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Nokiaブランドは消滅も近い? “身元引受人”のHMDはオリジナルブランドに注力、自分で修理できる製品も

ITmedia Mobile 2024年10月2日 19時45分

 Nokiaブランドのスマートフォンを展開しているフィンランドHMD Global(HMD)は、2024年に入ってから自社ブランドの製品へと切り替えを始めています。Nokiaの母国でもあるフィンランドの首都・ヘルシンキの家電店を訪問してみたところ、HMDブランドのスマホが多数展示されていました。

 既にHMDブランドのスマホが複数出ていますが、ブランド第1弾のモデルとして登場したのが「HMD PULSE」です。

 プロセッサはUNISOC T606、ディスプレイは6.65型(1612×720ピクセル)とロースペックです。カメラもアウトカメラは1300万画素、インカメラが800万画素と極めてベーシック。価格は149ユーロ(約2万4000円)でした。通信方式は4Gのみ対応で、スマホ入門機ともいえる性能のモデルです。

 一方で、Nokiaブランドのスマホも性能はミドルレンジ以下の製品が多く、大手メーカーのハイエンドモデルに匹敵する製品はありません。現在のNokiaスマホは“ひっそりと”売られている感じがあります。とはいえ、HMDがベーシックなスマホを作り続けるのは、そこに需要があるからでしょう。

 ブランドで上位モデルとなる「HMD Pulse Pro」は、基本性能こそPULSEと同じながら、カメラをアップグレードし、アウトカメラ、インカメラともに5000万画となっています。SNSに写真を頻繁にアップロードする若い世代にもこちらは受けそうです。

 店頭で両製品を使ってみましたが、HMD Pulse Proならカメラは十分実用的で、普通に撮影して美しい絵が撮れます。プロセッサ性能の関係から、動画は1080p/30fpsまでとなりますが、それでも室内のやや暗い場所でしっかりと撮影できました。

 そして、この2つのモデルには他のメーカーの製品にはない大きな特徴があります。それは自分で修理が可能な構造になっていること。

 スマホなどの修理関連を行うiFixitと提携し、背面やカメラモジュール、バッテリーなどを注文し、ユーザーが自宅でセルフ交換できるのです。

 本体の分解もピック状のツールを使えば簡単にできるとのこと。「スマホには最低の機能があればいい」「長く使い続けたい」──そんな風に考えるユーザーは特にヨーロッパに多くいます。HMDのスマホは、サステナブルな考えをユーザーに提案することで、今後も独自に製品展開を進めていくのでしょう。

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