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楽天モバイルの“1円ルーター”「Rakuten WiFi Pocket Platinum」は何が変わった? 実機をレビュー

ITmedia Mobile 2024年8月19日 15時34分

 楽天モバイルは7月11日にモバイルルーター「Rakuten WiFi Pocket Platinum」を発売しました。先代の「Rakuten WiFi Pocket 2C」と同様に、キャンペーンで一括1円で買える安さが魅力です。では、先代から何が変わったのでしょうか。今回は楽天モバイルから端末をお借りできたのでレビューしました(価格は全て税込み)。

●SIM契約とセットなら一括1円

 Rakuten WiFi Pocket Platinumの通常価格は7980円で、楽天モバイル公式サイトで端末本体のみを購入する場合はこの価格です。また、楽天モバイルの契約と同時購入なら、キャンペーンにより7979円が割引され、1円で購入できます。楽天モバイルの契約が初めてでなくても対象なので、既に契約中の人の追加契約や、過去に契約していた人の再契約でも1円です。

 ただし「購入は1人1点まで」「データプランは対象外」「過去にRakuten Hand 5GやRakuten WiFi Pocket 2Cをキャンペーンで1円で買った人は対象外」などの条件もあります。必ず楽天モバイル公式サイトで確認してから購入してください。

●Rakuten WiFi Pocket Platinumの主なスペック

 Rakuten WiFi Pocket Platinumのスペックは以下の通りです。

・本体サイズ:96.5(幅)×65(高さ)×15.3(奥行き)mm

・色:ホワイト

・重さ:約103g

・バッテリー容量:2440mAh

・連続待受時間(LTE):約260時間

・連続通信時間(LTE):約10時間

・SIMタイプ:nanoSIM

・対応周波数帯:【LTE】Band1/3/7/18/19/26/28A、【TD-LTE】Band38/41

・USB端子:USB Type-C

・付属品:クイックスタートガイド、無線LAN初期設定シール

 Rakuten WiFi Pocket Platinumは5Gに非対応です。楽天モバイルの5Gエリアは都市部ではだいぶ広がってきましたが、本機では4G通信しかできません。本体カラーはホワイトのみで、充電器やケーブルなどの付属品はないので、持っていない場合は自分で用意する必要があります。

 Rakuten WiFi Pocket Platinumは国際ローミングにも対応しています。Rakuten 最強プランは海外73の国と地域(2024年8月時点)で月2GBまでなら追加料金なしでデータ通信ができるため、海外旅行や出張時に携帯するのもオススメです。1人ならスマホに楽天モバイルのSIMを入れればいいですが、家族など複数人で行く場合はモバイルルーターで通信した方がいいかもしれません。ただし、国際ローミングをオンにするには管理画面から設定が必要なので注意してください。

●Rakuten WiFi Pocket 2Cとの違い

 楽天モバイルは、先代のRakuten WiFi Pocket 2Cも同じく1円から販売していました。Rakuten WiFi Pocket Platinumと先代Rakuten WiFi Pocket 2Cの違いは主に「本体の幅」「SIMカードのサイズ」「対応周波数帯」の3つです。

 Rakuten WiFi Pocket Platinumはコンパクトな本体サイズが特徴です。先代より幅が1センチ以上小さくなり、クレジットカードよりわずかに大きいくらいのサイズしかありません。Rakuten WiFi Pocket 2Cもそれほど大きくはありませんでしたが、持ち運びが多いモバイルルーターは小さければ小さいほどうれしいです。

 また、先代Rakuten WiFi Pocket 2CはSIMカードのサイズがmicroでしたが、Rakuten WiFi Pocket PlatinumはnanoSIMになりました。

 さらに、Rakuten WiFi Pocket Platinumは楽天モバイルのプラチナバンドであるB28Aに対応しています。プラチナバンドは地下や建物内でも電波がつながりやすいという特徴があります。ただし、楽天モバイルのプラチナバンドは6月27日にサービスが開始したばかりで、記事執筆時点で開局しているのは都内のわずかなエリアのみです。全国的に使えるようになるのはまだまだ先なので、あまり気にする必要はないでしょう。

●Rakuten WiFi Pocket Platinumを実際に使ってみた

 筆者も実際にRakuten WiFi Pocket Platinumを使ってみました。端末にSIMを入れると自動でAPNが設定され、すぐに使えるようになりました。スマホやタブレットをRakuten WiFi Pocket PlatinumのWi-Fiに接続する場合、画面を切り替えると表示されるQRコードにカメラを向ければ簡単に接続してくれるのも便利です。

 通信速度を測定してみると、だいたい15~25Mbps前後の速度が出ました。超高速というわけではありませんが、これくらいの速度があれば動画視聴やビデオ会議などにも問題なく使えるでしょう。

 なお、Rakuten WiFi Pocket Platinumは本体のみでは電源オン/オフなどの最低限のことしかできず、細かい設定は本体に接続したPCやスマホから行います。SSID/パスワードの変更、他社SIMで使用する際のAPN設定、国際ローミングのオン/オフは管理画面から設定してください。付属のクイックスタートガイドには管理画面へのアクセス方法や使い方の説明はないため、楽天モバイル公式サイトにある取扱説明書(※PDF)を参考にしてください。

●ドコモ、au、ソフトバンクのSIMでも使える?

 Rakuten WiFi Pocket Platinumは他社のSIMカードでも使えます。楽天モバイル以外にドコモ回線とau回線が使う主要な4G/LTEの周波数帯に対応しているので、ドコモ回線かau回線のSIMカードなら使えるでしょう。ソフトバンク回線でも使えないことはないですが、プラチナバンドのB8には非対応なので、地下や建物内ではつながりにくくなるかもしれません。

 筆者も実際にahamoとpovo2.0のSIMカードを入れてみました。やはりSIMカードを入れただけでは使えないため、本体とPCをUSBで接続し、管理画面にアクセスしてAPN設定が必要でした。ahamoもpovo2.0も、APN設定後に端末を再起動すると問題なくデータ通信ができました。

●固定回線としても使える

 Rakuten WiFi Pocket Platinumは固定回線としても使えます。楽天モバイルはデータをどれだけ使っても月額料金は3278円で、初期費用や工事費もかからず、最低利用期間もありません。光回線ほどの速度は出ませんが、1人暮らしや、それほどスマホを使わない家庭なら十分でしょう。

 筆者も自宅で設置してみたところ、通信速度は20~30Mbpsほど出ていました。試しにAmazonプライム・ビデオをテレビにつなぎ、高画質設定にしても快適に視聴できました。楽天モバイルを固定回線として使う方法はこちらの記事で詳しくまとめています。

 以上、楽天モバイルのモバイルルーターRakuten WiFi Pocket Platinumの解説でした。機能は最低限ながら大きな欠点もなく、何よりキャンペーン適用で1円から買える安さが魅力です。ただしキャンペーンには条件もあるので、必ず公式サイトで確認してから契約してください。

著者プロフィール

シムラボ

 「シムラボ」は、スマホ料金や端末に関するお役立ち情報を発信する個人サイトです。Y!mobileに乗り換えたことをきっかけに格安SIMのよさに気付き、今では主要な格安SIMは全て契約してレビューしています。モットーは「自分に合うものを、より安く」。

・Twitter(現X):@simlabo_jp

・サイト:https://www.simlabo.jp/

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