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iPhoneは毎年買い換えた方がお得なのか 長期利用のメリットと注意点も考える

ITmedia Mobile 2024年9月16日 10時5分

 9月20日に「iPhone 16」シリーズが発売される。毎年9月に新型iPhoneが発売されるのが通例となっているが、年々の多機能化などに伴い、iPhoneの価格が高騰している。そのため、「買い替えるべきか、それとも見送るべきか」と悩む人も多いだろう。そこで、iPhoneは毎年買い替えた方がいいのか、それとも何年か使い続けた方がいいのかを考えてみたい。なお、記事内の価格は全て税込みとする。

●なぜiPhoneを毎年買い替えるとお得なのか

 筆者は経験上、iPhoneを毎年買い替えた方がお得だと考える。その理由は大きく2つある。

 まず1つは買い取り額を元手にした購入だ。毎年、一括払いでシンプルに買い替えたいなら、ビックカメラグループのソフマップやじゃんぱら、ゲオなどを利用したい。例えば、ソフマップでは、対象iPhoneの買い取り金額を最大1万円増額する「iPhoneメガ買取」を10月31日まで開催している。買い取り金額の増額時期を狙い、買い取り額を新しいiPhoneの購入に充てると、毎年新しいiPhoneをお得に入手できる。

 例えば、iPhone 15(128GB)は通常、買い取り額が8万5000円だが、5000増額により9万円で買い取ってもらえる。この買い取り額を元手にして、後述するキャリアでの一括価格より割安なApple Storeで、12万4800円のiPhone 16(128GB)を一括払いすると、差額の3万4800円を負担すればよい。

 ソフマップはiPhoneメガ買取で、iPhone 14 Pro Max(1TB)なら15万円、iPhone 14(512GB)なら9万円、iPhone 13 Pro Max(256GB)なら9万6000円で買い取るとしているが、あくまで期間中の買い取り増額であり、型落ちするほど値が下がるケースが多いため、比較的、新しいモデルを買い取ってもらう方がお得だ。

 もう1つは大手キャリアの販売手法だ。iPhoneをはじめとする高額な端末を利用者が買いやすいよう、各キャリアは「端末購入補助プログラム」を用意している。これらの大まかな内容は対象端末を分割で支払い、次の買い替え時に端末を返却することで、残金の支払いが免除される。

 一例としてiPhone 16(128GB)をソフトバンクで購入した場合の金額を挙げたい。ソフトバンクが販売するiPhone 16の一括価格は14万5440円とApple Storeの12万4800円より2万640円高いが、48回払いの「新トクするサポート(プレミアム)」を利用すると、iPhone 16(128GB)を1年間3万8686円で利用できる。

 これは、1~12回目支払い合計額36円(3円×12回)に、早トクオプション利用料の1万9800円と、あんしん保証パックサービス利用料の1万8850円(月額1450円×13回分)を足した金額だ。13カ月目に返却すると、4039円×36回の支払いが免除される。つまり3万8686円が、購入から約1年後に返却した場合の実質負担額となる。

 ソフトバンクのiPhone 16(128GB)は極端な例だが、12カ月間は毎月3円の支払いで済むので、初期費用を抑えたい人にオススメだ。また、キャリアの端末購入プログラムでは、免除される残金があらかじめ決まっているので、1~2年間の実質負担額を読みやすいのがメリットといえる。

●同じiPhoneを使い続けるメリットと注意点は?

 「進化を感じられない」「買い替えるのが面倒」「買い取り額と新品の価格が約3万円でも負担になる」などの理由から、毎年9月に新しいiPhoneが発売される度に買い替えるのをためらう人もいるだろう。では、iPhoneを毎年買い替えない場合、得られるメリットはあるのだろうか。大きく2つある。

 1つは、使い慣れたiPhoneを使い続けられること。毎年買い替えたとしても、操作方法や使い勝手が大幅に変わることはほぼないが、「iPhone SE(第3世代)」はコンパクトなボディーにホームボタンが付いたiPhoneで、ラインアップの中で唯一、指紋認証でロックを解除できる。

 もう1つは、毎年買い替えるよりも出費を抑えられる場合があること。例えば、iPhone 15(128GB)を使い続けるうちに、バッテリーの寿命が短くなり、新しいバッテリーに交換した場合、1万5800円の出費で済む。「AppleCare+」に加入していて、最大容量が「本来の80%未満に低下している場合」は、無償でバッテリーを交換できる。

 買い取りのサービスやキャリアの端末購入補助プログラムを利用し、iPhone 15(128GB)からiPhone 16(128GB)に買い替えた場合に負担する約3万円よりもはるかに安い。最近では、スマートフォンの価格高騰を背景に、同じ機種を長く使うニーズも増えている。内閣府が公表している「消費動向調査(2023年3月分)」でも、携帯電話の平均使用年数が4.4年となっていた。

 ただし、注意点もある。

 先にも触れた通り、iPhoneをはじめとする携帯電話は、基本的に型落ちするほど買い取り額が低くなる。あまりにも古い機種やバッテリーが劣化した機種は、買い取り業者で買い取ってもらえず、手放す方法は「リサイクル・回収ボックスへの持参」や「キャリアショップでの処分」に限られてくる。

 OSのアップデートについても注意したい。Googleの「Pixel」シリーズと違って、AppleはiPhoneのアップデート保証期間を公式には明かしていない。最新OSの発表ごとに、それをサポートする機種を明かし、そこから除外された機種は、サポート対象外となる。ちなみに、「iOS 18」の対応機種は以下の通り。

・iPhone 15

・iPhone 15 Plus

・iPhone 15 Pro

・iPhone 15 Pro Max

・iPhone 14

・iPhone 14 Plus

・iPhone 14 Pro

・iPhone 14 Pro Max

・iPhone 13

・iPhone 13 mini

・iPhone 13 Pro

・iPhone 13 Pro Max

・iPhone 12

・iPhone 12 mini

・iPhone 12 Pro

・iPhone 12 Pro Max

・iPhone 11

・iPhone 11 Pro

・iPhone 11 Pro Max

・iPhone XS

・iPhone XS Max

・iPhone XR

・iPhone SE(第2世代)

・iPhone SE(第3世代)

 なお、7年前のiPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plusは、2023年に登場した「iOS 17」でアップデートの対象から外れたが、セキュリティアップデートは提供されている。実際、最新のiOSではないものの、2024年8月7日には「iOS 16.7.10」が配信された。とはいえ、こちらも提供期間が明かされておらず、永久的な保証ではない。

 OSがアップデートできなくなると、アプリの提供元や開発者が古いOSのサポートを打ち切ってしまい、それまで利用できていたアプリを継続利用できなくなる。iPhoneの同じ機種を長らく使い続けるうちに、気付いたときにはセキュリティアップデートの対象外となり、セキュリティリスクにさらされてしまう、ということもあり得る。

●買い替えの際の出費や長期使用のリスクを考えた上で判断したい

 まとめると、iPhoneを毎年買い替えた方がお得だと考えるのは、買い取りサービスの事業者がiPhoneを高額で買い取る事例があり、特に9月から10月にかけて増額するキャンペーンを利用できることに加えて、キャリアで購入すれば分割払いや返却などの条件があるとはいえ、一括価格より割安な価格で入手できるからだ。

 毎年買い替えるかどうかは、人ぞれぞれの判断でいいと思うが、まずは自分がどれくらいまでの金額なら出費を許せるか、同じ機種を長期的に使いすぎるリスクを考えられるかなど、冷静になって考えるのが重要だ。

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