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Google折りたたみスマホ「Pixel 9 Pro Fold」発表 先代「Pixel Fold」から何が進化したのか

ITmedia Mobile 2024年8月14日 2時5分

 Googleは折りたたみスマートフォン「Google Pixel 9 Pro Fold」を発表した。折りたたみ端末史上最薄をうたう他、初代からカメラ機能などが進化した。Google オンラインストアでの価格は25万7500円(税込み、以下同)で、先代「Google Pixel Fold」の25万3000円から4500円値上がりした。

 Pixel 9 Pro FoldはPixel Foldの後継モデルに相当し、閉じると一般的なスマートフォンに近いサイズ感で、開くとコンパクトなタブレット大のサイズになる横折りフォルダブルスマートフォンだ。

 折りたたんだ状態で使用できるカバーディスプレイは、Pixel Foldが5.8型でフルHD+(1080×2092ピクセル)の有機ELだったのに対し、Pixel 9 Pro Foldは6.3型のフルHD+(1080×2424ピクセル)の有機ELを採用。0.5型大きく解像度もやや向上した。最大輝度は1200ニト(HDR)/1550ニト(ピーク輝度)から1800ニト(HDR)/2700ニト(ピーク輝度)へと明るくなっている。カバーガラスはCorning Gorilla Glass VictusからCorning Gorilla Glass Victus 2へと強化した。

 開いた状態で使用可能なインナーディスプレイは、Pixel Foldが7.6型でフルHD+(1840×2208ピクセル)の有機ELだったのに対し、Pixel 9 Pro Foldは8型のフルHD+(2076×2152ピクセル)の有機ELを採用。0.4型大きく解像度もやや向上した。最大輝度は1000ニト(HDR)/1450ニト(ピーク輝度)から1600ニト(HDR)/2700ニト(ピーク輝度)へと明るくなっている。

 リフレッシュレートはPixel Foldが最大120Hz対応という表現だったが、Pixel 9 Pro Foldはカバーディスプレイが60~120Hzで、インナーディスプレイが1~120Hzとどちらも可変式となっている。インナーディスプレイを保護するフィルムは貼り付けられた状態で出荷される。

 アウトカメラは望遠カメラは0.5/1/5倍の光学ズームに対応しており、超解像ズームを合わせれば最大20倍のズームに対応する。構成は広角カメラ、超広角、望遠で変わらないが、画角は超広角カメラが121.1度から127度、望遠カメラが21.9度から23度へと広くなっている。画素数は広角カメラ(4800万画素)と望遠カメラ(1080万画素)は同じだが、超広角カメラのみ1080万画素から1050万画素へと少なくなっている。

 被写体にレーザー光線を照射し、反射を検知して距離を測り、フォーカスを合わせるLDAFや、光学式/電子式手ブレ補正にも引き続き対応している。アウトカメラの配置方法は大幅に変わった。Pixel Foldは長方形のバーに納まるのに対し、Pixel 9 Pro Foldでは1つの四角いバンプ(台座)に集約している。

 インカメラはカバーディスプレイ側とインナーディスプレイ側それぞれにある。画素数はカバーディスプレイ側が950万画素から1000万画素に、インナーディスプレイ側が800万画素から1000万画素に増えた。画角はどちらも84度から87度へと広くなった。インナーディスプレイ側のインカメラの位置はフレーム内からパンチホールに変更。フレーム内への埋め込みが不要になった代わりに、ベゼルが細くなっている。

●集合写真を撮影しやすい「一緒に写る」機能、迫力のある画像を生成する「オートフレーム」を利用可能

 撮影機能については「Pixel 9」「Pixel 9 Pro」「Pixel 9 Pro XL」同様、Pixel 9 Pro Foldでも写真2枚を組み合わせて、まるで1度で撮ったかのような集合写真を撮影できる「一緒に写る」という機能を利用できる。

 例えば、旅行先において3人で集合写真を撮影する際、周りに写真の撮影を頼める人がいない場合、2人を最初に撮影した後、1人の撮影者がその写真に写れなかったり、やむなく自撮りの写真になってしまったりするが、新しい撮影機能を使うとそうした問題を解消できる。

 「Google フォト」アプリからアクセス可能な「オートフレーム」という編集機能も利用できる。例えば、人物に寄りすぎて周囲の物や背景が少ない場合、少し離れた場所から撮影したかのような画像を生成する。写真の迫力が少し足りないが、撮影者が前後に動くスペースがない場合に重宝しそうだ。

 折りたためる構造を生かした新機能も加わった。開いた状態でカメラアプリを使用し、アウターディスプレイにアニメーションを表示させることで、子どもにカメラを向いてもらいやすいという。

●文章作成やイベントの計画などはGemini任せに 電源ボタン長押しで一発起動もOK

 Pixel 9 Pro Foldはあらゆる情報やデータを扱える生成AIモデル「Gemini」による文章作成、イベントの計画、新しい知識の習得、検索が可能だ。他社のAndroidスマートフォンでも既にGeminiを活用できるが、Pixelシリーズでは電源ボタンの長押しだけで、AIアシスタントを起動できる。AIアシスタントと会話をしながら知りたい情報を得られる「Gemini Live」も利用可能だ。

 2024年8月7日から2025年10月31日までにPixel 9 Pro Foldを購入し、アクティベーションを行った場合、「Google One AIプレミアムプラン」の特典として、Gemini Advanced、Gemini in Gmail、Gemini in Google ドキュメント、2TBのクラウドストレージを利用できる。

●プロセッサに「Google Tensor G4チップ」採用、メモリは16GBに増量

 ここからはディスプレイやカメラ以外のスペックが、Pixel Foldからどう進化したのかを解説する。

 折りたたみスマホとして最薄レベルを目指したというサイズは折りたたんだ状態で大差がある。折りたたんだ状態のサイズはPixel Foldから幅が2.4mm減り、高さが15.5mm増し、厚さが1.6mm薄くなった。開いた状態のサイズはPixel Foldから幅が8.5mm減り、高さが15.5mm増し、厚さが0.7mm薄くなった。重量はPixel Foldの283gより26g軽い257gとなっている。

・折りたたんだ状態

・Pixel Fold:79.5(幅)×139.7(高さ)×12.1(厚さ)mm

・Pixel 9 Pro Fold:77.1(幅)×155.2(高さ)×10.5(厚さ)mm

・開いた状態

・Pixel Fold:158.7(幅)×139.7(高さ)×5.8(厚さ)mm

・Pixel 9 Pro Fold:150.2(幅)×155.2(高さ)×5.1(厚さ)mm

 カラーはObsidianとPorcelainの2色で、Pixel Foldからの変更はない。

 ヒンジは鏡面仕上げの多相合金スチール構造となる。Pixel Foldでは折りたたんだ状態での隙間が見えづらかった。Pixel 9 Pro Foldでも外からは隙間が見えづらくなっており、ホコリなどが内部に混入しづらくなっている。

 背面の強化ガラスはCorning Gorilla Glass VictusからCorning Gorilla Glass Victus 2へアップグレード。ヒンジ部分を除くサイドフレームはアルミニウム素材だが、Pixel Foldの光沢仕上げからサテン仕上げに変更となっており、背面とサイドフレームともに指紋が目立ちづらくなった。IPX8の防水性能は継承している。

 プロセッサは「Google Tensor G2チップ」から「Google Tensor G4チップ」へと進化し、先述のGeminiやカメラ機能などにおける処理に活用しやすくなった。メインメモリは12GBから16GBへと増量。内蔵ストレージは256GBまたは512GBを備えるが、販売国によって異なる。

 プリインストールOSはPixel FoldがAndroid 13だったのに対し、Pixel 9 Pro FoldではAndroid 14となっている。OSアップデート、新機能提供(Feature Drops)、セキュリティ更新の提供期間は、Pixel Foldの最長5年間から最大7年間に延長となり、より長期間の使用が可能となる。

 生体認証は電源キーに配置された指紋センサーでの指紋認証、カバーディスプレイに配置されたセンサーでの顔認証に対応している。

 内蔵バッテリーの容量は4821mAhから4650mAhへと171mAh減った。外部拡張端子はUSB 3.2 Gen 2 Type-C端子で、USB PD(Power Delivery)による急速充電に対応。別売りの急速充電器「Google 45W USB-C」を利用できる。Qi(チー)規格のワイヤレス充電も可能だ。

 SIMはnanoSIMとeSIMに対応する。モバイル通信については主要なキャリアの5G NR(Sub-6)/LTE/W-CDMAバンドをサポートする他、5G NRのミリ波(n257:28GHz帯)も利用可能だ。日本向けモデルではおサイフケータイ(モバイルFeliCa)も利用できる。

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