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「motorola edge 50s pro」徹底レビュー:19分フル充電やカメラの実力はどう? 予想以上に便利だったPC連携も

ITmedia Mobile 2024年9月3日 6時5分

 モトローラから新たに登場した「motorola edge 50 pro」と「motorola edge 50s pro」。独自の125W急速充電技術「TurboPower」を搭載し、わずか19分でバッテリーを1%から100%まで充電できるという驚きのスペックで、motorola edge 50s proは、ソフトバンクの「神ジューデン」対応機種にもなっている。

 今回は、motorola edge 50s proの実機を借りることができたので、その充電速度を実測しつつ、気になる端末の特徴についてレビューしていく。

●125W急速充電の実力を検証する

 まず、motorola edge 50s proの目玉機能である125W急速充電の実力を検証してみた。メーカー公称の充電時間はわずか19分。それが本当なら、起きてから朝食を食べる前、シャワーを浴びている間に満充電できてしまうことになる。

 検証方法は、バッテリー残量1%からACアダプターを接続し、充電率を記録するというシンプルなものだ。ただし、夏場の冷房のない部屋で行ったため、端末の発熱が充電速度に影響を与えている可能性がある。また、画面の点灯が充電速度に影響を与える点には注意が必要だ。

 結果は以下の通りだった。

・1分……7%

・2分……13%

・3分……19%

(中略)

・18分……74%

・19分……78%

・20分……81%

(中略)

・26分……99%

・27分……100%

 当初こそ1分間で10%近く充電されるなど、非常に高速だったものの、徐々に充電ペースは落ち着いていった。実際、充電開始から約11分で68%まで充電され、その後約15分かけて残りの32%を充電している。これは、バッテリーの保護と長寿命化のための一般的な充電パターンだ。

 端末の発熱は充電中に上昇し、充電完了後徐々に下がっている様子が観察された。急速充電時は発熱が避けられないが、安全性を考慮して出力が制御されているのだろう。

 今回の検証では、1%から100%まで約27分で完了した。19分時点では公称の満充電に達しなかったものの、15分で75%以上、20分で80%を超える充電を実現しているのは驚異的だ。不利な条件下で行われたことを考慮すれば、ほぼ期待通りの充電速度だったと評価できる。

 また、画面点灯時は明らかに充電速度が落ちる。急速充電を最大限に活用するなら、画面をオフにしておくことが効果的といえる。

●144Hz表示でも減りにくいバッテリー

 4500mAhの大容量バッテリーを搭載しているmotorola edge 50 proシリーズは、長時間使用での安心感が高い。実際にYouTubeで720p画質の動画を再生し続けてみたところ、15分で2%しかバッテリーが減らなかった。1時間視聴を続けても、10%以下の消耗で済むことになる。

 一方、Xなどのサードパーティー製SNSアプリを144Hzの高リフレッシュレートでスクロールしていると、10分で2%ほどバッテリーが減るペースだった。それでも1時間で12%程度の消耗に抑えられる計算だ。

 125Wの超急速充電と4500mAhの大容量バッテリーの組み合わせは、モバイルバッテリー切れのストレスを大幅に軽減してくれる。いつでもどこでも、バッテリー残量を気にすることなくスマートフォンを使えそうだ。

●手触りのいい人工皮革

 外観に目を向けてみると、motorola edge 50 proシリーズの特徴は背面に人工皮革を使用している点に特徴がある。動物由来の皮革ではない合成皮革で、しなやかで滑らかな手触りを実現している。指紋や汚れが付きにくいのもうれしいポイントだ。

 また、カーブディスプレイを採用しており、有機ELパネルを端までしっかりと回り込ませている。映像を表示した時の没入感を高めることができるが、画面端での誤タップが増えやすいというデメリットがある。

 カラーバリエーションはソフトバンク向けのmotorola edge 50s proが3色、オープンマーケット向けのmotorola edge 50 proが2色を用意。どれも渋めの色合いで、落ち着いた大人の雰囲気を演出している。個人的には、ソフトバンク限定色のバニラクリームが上品でお気に入りだ。

●Snapdragon 7 Gen 3の実力をベンチマークで確認

 CPUはQualcommのミッドハイ向けプロセッサ「Snapdragon 7 Gen 3」を採用する。ストレージは256GBで、microSDは非対応だ。

 メモリ(RAM)は、edge 50が12GBで、今回レビューしたedge 50sは8GBだ。なお、メモリ拡張機能があり、内蔵ストレージの一部を使用して2~8GBを仮想メモリとして割り当てることができる。今回のベンチマークでは、仮想メモリを8GB割り当てて検証した。

 Snapdragon 7 Gen 3の性能を確かめるため、「GeekBench 6」と「3D Mark」でベンチマークテストを実行した。

 GeekBench 6のシングルコア性能は1125点、マルチコア性能は2925点だった。これは、2021年発売のフラグシップモデル「Galaxy S21 5G」に迫る結果だ。3年後のミッドハイモデルに期待される水準としては妥当といったところだろう。

 一方、3DMarkのWild Lifeベンチマークでは、全体スコアが3994点、平均フレームレートが23.92 FPSという結果だった。より負荷の高いWild Life Extremeテストでは、スコアが1098点、平均フレームレートが6.58 FPSにとどまった。

 他のミッドレンジ端末と比較すると、motorola edge 50s proは上位の部類に入る。ただし、最新のハイエンドモデルと比べると、特にGPU性能では大きな差がつけられている。

 実際のゲームプレイでは、「PUBG MOBILE」を画質設定最高で遊んでみたが、激しい場面でもフレームレートの急激な低下はなく、敵の動きを正確に捉えられた。長時間のプレイでもグラフィック性能が落ちることはほとんどなく、バッテリー残量を気にせず没頭できた。

●カメラは十分な解像感があり、色合いも自然で美しい

 背面カメラはトリプルカメラで、広角5000万画素、超広角1300万画素、望遠1000万画素という構成になっている。インカメラは5000万画素だ。

 メインカメラの写りは十分な解像感があり、色合いも自然で美しい。超広角カメラも広い範囲をゆがみなく捉えており、アウトドアでの景色撮影などに重宝しそうだ。望遠カメラは十分な解像感があるが、ディテールは及ばない最新のハイエンドモデルと比べるとやや及ばない印象だ。

 カメラ性能だけを見れば、より上位のモデルを選ぶ余地もあるだろう。しかし、ミッドハイモデルとしては十分に優秀で、日常のスナップ撮影に不足はない。

●モトローラならではの使い勝手を向上させる独自機能

 motorola edge 50s proには、モトローラならではのユニークな機能を搭載している。

 使いやすいのは「Moto Gestures」と呼ばれるジェスチャー機能だ。特に、腕を2回クイッとひねるだけでカメラを起動できるのは、サッとスマホを取り出して撮影したいシーンで便利だ。

 その他、「Moto Audio」による音質の最適化機能や、「Moto Gametime」によるゲームプレイ中の通知オフや画面録画など、使い勝手を高めるためのさまざまな工夫が施されている。

●シームレスなマルチデバイス連携を実現する「スマートコネクト」

 次に注目したいのが、「スマートコネクト」機能だ。これは、スマートフォンでデスクトップPCのような使い勝手を実現したり、Windows PC、Androidタブレットをシームレスに連携させたりするソフトウェア群だ。

 モバイルデスクトップモードでは、スマートフォンを外部ディスプレイに接続してPCのような環境を提供する。スマートフォンのアプリやデータを大画面で操作することができ、PCのような操作性を実現する。接続はUSB Type-C経由でDisplayPort対応アダプターを使ってHDMIに接続するか、Miracastなどのワイヤレス技術を利用する。PCがなくてもデスクトップ環境を実現できるのだ。

 Windows PCとの連携では、スマートフォンの画面をPCに表示することができる。さらに、「仮想スマートフォン」の画面として、スマホ本体のミラーリングではなく別のアプリを立ち上げて表示できる。また、スマホをマルチディスプレイのように設置して、PCのマウスカーソルからスマホを直接操作することも可能だ。クリップボードやファイル共有、スマホのカメラをWebカメラとして使うなどの機能も用意されている。

 Androidタブレットとの連携では、アプリストリーミングによりスマートフォンやタブレットからPCにアプリやメディアをストリーミング再生できる。さらに、モバイルデスクトップモードやWebカメラ機能なども利用可能だ。

●急速充電対応ながら防水もサポート

 motorola edge 50s proは、125Wの超急速充電に対応しながらも、IPX8・IP6X相当の防水・防塵(じん)性能を備えている。雨の中の通話や水回りでの使用など、日本のユーザーのニーズに応えられる堅牢(けんろう)性を実現している。

 また、FeliCaにも対応しており、モバイル決済やSuicaでの移動など、日本でのスマートフォン活用シーンをしっかりカバーしている。将来的にはマイナンバーカードの読み取りにも対応予定とのことだ。

 指紋認証センサーはディスプレイ下に備えており、光学式だがロック解除の速度は比較的高速だ。

●超急速充電・防水・PC連携――魅力が多いミッドハイモデル

 motorola edge 50s proを実際に使ってみて、個人的に最も印象に残ったのは125Wの超急速充電だ。実使用環境でも26分でフル充電できるのは感動的だ。隙間時間に充電できるので、バッテリー残量を気にせずガンガン使える。それでいて、本体はスタイリッシュでコンパクト。防水・防塵にも対応しているのはうれしいポイントだ。

 ハードウェアの性能は、Snapdragon 7 Gen 3を搭載したミッドハイクラスとしては申し分ない。ゲームも動画も快適に楽しめるし、144Hzのディスプレイは使っていて気持ちいい。カメラも超広角や望遠など撮影の幅が広がって面白い。

 スマートコネクト機能は想像以上に便利だった。外部モニターにつないでPCライクに使えるし、Windowsとのマルチデバイス連携もスムーズで、仕事でもプライベートでも活躍してくれそうだ。

 正直、ミッドハイクラスのスマートフォンにここまでの機能を期待していなかったが、motorola edge 50s proは予想を上回る使い勝手のよさを見せてくれた。バランスの取れた性能と、モトローラならではの個性的な機能がスタイリッシュなボディーに詰め込まれた魅力的な1台だ。

●「motorola edge 50 pro」と「motorola edge 50s pro」の主なスペック

(製品協力:ソフトバンク)

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