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「スマホ熱中症」に要注意 絶対にやってはいけないこと/効果的な対策を紹介

ITmedia Mobile 2024年7月20日 11時30分

 近年、「今年は猛暑になる」という予報を毎年のように耳にします。2024年も例外ではなく、既に静岡で40度を記録するなど、厳しい暑さが予想されています。このような暑さの中で特に注意したいのが、いわゆるスマホ熱中症です。

 スマホが文字通りに熱中症になるわけではありませんが、スマホをはじめとする精密機器には、一定以上の温度になると処理性能を制限して内部のパーツやバッテリーを熱から守るセーフティ機能が備わっています。スマホのカメラで撮影中に「高温のために終了する」というメッセージを見た経験がある人も多いのではないでしょうか。

 デジタル機器の設定・トラブル解決を行う日本PCサービスが実施した調査によると、夏特有の「暑さ」「天候」「夏のレジャー」が起因したPC・スマホのトラブルのうち、暑さが原因と考えられる動作不良・故障系のトラブルは、全体の53.4%を占めたそうです。特に夏場は、スマホを使用していなくても、炎天下に置いたり、車のダッシュボードに放置したりすると想像以上に熱を帯び、思わぬトラブルにつながる可能性があります。

 今回は、そんなスマホ熱中症について、やってはいけないことと、効果的な対策を紹介します。

●スマホの発熱時にやってはいけないこと

 スマホが発熱して機能制限や性能低下が起きると、すぐに冷まそうとして以下のような行動をとってしまいがちです。しかし、これらは絶対に避けるべきです。

・水につける

・保冷剤を背面に貼り付ける

・エアコンの冷風に直接当てる

・冷蔵庫に入れる

 スマホが発熱したときにこうした方法で急速に冷やすと、急激な温度差によってスマホ内部に結露が生じる可能性があります。防水仕様のスマホであっても、内部に生じた結露には無防備です。最悪の場合、内部の回路がショートして故障したり、水ぬれ反応シールが反応したりしてしまい、修理代が高くなるなどのリスクがあります。

 水道の流水や常温の水に沈めるのも避けた方が無難です。本体が熱くなっていると、予想外に温度差が生じる可能性があるためです。

●効果的なスマホ熱中症対策

 では、スマホが発熱した際にはどうすればいいのでしょうか。最も簡単な方法は、涼しい部屋の中、屋外であれば直射日光の当たらない木陰などに電源を切って放置しておくこと。少しでも早く冷やしたいのであれば、扇風機の風に当てるというのも効果的です(エアコンの冷風はNGです)。ようは、結露を生じさせないようにゆっくりと冷ますということです。

 ただ、そんなに長くは待っていられないという人もいるでしょうし、そもそも発熱させずに使いたいというのが本当のところでしょう。そういった場合には、下記のようなアイテムを使うのも効果的です。

冷却シート

 スマホの背面に張り付け、スマホの熱を吸収・発散することで、本体の発熱を抑えるという製品です。冷却シートというと、本体を急速に冷やすというイメージがありますが、そういう目的の製品ではありません。スマホの熱を効果的に吸収して温度上昇を緩やかにしてくれるというもので、薄いヒートシンクと考えた方がいいでしょう。薄型で、製品によってはスマホとケースの間に挟めるものもあります。ただし、使えるかどうかはケース次第です。

 メジャーなところでは、トリニティの「スマ冷え」シリーズがあります。スマ冷えの場合、貼り付けた状態でワイヤレス充電も可能とのことです。

冷却ファン

 冷却シートは温度上昇を緩やかにするものですが、もっと積極的に冷却したいという場合にはスマホの背面に取り付ける冷却ファンがおすすめです。ゲーミングスマホでは純正オプションとして用意されていることもある冷却ファンですが、さまざまなスマホに取り付けられる汎用(はんよう)品も販売されています。

 以前はクリップで固定するものが主流でしたが、MagSafeが普及したおかげでマグネット脱着できるものも増えています。Android端末でもMagSafe対応のケースを使えば利用は可能ですが、ほとんどの製品はペルチェ素子を使って背面の熱を吸収する構造なので、ケースを使うと冷却性能が落ちてしまいます。このため、Androidではクリップ式の製品の方がいいかもしれません。

 ゲーミングスマホを展開するBlack Sharkの冷却ファンには、マグネットとクリップの両対応のものあり、汎用性が高いです。

 なお、冷却ファンは物理ファンが回るために少なからずファンノイズが発生します。動画撮影時の発熱を抑える目的で使用する場合、別途ワイヤレスマイクなどを使用しないとファンの音が入りやすくなってしまうので、注意が必要です。

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