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ワイヤレスイヤフォンを片耳だけなくしたら? 実は“中古で購入する”という手段も

ITmedia Mobile 2024年8月26日 15時14分

 近年多く普及してきている左右独立型の完全ワイヤレスイヤフォン。同時に小型なことから、なくしてしまうリスクも存在する。中には「片耳だけ紛失」してしまい、利用に大きな制約がかかるといった場面も見受けられる

 今回は、完全ワイヤレスイヤフォンの片耳だけなくしてしまった場合の対処方法についてまとめていきたい。

●ワイヤレスイヤフォンを片耳だけなくしたら? まずはメーカーの保証を確認しよう

 まず、ワイヤレスイヤフォンの片耳をなくした場合は メーカーや購入した量販店の保証を確認してみよう。近年のワイヤレスイヤフォンはAppleのAirPods Proを始め、3万円を超える商品も珍しくない。このような機種を紛失して買いなおす場合、金銭的な負担は痛い。

 そのような声に応えるためか、AppleではApple Careという保証サービスを用いて、ワイヤレスイヤフォンを紛失しても新品を買い直すよりも安価に購入できるようになっている。例えばAirPods Pro(第2世代)の場合、保証未加入の場合は1万4400円(税込み、以下同)、保証に入っていれば3700円で対応してくれる。

 Apple以外にも片耳だけ、ケースだけといった各パーツの単品販売を行っているところもある。例えばサムスンやファーウェイといったスマートフォンも製造するメーカーは、問い合わせると片耳だけでも販売してくれる。

 ファーウェイは「ファーウェイ安心ケア-イヤフォン紛失サポート」という保証サービスを行っている。高価なイヤフォンを紛失しても、対象期間内は無料で代替え品を受け取れる。

 オーディオメーカーでは、Finalの完全ワイヤレスイヤフォンは片耳のみをオンラインで販売している。ヘッドセットで著名なJabraやテクニクス(パナソニック)も一部機種は、同社のオンラインストアで片耳のみの販売を行っている。

 ソニーも「WF-1000XM5」といった高価な機種では、紛失時は片耳だけ別途購入できるが、扱いは保守となるため、事実上の修理扱いだ。BOSEやゼンハイザーも同じような対応だ。

 BOSEの場合は、左右のイヤフォンでシリアルがひも付けられているので、片耳だけなくした場合でも交換部品は「両耳」が送られてくる。

 ここまで見ていくと、どのメーカーも3万円を超えてくる比較的高価なイヤフォンはこのようなアフターサービスが充実している印象だ。1万円クラスの機種だと修理サービスよりも「買い直した方が早い」という認識もあり、廉価な機種ほどこの手のサービスは対応しないものが多い。

 その一方で、これらスペアパーツの販売などは多くの場合、直販ストアに限られる。量販店などで「片耳だけ取り寄せる」といったことはできないものが多い点には注意してほしい。

 また、家電量販店によってはメーカー保証の他にも別途店舗独自の保証をつけられる場合がある。そのようなもので修理費用をカバーしたり、手持ちのクレジットカードに備わっている紛失保険などで対応したりすることも可能だ。

●片耳だけのイヤフォン購入 意外な穴場は「中古市場」

 ワイヤレスイヤフォンの片耳だけをなくしたからといって、家電量販店などですぐスペアの片耳だけ入手できるわけでもない。前述したサービスを利用しても、Appleでも1週間から10日前後かかる。ソニーの修理サービスを用いても数週間前後は利用できなくなる。

 実は、片耳だけなくしても即入手できる可能性のある販路がある。それがイヤフォンの中古市場だ。そのような市場があるのか? と思われがちだが、イヤフォン専門店を中心に、じゃんぱらやイオシスといったスマートフォン買い取り大手の店舗でも中古イヤフォンの取り扱いがある。

 その中でも意外なものがワイヤレスイヤフォンの「片耳のみの中古販売」だ。メルカリなどのフリマアプリにて、片耳をなくしてどうにもできなくなった残りを「処分」として廉価に出品する例は見られるが、専門店で片耳の中古買い取り、販売をしているというのは意外だ。

 試しにAppleのAirPodsシリーズの中古をイヤフォン専門店「e☆イヤホン」でチェックしてみると、100点以上の中古出品が確認できる。

 例えばAirPods Pro(第2世代)の片耳中古は状態にもよるが、おおむね5000円から7000円台だ。正規料金の修理や新品を買い直すよりは安く収まることはもちろん、店頭でも販売されているため、急ぎで欲しい場面にも対応できる。

 中古で肌に触れるものという特性上、抵抗を覚える方もいると思うが、本体のキズやバッテリーの状態などを気にせず、出費を安価に抑えたい場合はこのような選択肢も十分アリだ。

 そもそも片耳が欲しいというニーズは「紛失」だけではない。バッテリーが片側だけ劣化した場合、水没などで破損させた場合に交換したいというニーズもある。中古市場の盛り上がりは「ワイヤレスイヤフォンの片耳」に需要があることへの裏付けだろう。

 特にAirPodsの場合は紛失モードになっていると、他機種との接続ができないことがある。フリマアプリなどで購入すると、そのような状態に意図せずなっている製品もあり、トラブルの要因にもなる。ある意味、専門店の中古市場で販売されている商品は、「使えない」といった心配もなく安心して購入できるのだ。

●片耳だけなくしても「代わりを入手する手段」は多い

 最後にまとめになるが、ワイヤレスイヤフォンの片耳をなくした場合は、まずメーカーや量販店の保証サービスを確認しよう。続いて、メーカーが公式に片耳のスペアパーツを販売している場合、修理対応してくれる場合はこちらを利用することが確実だ。

 安価に抑えたい場合、今すぐに片耳が欲しい場合は、e☆イヤホンをはじめとした専門店で片耳のみ中古で購入することもアリだ。一方でこちらはAppleのAirPodsが中心で、それ以外の機種はかなり少ないことに注意が必要だ。

 また、これらの片耳だけの製品を購入した場合はスマートフォンとのペアリングの再設定だけでなく、イヤフォンのペア登録といった「イヤフォン側での特殊な操作」をしないと正常に利用できない場合がある。このあたりはメーカーごとに操作方法が異なるので、説明書等を参照してほしい。

 イヤーピース(シリコン製のかさ)も多くの場合は単体販売している。片耳購入でもイヤフォンに付属している場合もあるが、原則Mサイズのみ付属というものが多い。利用者によってはサイズが合わないこともあるので、イヤフォンを紛失したら別途用意した方が賢明だ。

 普及が進むワイヤレスイヤフォン。もし片耳だけなくしても「代わりを入手する手段」は意外にも多いことが分かった。覚えておくともしものときに役立つはずだ。

●著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

・X:https://twitter.com/Hayaponlog

・Webサイト:https://www.hayaponlog.site/

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