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あおり運転対策にも効果がある前後録画ドラレコ「MF-BDVR002」を試す ヘルメットに装着してインカム機能も

ITmedia Mobile 2024年8月3日 6時5分

 バイクは追突されやすいし、あおり運転の対象にもなりやすい。四輪車の後方に付いた状態で信号待ちなどをしていると、車体が小さいから存在を見落とされがち、流れに乗って走行していても、ちょろちょろして目障りなのか、後方にピッタリとくっつかれてしまうことも少なくない。

 ここは抑止力として効果があり、さらに万が一のときの証拠も残せるドライブレコーダーを装備したい。とはいえ、バイクのカウルなどを外してバッテリーと接続するという電気工事的な作業が苦手という人もいることだろう。

 今回紹介するMAXWINのバイク用ドライブレコーダー「MF-BDVR002」(税込み2万5980円)は、そういった面倒な作業がほとんどない、ヘルメットに取り付けるタイプのドラレコだ。短い期間ではあったが、ツーリングなどで実際に試してみた。

●電源ボタンのない本体――その理由は押し忘れ防止のため

 MF-BDVR002は、ソニーセミコンダクタソリューションズ製の低照度カメラモジュール「STARVIS IMX335」を前後カメラに採用した前後同時録画バイク用ドライブレコーダーだ。解像度は2560×1440ピクセルの2K画質で、グローブを装着したままでも操作しやすい大きめボタン、Wi-FiとBluetoothの搭載、IP66等級の防塵(じん)/防水性能があり、突然の土砂降りにあっても壊れにくい。

 バッテリー容量は2000mAhで、最大3時間の連続録画が可能だ。別売りの防水バッテリーボックスは18650リチウムイオン電池を入れて使う方式なので、電池のみ複数用意しておけば、録画時間を伸ばせる。なお、本体の内蔵バッテリーへの充電はUSB Type-Cで行う。

 パッケージに含まれるのは本体の他、挟み込み式/両面テープ固定式の2in1タイプのブラケット、ヘルメット装着型イヤフォン、ハードマイク(アームタイプ)、ソフトマイク(両面テープ固定式)、充電ケーブル、イヤフォンカバー、六角レンチなどだ。

 なお、記録用microSDメモリーカードは別に用意する必要がある。対応する書き込み速度はV30以上で、32GB~128GBのものを用意しよう。

 MF-BDVR002には電源ボタンがない。ではどうやってオンオフを切り替えるかというとブラケットへ装着することで自動的に電源がオンになる。その後、Gセンサーが作動し、脱いだヘルメットを置いておけば3分後には自動的に電源がオフになる。ヘルメットをかぶろうとするとカメラもオンになるという仕組みだ。

 これならせっかく装着しているのに録画できていなかったということを防げる。自動車用のドライブレコーダーがエンジンをかけると自動的に録画開始するように、ヘルメットをかぶることで電源オンになるというのは非常に理にかなっていると感じた。

●クリップ式より落ちづらい仕組み

 早速ヘルメットに取り付けていこう。ブラケットは挟み込み式/両面テープ固定式の2in1タイプだ。まずは挟み込み方法を試してみた。

 インカムなどヘルメットに装着するものによってはバネの力で挟み込むクリップ式のものもある。筆者が普段使っているインカムもそのタイプだ。しかしうまくはまっていないとズレることがある。最悪の場合、脱落してしまう。とはいえ、ヘルメットから脱落したとしてもイヤフォンやマイクとつながっているケーブルのおかげで道路に落としてしまうことはないのだが。

 MF-BDVR002の場合、付属する六角レンチを使ってぎゅっと締め付ける。おかげで取り付けたあとはびくともしない。これならよほどのことがない限り落ちないだろう。

 両面テープで取り付ける場合はもっと簡単だ。位置を決めたらアルコールなどを使ってヘルメットに付着した油脂や汚れなどを取り去る。続けて挟み込み部分から外したブラケットのみに両面テープを貼ってから、先ほどきれいにしたヘルメットの所定の位置に押し付ける。しっかり接着させるため、1分ほどは押さえつけておいたほうが良いだろう。基本はこれだけだ。

 あとはヘルメット装着型イヤフォンやマイクを取り付けるだけだ。最新のフルフェースヘルメットやシステムヘルメットでは、インカム用イヤフォンパッドを格納する部分にくぼみがあり、位置決めしやすい。貼り付けてからケーブルのコネクターを接続しよう。

 MF-BDVR002の設定は専用アプリ「MUFU Video」(iOS、Android)で行う。MUFU Videoアプリをインストール済みのスマホとMF-BDVR002をWi-Fiで接続すれば、スマホ側で録画状況を目視確認したり、録画データの閲覧やスマホへのダウンロードをしたりすることが可能になる。

 SDカードの初期化、画質設定、ループ録画の長さの設定、傾き補正などを行える

●前後同時に録画できる安心感

 MF-BDVR002を取り付けたヘルメットを使って、とある夏の日にツーリングに出掛けてみた。なお、スマホはナビとして使うのでインターネット接続が必須である。そのためMF-BDVR002とのWi-Fi接続は切った状態であり、画角の確認ができていないことをご了承いただきつつ、下の動画で画質を見てみてほしい。

 山道の石垣に生える苔や崖側に生い茂る木肌や葉の様子がよく捉えられている。街なかでは、前後とも信号待ちしている車のナンバープレートがはっきり見える。これなら万が一、追突されたとしても、または逆あおり運転をされたとしても証拠を残すことができそうだ。

 では、夜間ではどうだろうか。こちらは街灯が多少ある道、ほとんどない道、明るい大通りで撮影したものだ。

 ここには掲載しなかったが、撮影済みデータを確認したところ、信号待ちをしている前の車のナンバープレートがはっきり写っていた。明るい大通りはもちろん、ほとんど街灯のない道でも路面状況などを記録していることがわかった。

●通話機能はどうか

 MF-BDVR002は前後同時録画のできるドライブレコーダーというだけでなく、インカムとして、またスマホのヘッドセットとしての機能も搭載している。

 スマホとの接続は、その他のワイヤレスイヤフォンなどと同じようにBluetoothで行う。ナビとして使うプライベート用のスマホと仕事用のスマホなど2台まで同時接続可能なマルチペアリング対応なのがうれしい。

 家人の協力を得て通話してみたところ、相手の声、自分の声、ともに明瞭だということが判明した。LINEなど無料音声通話できるものをつなげてインカム代わりにすれば、距離に関係なく会話できて便利だろう。

 なお、音楽再生も試してみたが、これは筆者が普段使っているインカムのほうがクリアであった。それだけが「惜しい!」と感じた。

 バイクの車両にも前後にドライブレコーダーを取り付けているのだが、小さくて目立たないからか、後ろにピッタリと付けてくるドライバーがいる。かなり近づくと、カメラの存在に気付くのか離れていく。

 しかしこのMF-BDVR002をヘルメットに取り付けていると、「ドラレコあります」というのが分かりやすいからか、長距離を走っている間中、どこを走行していてもピッタリと付けられるということを経験せずに済んだ。

 もちろん、ドラレコを装着しているという“ポーズ”だけでなく、録画データはきれいで、しっかり機能している。

 まだバイクにドライブレコーダーを取り付けていないというのであれば、間違いなく選択肢の1つに入るだろうと感じた。

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