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折り紙のように装着するiPhoneケース「スマハラ」レビュー 予想外の使用感で驚き

ITmedia Mobile 2024年8月27日 12時5分

 世の中にはさまざまな「ハラ」がある。セクハラ、パワハラ、モラハラ、スメハラ、カスハラ……どれも当事者になりたくないものばかりである。もっとも、それらで使われている「ハラ」はいじめや嫌がらせと同義の「ハラスメント」の略であるが、喜ばしい「ハラ」もある。「貼らない」の「ハラ」だ。

 フラットビットスタジオ(三重県志摩市)のブランド「NeU:P01Y(ノイポリ)」から7月に登場した「スマハラ」は、“貼らなくても使える”というスマホ用の保護フィルムケースだ。実物を購入して入手したので、その使い心地をレポートする。

●貼らない保護フィルム「スマハラ」

 読者の皆さんは、買ったばかりのスマートフォンに画面保護フィルムを貼り付けるとき、緊張することはないだろうか。筆者の場合、うまく貼り付けられず、何回も貼り直すということを経験しているので、最近は上手な人に作業を委ねている。

 貼り付ける際の失敗で最も多いのは、内側にホコリが入り込んでしまうこと。次いで気泡が入ること、位置がずれてしまうことなどだ。

 一般的な保護フィルムで使われている柔軟性のあるPET素材であれば、多少は貼り直しできるが、ホコリや気泡が入りやすいというデメリットがある。一方でガラスフィルムであれば、気泡が入りにくいが力加減によっては貼り直しで割れてしまうことがある──いずれも一長一短だ。

 しかし、貼らないで済めばどうだろうか。オールオッケーではなかろうか。貼るから失敗するのであって、貼らなければ失敗のしようがない。もちろん何度でもやり直せる。そんなわけで、「貼らない」のはうれしい「ハラ」なのだ。

 スマハラの概要を解説しよう。

 スマハラは折り紙のように組み立てて使うスマホ向け保護フィルムで、対応機種はiPhone 15、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxとなっている。いずれも価格は税込み2970円だ。実物は折り紙のように張りのある素材で、多くの画面保護フィルムに使われているのと同じPET素材だという。厚みもわずか0.2mmと超極薄だ。

 中身は本体が2枚だけ。とてもシンプルだ。

 組み立て方は難しくない。説明書を見ながら組み立てても良いし、商品販売ページに掲載してある動画を参考にするのも良いだろう。

 「折るのに時間がかかるじゃん」と思われるかもしれないが、ディスプレイを付属のクリーナーで拭き取り、乾かし、ホコリが付着していないことを確認し、貼り付けた後にホコリを見つけては小さな吸着テープで取り除く──という手間に比べれば全然大したことはない。老眼になってくると小さなホコリを見逃しがちなので、ホコリ除去作業がない分、楽だともいえる。

 取り付けるのは楽だったが、使い勝手はどうだろうか。

●画面タッチ、耐衝撃性はどうか?

 まずは取り付けた後のiPhone 15 Proの外観をチェックしてみよう。スマハラが本体から少々浮いているような印象を受けるが、慣れれば気にならない。

 スマハラは貼り付けない構造のためiPhone本体から多少浮いた状態になる。浮いていてはさすがに操作しづらいだろうと予想していたのだが、それは大いに外れた。というのも、ガラスフィルムを装着したiPhoneと大して操作性に違いがなかったからだ。パフッと浮いているフィルムの上で指を滑らせるとiPhoneのディスプレイが反応を示す。これはなかなか面白い感覚で、何度も指を上下左右に動かしてしまった。

 文字入力では、いわゆるテンキー部分、つまり文字のあるキーの反応は良いのだが、右の列に並ぶバックスペースキーと空白キー、そして改行キーの反応が鈍かった。右背面のパーツは折りたたんで最後にかぶせる部分のため、スマハラとディスプレイのスキマが大きいからだ。

 ただこれは左手で操作するから気になるのであって、右手で入力する人であればあまり問題にならないと感じた。というのも、右手持ちであれば浮いている部分を母指球(手のひらにある親指の付け根のふくらみ)で抑えるからだ。購入時の参考にしてほしい。

 耐衝撃性はあまり期待できないが、少なくともiPhoneを全方位からスマハラが覆っているので、鍵など硬いものの入ったバッグの中に入れたり、屋外で取り扱ったりしても傷がつくことは防げそうだ。PET素材なので汚れたら洗える。もちろん何度でも付け外しできるので、思う存分洗うことが可能だ。

 また、外出先で汚れた際にも、ささっと水拭きできるのが良いところだ。筆者が試したところ、アルコール入りの除菌ウェットティッシュを使っても、表面が溶ける、スジが残るなどの変化は見られなかった。手を拭くのと同じ感覚で拭けるので、衛生に気を使う人であればありがたいと感じるかもしれない。

●インカメラやワイヤレス充電への影響は?

 ほとんどのコントロールに容易にアクセスできるよう、切り込みの入っているスマハラだが、インカメラ部分やMagSafe部分は覆っている。使用上、問題はないのだろうか。

 結論からいえば「ない」というのが答えだ。

 インカメラで撮影したら、多少のくもりやかすみによって“美肌効果”が見られるかとわくわくしたのだが、そのようなことはなく、撮影した写真を確認したところ、毛穴の一つ一つまでしっかり写していた。

 残念ながら、MagSafe充電のできる充電器がなかったので磁力が損なわれているかどうかの確認はできなかったのだが、ワイヤレス充電台に置いたところ、すぐに充電を開始していた。薄さ0.2mmという超極薄フィルムのおかげだろう。

 「貼らなくて良いのは便利そうだけど、使用感が悪ければ装着したくないなぁ」──と考えていたのだが、良い意味で予想を裏切られた形となった。iPhoneが、ほぼ何もつけていないような見た目になるので、購入後しばらくの間、新しいiPhoneを愛でていたいという人や、「“スマホは裸族派”だが、何もしないのも不安」だという人、さらにお気に入りのカバーが見つかるまでのつなぎを探していたという人にとってスマハラは良い選択肢になるだろう。

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