインナーディスプレイを相手に見せて、再びインナーディスプレイを自分に向ける、というわずらわしい動作が不要となる。同様の機能はGalaxy Z Fold6と同じ折りたたみスマートフォン、「Google Pixel Fold」が他社に先駆けて実装した。

 Galaxy S24シリーズが初搭載した「リアルタイム通訳」も進化した。Galaxy Z Fold6ではSamsung純正の電話アプリだけでなく、LINE、Instagramなどのアプリでも、リアルタイムに通話内容を翻訳できるようになった。

 「チャットアシスト」では文章を考えずに最低限必要なキーワードを入力するだけで、プロフェッショナルな文章を生成できる。「Samsungキーボード」さえ起動していればどのアプリでも利用できる。丁寧な口調でメールに向く文章、カジュアルな表現でSNSに向く文章を簡単に作成できる。

 次のページではGalaxy Z Fold6のスペックがGalaxy Z Fold5からどのように進化したのかを説明する。

●Galaxy Z Fold5より薄く、軽くなったGalaxy Z Fold6のスペック

 ここからはGalaxy Z Fold6のスペックがGalaxy Z Fold5からどのように進化したのかを説明する。

 ボディーサイズは大きく変わった。展開時はGalaxy Z Fold6が約132.6(幅)×153.5(高さ)×5.6(厚さ)mm、Galaxy Z Fold5が約129.9(幅)×154.9(高さ)×6.1(厚さ)mmとなっている。Galaxy Z Fold6は幅が2.7mm増えたものの、高さは1.4mm低くなり、厚さは0.5mm薄くなった。

 折りたたみ時はGalaxy Z Fold6が約68.1(幅)×153.5(高さ)×12.1(厚さ)mm、Galaxy Z Fold5が約67.1(幅)×154.9(高さ)×13.4(厚さ)mm。Galaxy Z Fold6は幅が1mm増えたが、高さは1.4mm低くなり、厚さは1.3mm薄くなった。

 重量はGalaxy Z Fold5が約253gだったのに対し、Galaxy Z Fold6では239gと14g軽くなっている。

 インナー(メイン)ディスプレイは約7.6型の有機ELを搭載。Galaxy Z Fold5と同じサイズだ。カバー(サブ)ディスプレイはGalaxy Z Fold5の約6.2型から0.1型大きくなった6.3型の有機ELを搭載する。

 アウトカメラは約1200万画素の超広角、約5000万画素の広角、約1000万画素の望遠から成る3つのカメラを搭載する。「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」のISP(イメージ信号プロセッサ)のアルゴリズムにより、低照度環境で発生しがちなノイズを補正できるという。

 バッテリー容量は4400mAh。ワイヤレス充電だけでなくワイヤレス給電にも対応する。放熱部品の一種であるベイパーチャンバーがGalaxy Z Fold5から約1.6倍大きくなり、冷却効果を高めている。耐久性については従来同様、IPX8等級の防水性能も確保している他、国内向けモデルはおサイフケータイ(モバイルFeliCa)に対応する。

 メインメモリの容量は12GBとなっている。OSはAndroid 14をプリインストールしている。Galaxy S24シリーズと同様に7世代のOSアップデートと7年間のセキュリティ更新の提供を保証する。内閣府の消費動向調査(2023年3月実地調査結果)によると、スマートフォンやタブレットの平均使用年数が4.4年となっている。

 Googleも「Pixel 8」シリーズで端末の長期的なサポートを打ち出し、OSアップデート、新機能提供(Feature Drops)、セキュリティ更新を最長7年間提供する。一方、折りたたみスマートフォンのPixel Foldは提供期間が最長5年となっている。実際に5年、7年使うかどうかはさておき、折りたたみスマートフォンにも長寿化の波が押し寄せた。

 なお、記事内のスペックは国内向けSIMフリーモデルの情報となり、発表時点で通信事業者の取り扱いやスペック、価格の情報はない。これから検討する人は国内通信事業者による発表を待ってからでも遅くはない。

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