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スマホやケータイがぬれた時に「やってはいけないこと」と「やるべきこと」

ITmedia Mobile 2024年8月16日 6時0分

 日本で販売されているスマートフォンやケータイの多くは、一定の防水構造を備えています。多少の水ぬれであれば問題なく使えるようになっていますが、それでもモノには“限度”もあります。

 この記事では、スマホやケータイがぬれてしまった場合に「やってはいけないこと」と、ぬれた後に「やるべきこと」をまとめて紹介します。防水(耐水)性能を持たないスマホ/ケータイ向けのノウハウも併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

●そもそも論としての「防水性能」

 先述の通り、日本で販売されているスマホやケータイの多くは、一定の防水構造を備えています。防水性能は、日本産業規格(JIS)が定める「電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)」(規格番号「JIS C0920」)、あるいは国際電気標準協会(IEC)が定める「IEC 60529」という規格に基づいて定義されています(どちらも基準は同一です)。

 スマホやケータイにおける防水性能は、両規格における「IPX5」「IPX7」「IPX8」のいずれか(あるいは複数)を満たすものがほとんどで、それぞれの等級が満たす防水要件は、簡単にまとめると以下の通りです。

・IPX5:あらゆる方向から水の直接噴流を受けても内部に水が浸入しない

・水は1分当たり100Lの水を100kPaの圧力で、3m離れた場所から3分間噴射

IPX7:一定圧力(水深)の水中に一定時間落としても内部に水が浸入しない

・15cm~1mの深さの水の中に30分間水没

IPX8:潜水状態でも一定の利用ができる

・具体的な基準は製造者が定める(いずれにせよIPX7の基準も満たす必要がある)

 大きく分けると、雨を含む噴水を想定した防水が「IPX5」、水没を想定した防水が「IPX7」「IPX8」です。

●スマホ/ケータイがぬれた時に「やってはいけないこと」

 さて、スマホやケータイが防水性能を備えていても、絶対にやってはいけないことがあります。

ぬれた状態で充電したり周辺機器をつないだりしない!

 最近の防水性能を備えるスマホやケータイは、拡張端子(充電端子)やイヤフォン端子が“むき出し”になっているものがほとんどです。これらの端子類が水にぬれる(水没する)のを想定した防水設計である、ということです。

 とはいえ、端子類がぬれたままでACアダプター(充電器)や周辺機器をつなぐことは厳禁です。スマホ/ケータイはもとより、つないだデバイスの故障につながります。

 一部の機種では、水ぬれを検知すると警告を出した上で端子類の機能を自動停止させる機能を備えています。この警告が出ている間は、デバイスをつながないことを強くお勧めします。

真水/雨水や水道水以外の水につけない!(特に耐性がある場合を除く)

 IPコードにおける防水性能は、真水(飲用可能な水)または水道水に対する保護を想定しています。言い換えると、風呂の水/湯、海水、プールの水や泥水に対する保護は想定していないということになります。

 「防水だから大丈夫!」といって、真水や水道水以外の水にさらしてしまうと、水に含まれている異物(特に砂や塩分)による故障、あるいは浸透圧の違いによる本体内部への浸水の原因となってしまいます。風呂の水/湯、海水、プールの水や泥水に触れた場合は、すぐに真水か水道水でしっかりと洗い流してください(詳しくは後述します)。

 なお、機種によっては独自に「お風呂防水」や「耐海水性能」を備えていることもありますが、使った後に真水か水道水で洗い流す必要があることに変わりはありません。

●スマホ/ケータイがぬれた後に「やるべきこと」

 スマホやケータイが水ぬれした場合、なるべく早めに水抜きをしてください。きれいな柔らかい布(タオルやハンカチなど)を用意し、スピーカー、マイク、拡張端子を下に向けて“優しく”ポンポンとたたくようにすると水分を外に出せます。その後、数時間ほど自然乾燥させれば完璧です。

 端子類の自動無効化機能を備えている機種の場合、通常は水分(または異物)がなくなると自動的に再度有効化してくれます(その際に通知もしてくれます)。ただし、機種によっては自動有効化ができない場合があります。その場合は端子類をよく見て、乾燥したことと異物がないことを確認してから有効化の操作を行ってください。

 なお、先述の通り、風呂の水/湯、海水、プールの水や泥水に触れた場合は、真水か水道水で洗い流してから水抜きをしてください。ただし、この際の水流は弱めにしてください。強めの水流で洗うと、端末本体を破損させてしまう可能性があります。

●非防水(非耐水)スマホ/ケータイがぬれたらどうする?

 さて、防水/耐水をとくにうたっていないスマホやケータイの場合、水にぬれたり水没したりすることで故障するリスクが防水モデルよりも高いです。

 万が一そのようなスマホやケータイをぬらしたり水没させてしまったりした場合は、すぐに電源を切った上で、きれいな布で可能な限り水分を拭き取って、乾燥剤(除湿剤)と一緒に密封できる容器か袋に入れて2~3日間放置すると、運が良ければ電源が入る状態になります。

 ただ、これはあくまでも“応急措置”であり、その後も端末の機能が維持できるかどうかは分かりません。速やかにデータのバックアップを取った上で、端末の修理や買い換えを検討することを強くお勧めします。

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