Infoseek 楽天

ChatGPTを使って表組を作成する

ITmedia Mobile 2024年8月28日 23時50分

 ChatGPTを使えば、簡単に表組のデータを作成できる。今回は、あらためて表組を扱うことにフォーカスし、無料アカウントなどで「GPT-3.5」を選択した状態で使う場合と、有料版の「ChatGPT Plus」を契約した状態で「GPT-4」を選択して使う場合について、それぞれ基本のアプローチをチェックしていこう。

●GPT-3.5でも表組は作成できる

 前提として、無料版のGPT-3.5を使っている場合でも、表組の作成自体は可能だ。「~を表組にまとめて」のようなプロンプトを送信することで、チャット画面上に表組が出力される。例えば、「1980年以降、2024年までの、『元号(年数付き)』『西暦』『干支』を表組にまとめて」と指示すれば、一覧表が生成されるはずだ。

 ただし、この表組を出力する際には、コピー&ペーストを駆使するなど、人力での操作が必要になる。これが後述する有料プランとは大きくことなるポイントだ。

 また、この時にチャット画面上の表組の左下に表示される「コピー」のアイコンをクリックして保存すると、枠線もデータとして認識されてしまうのが悩ましい。表計算ソフトにペーストしたときに、思うようなレイアウトにならない。

 そのため、生成されたデータを表計算ソフトなどで扱いたい場合には、出力された表組を手動で選択してからコピーを行う必要がある。

 この方法では、「Tab(タブ)」を区切り文字としたテキストデータを保存可能だ。具体的には、テキストエディタの類にペースト操作を行い、「.txt」形式などで保存したら、出力したファイル名の語尾を「.tsv」に変更してみよう。こうした手順を踏むことで、やや力技ではあるが、表計算ソフトで扱うことができる。

●GPT-4なら表組の出力も可能

 一方、有料プランのChatGPT Plus(月額20米ドル)を契約した場合には、表組をチャット画面に生成してもらい、内容を確認した後に拡張子を指定してデータとして出力する操作が行える。

 例えば、「この表組を.xlsx形式のデータで出力して」のようにChatGPTに指示することで、ファイルをダウンロードするためのリンクが生成され、このリンクにアクセスするとファイルを取得できる。こちらは本連載の過去回でも紹介した手順だ。

 ちなみに、生成されるコンテンツの精度もより上がっているので、例えば、GPT-4ならば「元号」だけで指示しても、干支について「申」のような1文字ではなく、「庚申」のような2文字の表現(六十干支:ろくじっかんし)で表してまとめてくれる確率も高かった印象だ。

●ファイルからの抽出や条件付き書式の指定なども可

 さて、応用編としてChatGPT Plusを契約し、GPT-4を選択している状態なら、ファイルのデータを元に指示を行うこともできる。こちらの操作も紹介しておこう。

 テキスト入力欄の左端に表示されるクリップのアイコンをクリックし、ここでは先ほど出力した「~.xlsx」ファイルを添付する。例えば、表組みの一部のデータを抽出して、新しい表組にまとめてもらうといった指示ができる。

 例えば、「添付の表組のなかから辰年の行だけを抽出し、表組にまとめてください」といった指示が可能だ。もちろん、表計算ソフトの中に備わった機能を駆使すればできることだが、ChatGPTに任せた方が専門的な知識がなくても実行できるため、ハードルは下がるだろう。

 もちろん、機密情報をアップロードしないことや、出力された情報の正誤などに注意を払っておく前提は欠かせないが、注意事項さえ守って扱うならば、作業能率UPを期待できる使い方の1つだろう。

 また、ファイルを出力する際に、「条件付き書式」などを指定した状態で、出力を指示できることも便利なので併せて覚えておきたい。例えば「条件付き書式で『平成』を含むセルを赤いテキストに」のような指定をしておけば、出力後の人力での編集操作も最低限で済む。

 他にもどのような指定ができるか──ChatGPT Plusを契約している方はぜひ検証を重ねて、便利なプロンプトのパターンを見つけてみてほしい。

この記事の関連ニュース