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LINEMOの新プラン「ベストプラン」で損をする場合も? 現行プランの駆け込み契約も検討しよう

ITmedia Mobile 2024年7月22日 12時31分

 LINEMOでは7月下旬以降に新料金プラン「ベストプラン」「ベストプランV」を提供開始します。これまでの3GBと20GBに加えて10GBと30GBの区切りができた一方、「容量超過後の低速通信に容量制限あり」「ベストプランVは料金にかけ放題が含まれる」などの注意点もあります。今回はベストプランの料金体系を解説した上で、現行プランや他社と比較してみました(料金は全て税込み)。

●ベストプランはどんなプラン?

 新料金プランは「ベストプラン」と「ベストプランV」の2つで、ミニプランの後継が「ベストプラン」、スマホプランの後継が「ベストプランV」です。どちらも月のデータ使用量に応じて料金が変わる従量制のプランになりました。

 ベストプランは、月のデータ使用量が3GB未満なら月額990円、3GBを超えると10GBまで月額2090円で使えます。料金にかけ放題は含まれておらず、国内通話は30秒あたり22円、国内通話5分かけ放題オプションが月額550円、時間無制限のかけ放題オプションが月額1650円で付けられます。ミニプランが10GBまで使えるようになったのがベストプランといっていいでしょう。

 ベストプランVの料金は、月のデータ使用量が20GBまでは月額2970円、20GBを超えると30GBまでは月額3960円です。ベストプランVは国内通話5分かけ放題が料金に含まれており、時間無制限のかけ放題も月額1100円で付けられます。

 どちらも固定回線とのセット割、家族割や特定のクレジットカード支払いによる割引はなく、誰でもこの料金で契約できます。ただし新プランには容量超過後の低速通信に容量制限が設けられました。ベストプランは合計15GB(低速で5GB)使うと最大速度が300kbpsから128kbpsに制限されます。ベストプランVも同じく、合計45GB(低速で15GB)使うと最大速度が1Mbpsから128kbpsに制限されます。

●ミニプラン/スマホプランとの比較

 では、新プランは現行のミニプラン/スマホプランと何が変わるのでしょうか。まず、ミニプランとベストプランを比較すると、大きな違いは以下の2点です。

・月10GBまで使えるようになった

・容量超過後の低速通信に容量制限ができた

 ミニプランは月3GBでしたが、ベストプランは3GBを超えても最大10GBまで使えるようになりました。サブブランドやオンライン専用プランを含めた主要な格安SIMでは5~15GBの間のプランが少ないため、月10GBのプランが選べるのはメリットです。

 一方、ミニプランは3GB使い切った後も最大300kbpsで使い放題でしたが、ベストプランには容量超過後の低速通信に容量制限ができました。ベストプランも10GB超過後は最大300kbpsの低速通信になりますが、合計15GB(低速になってから5GB)使うと最大速度が128kbpsにさらに制限されます。300kbpsと128kbpsの差は意外に大きいので、この点には注意が必要です。

 スマホプランとベストプランVの主な違いは以下の通りです。

・20GB超過後も30GBまで使える

・容量超過後の低速通信に容量制限あり

・月額料金が月242円値上げ

・料金に5分かけ放題が含まれる

・LINEスタンプ プレミアム for LINEMOの特典なし

 ベストプランVは20GBを超えても30GBまでは高速通信ができるようになりました。また、30GB超過後も最大1Mbpsで通信ができます。1Mbps程度の速度があればYouTubeなどの動画もある程度快適に視聴できるので、通信制限のストレスは少ないでしょう。

 ただし、ベストプランVにも低速通信の容量制限があり、合計45GB(低速になってから15GB)使うと最大速度が1Mbpsから128kbpsにさらに制限されます。容量超過後も、スマホプランは最大1Mbpsで使い放題でしたが、ベストプランVは15GBしか使えません。

 また、ベストプランVは5分かけ放題込みの料金になりました。月20GBに5分かけ放題が付いて月額2970円という料金はahamoと同じです。LINEMOの5分かけ放題オプションは月額550円なのに対し、スマホプランからの値上げ幅は月242円なので、これまで5分かけ放題を使っていた人はお得になります。逆に、通話をほとんどしない人は損になるので注意が必要です。

 さらに、スマホプランに付帯する「LINEスタンプ プレミアム for LINEMO」はベストプランVにはないため、対象スタンプや絵文字が使い放題の「LINEスタンプ プレミアム」を無料で使うことはできません。

 このように、LINEMOの新プランにはメリットもあるものの、場合によっては現行プランの方がお得な場合もあります。7月下旬以降の新プラン開始後は現行のミニプラン/スマホプランは申し込めなくなるので、契約を検討中の人は今のうちに申し込みましょう。高額のPayPayポイントが還元されるお得なキャンペーンも実施中です。

●ベストプランと他社のプランを比較する

 この章ではLINEMOの新料金プランを他の主要な格安SIM(サブブランドやオンライン専用プラン含む)と比較します。

 今回はベストプランの3~10GB使用時と、ベストプランVの20GB、30GB使用時を対象にします。ベストプランの3GBはミニプランとほぼ変更がないので、こちらの記事を参考にしてください。

・月3GB~5GBのオススメキャリア/格安SIMは? 9つの通信サービスを比較

 まず、ベストプランで3~10GB使う場合の料金を比較します。

 10GBを選べるキャリアは少ないですが、その中でもIIJmioのギガプランが月額1500円と安いです。IIJmioなら余ったデータ容量は翌月に繰り越せるのもメリットですね。ただし、IIJmioは昼に通信速度が遅くなることが多く、昼でもしっかり使う人はLINEMOの方がいいでしょう。

 また、楽天モバイルは月20GBが月額2178円で、Rakuten Linkを使えば国内通話は無料でかけ放題(一部電話番号を除く)なのも魅力です。通信品質はLINEMOの方が高く、10GBで十分な人が20GBと同じ料金を払うのは損に感じるかもしれませんが、月10GBでもあえて楽天モバイルを契約した方がお得な場合も多いです。

 続いて、ベストプランV(20GB)の料金を他社と比較します。

 ベストプランVでデータ使用量が20GB未満の場合の料金はahamoと同じです。LINEMOには「30GBまで高速通信ができる」「LINEアプリによるデータ通信がカウントフリー」などのメリットがありますが、ahamoは「容量超過後の低速通信に容量制限がない」「海外でも追加料金なしでデータ通信ができる」などのメリットもあり、自分ならahamoを選ぶかなと思います。

 また、既に解説した通り、楽天モバイルは月20GBまでは月額2178円で、国内通話も無料でかけ放題です。通信品質はLINEMOの方が安心なものの、この料金差であれば我慢できるという人も多いでしょう。

 月20GBの容量帯は最激戦区で、それ以外にも選択肢が豊富です。詳細はこちらの記事も参考にしてください。

 最後は月30GBの料金比較です。

 月30GBは選択肢が少ないですが、その中でも日本通信の合理的30GBプランの安さが目立ちます。月額2178円で30GB使え、さらに70分の無料通話か5分かけ放題が料金に含まれます。通信速度は昼や夕方に遅くなりますが、それでもこの安さは魅力的です。

 また、楽天モバイルはデータ使い放題と国内通話かけ放題で月額3278円なので、LINEMOの30GBで月額3960円という料金はやや割高に感じます。通信品質などの理由からLINEMOを選ぶ場合は、今のうちに現行のスマホプランを契約し、20GB超過後も最大1Mbpsで通信するのがオススメです。

●ミニプラン/スマホプランの駆け込み契約もオススメ

 ベストプランと現行プランを比較した場合、ベストプランの方がお得な人もいる一方、現行のミニプラン/スマホプランの方がお得という人も多いと思います。例えば毎月3GBで足りる人は、容量超過後の低速通信に容量制限がないミニプランの方がいいでしょう。また、ベストプランでは3GBを超えると料金が自動的に2090円に上がるため、知らないうちに3GBを超えて料金が2090円になっていた、といったことも起きますが、ミニプランならそういった心配は不要です。

 また、通話をほとんどしない人は、かけ放題が料金に含まれるベストプランVより、かけ放題なしで月242円安いスマホプランの方がお得です。

 さらにスマホプランなら容量超過後の低速通信に容量制限がないため、20GBを超えても最大1Mbpsでずっと通信できます。ベストプランVは20GB超過後も30GBまでは高速通信できる代わりに、料金が990円上がってしまいます。1Mbps程度の速度があれば大体のことはできるため、自分なら990円払って10GB高速通信できるベストプランVより、1Mbpsで使い放題のスマホプランを選ぶと思います。

 現在ミニプラン/スマホプランを契約中の人は、新プラン開始後も現行プランを使い続けられます。ただし、7月下旬以降とされている新プラン開始と同時に、現行のミニプラン/スマホプランの新規申込受付は終了します。ミニプラン/スマホプランへの申し込みで高額のPayPayポイントがもらえたり、通話定額オプションが最大7カ月550円割引になったりするキャンペーンは現在も実施しています。LINEMOへの契約を検討中で、現行プランの方がお得になる人は、現行プランが申し込める今のうちにLINEMOへの契約を検討しましょう。

著者プロフィール

シムラボ

 「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。

・Twitter(現X):@simlabo_jp

・サイト:https://www.simlabo.jp/

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