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ChatGPTを使って文章を要約するコツと注意点

ITmedia Mobile 2024年9月2日 17時40分

 ChatGPTのような生成AIを使うことで、文章を要約したり、必要な情報をより早く把握したりできるようになる。本記事では、要約に関する概要とテクニックについて解説する。

 なお、既存の著作物を生成AIで要約するような使い方は、著作権法に抵触するリスクがある。また、そもそもAI学習を拒否しているコンテンツなども存在する。そのため、基本的に「生成AIで著作物を要約すること」「要約として出力した情報を利用すること」に対しては、慎重な姿勢をとった方がいいだろう。紹介する要約機能は、こうした問題の生じないテキストを対象に試してほしい。

●チャットに直接文章を入力する

 文章を要約する上でもっともシンプルな方法は、コピーした文章をChatGPTのテキスト入力欄に直接ペーストするという方法である。このとき、ChatGPTのテキスト入力欄には、入力できる文字数の上限があるが、特殊な用途でなければ足りる場合がほとんどだろう。

 ただし、無料版の「GPT-3.5」では、要約として出力されるテキストの精度が良くない。より高い精度を求めるなら、5月に追加された「GPT-4o(制限有り)」を使うか、有料版の「ChatGPT Plus」を契約し、「GPT-4」や「GPT-4o(制限無し)」を選択した状態で利用を検討すべきだ。

●ファイルをアップロードして内容を要約する

 まれなケースかもしれないが、文字数をオーバーする場合は、有料版のChatGPT Plusを契約し、GPT-4などを選択した状態でファイルをアップロードすれば、より多い文字数を解析できる。この際にはファイルをプレーンテキスト(.txt)でアップロードすると便利だ。

 具体的な操作としては、テキスト入力欄の左端にあるクリップのアイコンをクリックし、アップロードしたいファイルを選択する。次にプロンプトで要約を指示しよう。

 なお、例えばRTF形式(.rtf)のデータを添付してみたところ、アラートが表示され、プレーンテキストへの変換をした上で要約作業が実行された。ただし、この場合の要約の精度はかなり微妙だったので、実用には耐えないだろう。

●要約する際のコツ

 ChatGPTに要約を指示する場合、単純に要約をしてもらうのではなく、(1)要約の目的、(2)要約してほしいテーマ、(3)対象とする具体的な範囲──これらを明確にしながら指示することで、より目的にマッチした情報を絞り込める。

 例えば、(1)SNSに投稿するための宣伝用の200字のコンテンツを作る目的で、(2)ポジティブな内容にフォーカスして、(3)「用や要約する際のコツ」の直後のブロックを中心に──と指定しながら要約を依頼すると、出力の雰囲気が少し変わってくる。

●Webサイトを参照しての要約

 無料版のChatGPT(GPT-3.5)では、URLを指定し、そのWebサイトの記載を引用しながら情報を要約するといった作業は基本的にできない。もしURLを指定したとしても、ChatGPTがあたかもURLにアクセスしているかのように振る舞いながら、正確なURL先の情報とは関係なく、学習時点の内容に基づいてテキストを生成することがあるので、ユーザーとしては注意が必要だ。

 一方、有料版のChatGPT Plusを契約し、GPT-4を選択している状態なら、WebサイトのURLを参照しながら、その情報について要約してくれる。

●Webサイトを参照したい場合には「Copilot」なども検討

 ChatGPTと同じく大規模言語モデルに「GPT-4」を使用するMicrosoftの「Copilot」や、「Gemini Pro」を使ったGoogleのAIチャットツール「Gemini(旧Bard)」などは、無料アカウントでもWebブラウジング機能を利用できる。

 なお、オンライン上に公開されている自身の記事を要約してみた結果を踏まえると、筆者としては要約の精度としては、Copilotが最も緻密で、次いでChatGPTが分かりやすくまとめている印象を受けた。

 要約目的に関しては、ChatGPTだけに固執せず、用途に応じて柔軟に生成AIツールを選択してみるといいだろう。

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