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悩めるiPhone 16 ProとPro Maxの選び方 そして筆者がPro Maxを選ばない理由

ITmedia Mobile 2024年9月13日 17時20分

 「iPhone 16」シリーズの予約がいよいよ9月13日の午後9時から始まります。発表を見て「今年はスルーしよう」と決めた人、ベーシックなiPhone 16の充実っぷりに「Proじゃなくていいや」と心変わりした人など、さまざまな情景が目に浮かびますが、「やっぱり毎年、最新のiPhone上位モデルを使いたい!」という人も相変わらずいるでしょう。分かります、筆者もそっち側の人間です。人生は一度きりですし。

 そんな上位モデルに位置付けられる「iPhone 16 Pro」と「iPhone 16 Pro Max」ですが、毎回どちらを選ぶか、すごく迷いますよね。持ちやすさを取るか、大きなサイズを生かした機能性を取るか──1年に1回訪れる、人類の悩ましい問題です。

 しかし、筆者はiPhone 16 Proを購入すると決断しました。今回はそんな筆者の独断と偏見による、両モデルの選び方を端的に紹介します。少しでも選択のお役に立てれば幸いです。

●今年の“Pro、Pro Max”問題は、ある意味選びやすい

 2023年のiPhone 15 ProとPro Maxは、カメラ機能に決定的な違いがありました。前者は搭載する望遠カメラが3倍、後者は5倍となっており、遠くをきれいに撮れるのはPro Maxに限られていました。よって「カメラ機能を重視するなら(重さやサイズを我慢してでも)Pro Maxを選ぶ」という、分かりやすい構図だったのです。

 しかし、iPhone 16 ProとPro Maxはいずれも望遠カメラが5倍となり、全く同じスペックとなりました。よってカメラ機能に左右されず、ある意味で純粋にその他のスペックと好みでいずれかを選択できるようになりました。

 iPhone 16 ProとPro Maxにある違いは「画面サイズ」「バッテリー駆動時間」「128GBモデルの有無」「持ちやすさ」の4つです。これらをもとに、自分がスマホに求める機能を照らし合わせれば、購入すべきモデルが導けます。

 いずれにしても、大きなサイズのPro Maxが機能的に有利です。大きな画面やボディーサイズは写真や動画を大迫力で楽しめるだけでなく、大きなバッテリーを搭載できることにもつながります。そこで「Pro Maxの性能が自分の生活に必要か?」という観点で考えるのがおすすめです。

 以下は筆者が消去法でiPhone 16 Pro Maxを選ばないという結論に至った思考の具体的なプロセスです。

●大きな画面サイズは必要か?

 Pro Maxの大画面はコンテンツ消費に適しています。写真や動画、電子書籍、ゲームはProよりも大きく表示して楽しめます。タッチ主体のゲームなら、タッチボタンを大きく表示できるので、視認性や操作性も高いです。

 筆者は在宅勤務かつインドア派のため、コロナ禍以降は外出先で長時間にわたりコンテンツを楽しむ機会が大きく減りました。屋外でコンテンツ消費を楽しむ場合は「iPad Pro」(11型)を持っていくし、3Dゴリゴリのゲームをプレイするなら自宅のリッチな環境で、しっかり腰を据えて楽しみたい派です。よってそれらをiPhone1台に集約する必要性は感じられず、Pro Maxの画面サイズは不要です。

 コンテンツ消費以外はどうでしょうか。電話やメール、LINE、Webブラウザ、マップ、決済、SNS、ショッピングなど、生活のあらゆる物事がアプリとして利用できる時代ですが、これまでの経験上、ProとPro Maxのわずかな表示領域の違いで、使い勝手が大きく変わったという経験はありません。

 そもそもiOSは余白を生かした余裕のあるUIデザインが印象的で、積極的に大きな画面に情報を詰め込もうとしない作りだと思っています。画面が大きくても得られる情報量の変化はわずかです。

 たまに画面サイズの大きいAndroidスマートフォンを使うと、その情報量の多さに驚くとともに、うらやましく思います。

 筆者は「どうせ大画面スマホを選ぶなら、AndroidのPixel 9 Pro FoldかGalaxy Z Fold6を買ったほうがいい」と思っているので、こちらの観点でもPro Maxを選ぶ理由がありません。

 唯一、周囲の話を聞いていいなと思ったのは、老眼が進んでいる場合はPro Maxの大きな画面に大きな文字だと見やすいといったものです。筆者は幸い老眼はまだなので、Pro Maxを選ぶ理由にはなりません(将来的には……)。

●魅力的すぎるPro Maxの長いバッテリー駆動時間は必要か?

 スマホのバッテリー駆動時間が長くて困る人はいないでしょう。iPhone 16 ProシリーズはiOS 18との最適化もあいまって、大きく改善しています。具体的には次の通りです。

・iPhone 15 Pro(最大23時間のビデオ再生)→iPhone 16 Pro(最大27時間のビデオ再生)

・iPhone 15 Pro Max(最大29時間のビデオ再生)→iPhone 16 Pro Max(最大33時間のビデオ再生)

 いずれもiPhone 15 Proシリーズに比べて4時間も増えています。Pro Maxシリーズはもともとバッテリーがもつというイメージが強いため、本当にスペックの公称値通りなら、かなり魅力的です。バッテリーが長持ちするガジェットはいつの時代も正義ですよね。

 筆者もバッテリーの話を聞いて、Pro Maxにおけるその他のデメリット全てに目をつぶってでもPro Maxを選びたくなりました。しかし、ここは誘惑をぐっと抑えて冷静に自分の使い方を振り返ってみます。

 先ほどの通り、筆者は在宅勤務がメインです。以前に比べて外に出る機会は激減しました。もちろん取材や、キャンプなどのアウトドアといった遊びなどで丸1日以上、外に出掛けることもありますが、最近は電源がなくて困ったという経験が1度もありません。出社した先のオフィス、移動中の車や新幹線、宿泊先の宿など、電源はどこにでもあります。

 仕事の出先でiPhoneのカメラやテザリング機能を長時間使うことも多々ありますが、最近は高出力なケーブル一体型モバイルバッテリーの使い勝手もよく、充電が追い付かないなんてこともなくなりました。

 「iPhoneのバッテリーを0%まで使い切ってしまった」──そんな経験が近年ないのであれば、Pro Maxを選ばなくても困りません。最大27時間に伸びたiPhone 16 Proのバッテリーもちを検証するのも楽しみです。

●なるべく安くProモデルを使いたい?

 iPhone 16 ProとPro Maxのスペック上の違いとして、Pro Maxには128GBモデルが用意されないというものがあります。

 iPhone 16 Proのスタート価格は128GBモデルの15万9800円、Pro Maxは256GBモデルの18万9800円となります。

 Proシリーズを選ぶ人は、価格ではなく用途で選ぶと思うのであまり関係ないかもしれませんが、より安価にProシリーズの機能を使いたいのであれば、iPhone 16 Proの128GBモデルは魅力的な選択肢です。

 ただし、iPhone 15 Proでは128GBモデルのみApple ProResを使った動画撮影時の最大撮影サイズが4K/60fpsから1080p HD/30fpsに制限されていました。これはストレージ容量の機能的な限界による制限のため、iPhone 16 Proでも同様である可能性が非常に高いです。

 ちなみに筆者はiTunesにため込んだ音楽をストレスなく持ち運びたい(ストリーミングサービスは使わない派)という観点から、512GBモデルを選択しています。「最近はアプリのサイズも大きいし……」と自分に言い聞かせています。うっ……。

 でもやっぱり、Proシリーズを楽しく使いたいのであれば、256GB以上をおすすめしたいですね。

●非Pro Maxモデルのサイズ、持ちやすさ

 多くの人がiPhone 16 ProとPro Maxを迷う最大の理由が、「Pro Maxの大きさと重さに耐えられるか」ではないでしょうか。というかこれに尽きますよね。

 iPhone 16 Proはギリギリ片手で操作できるサイズを維持しています。とはいえ長時間はさすがに厳しく、どうせ最終的に両手で使うなら大画面のPro Maxでもいいじゃないかという声もありますが、ちょっとしたLINEの返信、会計で決済アプリの立ち上げ、電車のつり革につかまってWebサイトやSNSのチェック、スマート家電の操作など、さっと片手で操作したい場面はまだまだ多いです。

 スマホが生活に密着しきった現代だからこそ、持ちやすさはかなり重要だと筆者は考えます。重さもiPhone 16 Proは約199g、Pro Maxは約227gと大きな差があります。ちなみにどちらも重くなっているのが気になるところですが……。

 ただし、Pro Maxでもスマホリングなどを活用すれば片手で操作しやすくなります。そうした取り付けや使い勝手の変化を許容できるのであればアリです。筆者はMagSafeとスマホリング、スタンドが両立されていて、かつ出っ張らないスマホケースが素晴らしいと思ってよく使っています。おすすめです。

●筆者の考えまとめ

 やはり持ちやすさという観点は非常に重要で、ようは「Pro Maxの機能性はめちゃ魅力的だが、冷静に自分の使い方を振り返ったら、持ちやすくて機能も同じProのほうが満足度は高いんじゃない?」ということになります。

 筆者の場合は大画面での写真や動画、ゲームといったコンテンツ消費よりも、片手で生活アプリを便利に使えたほうがうれしいという結論に至りました。

 あくまで筆者の環境や境遇によるものなので、結論はさておき、考え方の参考にはしていただけるのではないかと思います。自分の納得のいく選択になることを祈っています。

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