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バッテリーが膨張した14年前の「iPhone 4」、どうやって処分する? ドコモに相談してみた

ITmedia Mobile 2024年9月1日 10時5分

 つい先日のことだが、部屋の引き出しを整理していたら、14年前に発売された「iPhone 4」が見つかった。しかし、よく見るとバッテリーが膨張し、本来は閉じているはずの背面パネルが開いている。当然、ディスプレイが点灯せず、操作もできない。

 携帯電話のバッテリーは「充放電を繰り返すことで性能が徐々に劣化し、場合によっては膨らむことがある」(NTTドコモ広報)ため、膨らんでいる場合は無理に充電したり、起動したりせずに処分しよう。

 とはいえ、このような状態のスマートフォンの処分方法が分からず、個人情報の取り扱いについて不安に感じる人もいるのではないだろうか? そこで、このような状態のスマートフォンを処分する方法をまとめる。

●リサイクル・回収ボックスへ

 簡単なのは各自治体に設置されている小型家電のリサイクル・回収ボックスへ持参する方法。例えば、都内近郊の千葉県船橋市は「スマートフォンなどの携帯電話には金、銀、銅などの希少金属が含まれており、資源として再利用できる」ことを挙げており、「不燃ごみで出さずに、リサイクルしてほしい」と呼びかけている。

 東京都千代田区も「今まで不燃物として廃棄されていた使用済小型家電を資源として回収し、レアメタルやプラスチックなどを取り出し、資源化しています」と案内しており、スマートフォンを「回収ボックスの投入口(30センチ×15センチ以下)に入る小型家電」に分類している。

●携帯キャリアショップでも回収OK

 もちろん、そうしたボックスが近場にはなく、持っていけない人もいるはずだ。そのような場合はキャリアショップへの持参を検討しよう。今回は一例としてドコモショップでの処分方法を取り上げる。

 結論からいえばバッテリーが膨張し、起動もできない状態のスマートフォンの回収は、「ドコモショップでも行っているが、法人の場合はWeb集荷システムから申し込める」(ドコモ広報)という。筆者は法人ではないため、この記事では個人として処分する方法を紹介する。

 個人情報の取り扱いについては起動できる状態でバッテリー膨張などの危険性がない場合は、端末本体の設定アプリから「初期化」「工場出荷時の状態に戻す」などの項目へ進み、初期化を行えばよい。

 初期化方法などが不明の場合はドコモのWebサイトにて確認できる。対応端末に搭載される「FeliCaチップ(ICカード)」を利用した「おサイフケータイ」サービスを利用している場合、ユーザー自身ではデータの初期化ができないため、メーカーにて対応してもらうか、ドコモ端末ならドコモショップの「DOCOPY(ドコピー)」という機器を利用して初期化できる。

●実際に持ち込んでみると、手続きはすぐに終了

 では、実際にドコモショップへ行く場合、注意点は他にもあるのか。携帯電話本体を購入したり、料金プランを変更したりする際に店頭でサポートを受けながら手続きをしたい場合、事前に「来店予約」を行うとスムーズだ。

 携帯電話の回収も、来店予約をしてから出向くとよい。ドコモ広報は「店舗の状況によってはお客さまを店頭でお待たせしてしまいご迷惑をおかけする可能性もあるため、来店予約をしていただいた上でご来店いただけたらと思います」としている。なお、ドコモの契約がなくても来店予約自体はできる。ショップへ出向ける日時が分かれば、事前に来店予約をしておくことをおすすめしたい。

 店舗へ着いた後の手順はこうだ。店頭に持ち込んだ後、店舗スタッフに手渡す。マイナンバーカードやネットワーク暗証番号(ドコモ契約時に決めた数字4桁)で本人確認を済ませたら、店舗スタッフが実機を確認する。筆者の引き出しから見つかったiPhone 4は、ドコモでは取り扱いのない機種だったため、予想通り「ドコモではない端末ですね。他のキャリアのスマホですか?」と店舗スタッフに聞かれた。もちろん答えは「はい」だ。

 店舗スタッフは来店者から受け取った端末を見て、どのメーカーのどの機種かが判別できない場合、SIMトレイなどに記載の製造番号を確認し、どのメーカーのどの機種なのかを特定する作業から行うそうだ。そのため、利用者自身で調べる必要はなさそうだ。

 機種の特定が終わったら、処分する機種本体にmicroSD、SIMカードが入っていないかどうかを確認。入っている場合はそれらを取り除いた後で処分できる。microSDは個人情報につながるデータが入っている可能性があり、SIMカードは持ち主ではない人でも電話番号を確認できてしまうため、ショップでの処分は受け付けていない。

 今回持ち込んだiPhone 4はSIMカードしか挿せず、もともとmicroSDには対応していないため、microSDの有無には該当しなかったが、フィーチャーフォンやAndroidスマートフォンなどの一部機種ではmicroSDを搭載できるため、この点にも注意が必要だ。

 店舗スタッフが回収する機種に処分対象かどうかを判断するシールを貼り終えると、同意書が手渡される。ここで注意事項の説明があり、同意書にサインをすれば、ショップでの手続きが完了する。

●個人情報が心配……という人はキャリアショップへ

 ドコモショップで回収された携帯電話は「分別拠点」に運ばれる。本体、電池、付属品などに分別された後、金属をより効率的に回収しやすいよう、状態が良好なディスプレイはリユース(再利用)され、その他のパーツはメモリを含め細かく粉砕される。

 バッテリーが膨張したり、起動しなくなったりした携帯電話でも、こうした行程をへることで、自動車やさまざまな家電の電子部品に再利用され、新たな形で生まれ変わる。眠ったままの携帯電話は宝の持ち腐れとなるため、空いた時間に売却するか処分したい。

 ただ、個人情報の流出を防ぐ観点でいえば、今回、筆者が出向いたキャリアショップで処分する方がいい。ドコモ端末ならDOCOPYでFeliCaチップのデータを削除できるだけでなく、電話帳、写真、動画、メール(iモードメールやドコモメール(ローカル)のデータ)を古い機種から新しい機種へ移行させることも可能だ。

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