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「iPhone 16/16 Pro」は何が進化した? iPhone 15シリーズとスペックを比較する

ITmedia Mobile 2024年9月10日 9時22分

 Appleが9月10日、最新スマートフォン「iPhone 16」シリーズを発表した。ラインアップは「iPhone 16」「iPhone 16 Plus」「iPhone 16 Pro」「iPhone 16 Pro Max」の4機種。これらの構成はiPhone 15シリーズから変更はないが、4機種はどう進化したのか。主な特徴やスペックを比較していく。

●iPhone 16/16 PlusとiPhone 15/15 Plusの違い

サイズは全く同じも、2つの新ボタンを搭載

 iPhone 16とiPhone 15、iPhone 16 PlusとiPhone 15 Plusともにサイズは全く同じで、正面から見ると違いが分からない。ディスプレイの上部にさまざまな情報を表示する「ダイナミックアイランド」も継承している。重量はiPhone 16が15から1g軽い170gに、iPhone 16 Plusが15 Plusから2g軽い199gになった。ディスプレイサイズも無印の6.1型とPlusの6.7型で変更はない。

 一方、側面と背面には変化が見られる。まず、iPhone 15シリーズではProとPro Maxのみが搭載していた「アクションボタン」が、iPhone 16と16 Plusにも搭載された。アクションボタンは従来の着信/消音スイッチに代わるもので、任意の機能をショートカットとして設定できる。

 アクションボタン反対側の右側面には、新たに「カメラコントロール」と呼ばれるボタンも搭載。このボタンからカメラを起動してシャッターを切れることに加え、撮影メニューを呼び出したり、指をスライドさせてズーム操作をしたりすることもできる。AI機能とも連携しており、カメラコントロールをクリックして被写体に向けると、GoogleやChatGPTと連携してレストランの営業時間を調べたり、ペットの犬種を特定したりもできる。

 本体カラーも一部変更した。ホワイトとブラックは継承しているが、新たに「ウルトラマリン」と「ティール」を用意。ピンクも15から続いて採用しているが、16ではよりビビッドなカラーに変更されている。

 アウトカメラは広角と超広角で変わらないが、空間写真や空間ビデオ撮影に対応した影響か、iPhone 15/15 Plusは2つのカメラが斜めに配列していたが、iPhone 16/16 Plusでは並行になり、見た目がすっきりした。

ディスプレイが頑丈になり、バッテリー駆動時間が向上

 ディスプレイ面を覆うCeramic Shieldが第2世代に進化し、先代よりも50%頑丈になったという。また、Appleは他のスマートフォンよりも2倍頑丈だとアピールする。

 内部デザインを再設計してより大きなバッテリーを搭載し、放熱性能も向上させた。バッテリー容量は非公表だが、ビデオの再生時間とストリーミング時間はiPhone 15/15 Plusから向上している。ワイヤレス充電は、より高速の最大25Wでの充電が可能になった。

 ディスプレイの最小輝度が1ニトになり、こちらもバッテリーの駆動時間向上に貢献しそうだ。

2世代進化した「A18チップ」を搭載、Apple Intelligenceに対応

 プロセッサはiPhone 15/15 Plusの「A16 Bionicチップ」から2世代ジャンプアップした「A18チップ」に進化。Appleの生成AI「Apple Intelligence」に対応させるため。16コアNeural Engineは生成AI向けに最適化されており、A16 Bionicよりも最大2倍速くML(機械学習)モデルを実行するという。A16 Bionicと比べてCPUは30%高速に、GPUは最大40%高速になった他、電力効率も向上している。

 なお、Apple Intelligenceを日本語で利用できるのは2025年の予定のため、日本ではまだ生成AIの恩恵を受けることはできない。

空間写真と空間ビデオの撮影に対応

 4800万画素広角カメラと1200万画素超広角カメラの構成は変わらないが、広角カメラの撮影時に、光学2倍望遠撮影と4800万画素の撮影機能を組み合わせた画像合成技術(Deep Fusion)を活用することで、より高画質の撮影ができるという。Appleはこれを「48MP Fusionカメラ」と説明している。シャッターラグがなく、暗い場所でも優れた性能を発揮するとしている。

 超広角カメラは新たにマクロ撮影にも対応。「Apple Vision Pro」で立体的な写真や映像を視聴できる空間写真と空間ビデオの撮影にも新たに対応した。

 写真の色味を変えられる「フォトグラフスタイル」が最新世代に進化。色、ハイライト、シャドーをリアルタイムで調整できる他、より細かな調整ができるコントロールパッドと強度スライダーを用意した。

価格は据え置き、iPhone 15/15 Plusは値下げに

 iPhone 16の価格(税込み、以下同)は12万4800円から、iPhone 16 Plusの価格は13万9800円からで、iPhone 15/15 Plusの発売時の価格から据え置きとなった。一方、16シリーズの発表に合わせ、iPhone 15は1万2000円、iPhone 15 Plusは1万5000円値下げしている。iPhone 16シリーズの目玉ともいえるApple Intelligenceの日本語対応が2025年以降になることを考えると、無理にiPhone 16/16 Plusを購入せず、買いやすくなったiPhone 15/15 Plusを購入するのも一考の価値がある。

●iPhone 16/16 ProとiPhone 15 Pro/15 Pro Maxとの違い

ディスプレイサイズが0.2型大きく

 iPhone 16 Pro/16 Pro Maxの目立った特徴として、ディスプレイサイズが大きくなった。16 Proは15 Proの6.1型から6.3型に、16 Pro Maxは15 Pro Maxの6.7型から6.9型になった。これに伴い、両モデルとも幅が1mmほど伸びており、重量もアップしている。特に16 Proは15 Proから12g増となっており、15 Proユーザーが手にすると気になるかもしれない。

 iPhone 15 Proで採用して話題となったチタニウムは継承しており、カラーはiPhone 15 Proの「ブルーチタニウム」がなくなった代わりにゴールド系統の「デザートチタニウム」が追加された。

iPhone最高峰のチップ「A18 Pro」を搭載

 プロセッサはiPhone 16/16 Plusの「A18チップ」よりもワンランク上の「A18 Proチップ」を搭載。生成AIのApple Intelligence、高度なグラフィックのゲーム、USB3.0を生かした大容量のデータ転送、高精細なカメラ撮影やハイフレームレートの動画録画などを快適にこなせるだろう。6コアCPUは、前世代モデルと比べて、同じ負荷の作業を20%少ない電力で15%高速に処理できるとしており、バッテリー持ちの向上も貢献しそうだ。

超広角カメラが4800万画素に 16 Proも光学5倍望遠撮影が可能に

 カメラは超広角カメラがiPhone 15 Pro/15 Pro Maxの1200万画素から4800万画素に進化した。また、テトラプリズム機構を生かした5倍望遠カメラはiPhone 15 Pro Maxのみだったところ、今回はiPhone 16 Proも5倍望遠カメラを備えており、撮影シーンの幅が増す。

 iPhone 16/16 Plusと同様にカメラコントロールボタンを備えており、カメラの起動や撮影、ズーム操作、生成AIを活用した写真からのリサーチなどの機能を利用できる。

バッテリー駆動時間が向上

 内部設計を見直したことでバッテリー駆動時間向上しており、ビデオの再生、ストリーミング、音楽の再生時間いずれもiPhone 15 Pro/15 Pro Maxから向上している。ワイヤレス充電は、より高速の最大25Wでの充電が可能になった。ディスプレイの最小輝度が1ニトになり、こちらもバッテリーの駆動時間向上に貢献しそうだ。

価格は据え置き、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxは終売に

 iPhone 16 Proの価格は15万9800円から、iPhone 16 Pro Maxの価格は18万9800円からで、iPhone 15 Pro/15 Pro Max発売時の価格から据え置きとなった。16シリーズの発表に合わせてiPhone 15 Pro/15 Pro Maxは終売となり、Proの選択肢はiPhone 16 Pro/16 Pro Maxのみとなった。

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