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iPhoneは「新品」と「中古」のどちらを選ぶべき? 中古モデルではまりやすい落とし穴

ITmedia Mobile 2024年10月7日 10時23分

 9月20日に「iPhone 16」シリーズが発売された。毎年9月に新型iPhoneが発売されるのが通例となっており、そのタイミングで買い換えを検討する人は多いはず。一方、高額な最新機種の新品を買うか、型落ちで安くなった中古を選ぶべきか悩む人もいるだろう。そこで、iPhoneは新品か中古のどちらがいいのかを考えたい。

 新品と一口にいっても中古販売店によっては、いわゆる未使用、未開封などとする「新古」を扱う店舗もある。この記事での新品はApple Storeとキャリアが販売する新品のiPhoneを指す。中古は文字通り使い古されたiPhoneや型落ちした中古iPhoneを指す。

●新品のiPhoneは誰に向く?

 まずは新品と中古がそれぞれ誰向けなのかを整理する。最新機種かつ新品のiPhoneは、最新のiPhoneを手に入れたい人、新しいボタンなどを含む新機能をいち早く試したい人、キャリアショップやApple Store店頭で修理サポートを受けたい人に向く。

 ハードウェアを含む新機能をいち早く試すには最新機種の入手がおすすめだ。例えば、iPhone 16/16 Plusは光学2倍ズーム、iPhone 16 Pro/16 Pro Maxは光学5倍ズームに対応し、4機種全てが先代にはない新しい「カメラコントロール」を搭載。文章の作成支援や画像の生成、より自然で文脈に即したSiriとの会話などを行える、生成AIベースの「Apple Intelligence」は2025年内に日本語に対応する予定だ。

●中古のiPhoneは誰に向く?

 では新品ではなく中古のiPhoneは誰に向くのだろうか。最新の機種やハードウェアを含む新機能に興味はなく、電話、メール、ブラウザ、SNSの利用といった、必要最低限のことができればいい人、とにかく安い機種を購入して出費を抑えたい人、店頭でのサポートを必要としない人に向く。

 例えば、先述した光学ズームは2023年の「iPhone 15」シリーズと比べて、飛躍的に進化している(より遠くを光学ズームで撮影できるようになった)とはいえない。2024年10月現在、日本で入手可能な最新のiPhone 16で、ハードウェアとして目新しい機能といえるのは「カメラコントロール」くらいだろう。

 ちなみに、最新機種のiPhone 16の一括価格(税込み)はApple Store直販モデルが12万4800円~16万9800円に対し、4キャリアが販売するモデルは14万1700円~21万1680円。分割払いや返却などを条件とするキャリアの購入プログラムで割引を受ければ、3万5640円~8万3896円で利用できる。

 ただ、iPhoneをはじめとする最近のスマートフォンはカメラと生成AIが新機能のトレンドとなりつつ、最新機種を“毎年”購入したからといって劇的に変わった、と実感しづらい人もいるだろう。人によっては新機能に魅力を感じず、「電話、メール、ブラウザ、SNSが使えればいい」と感じるはずだ。ならば安い機種を購入して「出費を抑えたい」と考える人もいるだろう。

 型落ちした「iPhone 14」の中古価格を見ると、一括価格がゲオで9万円台から、じゃんぱらで7万円台から、ソフマップのリコレでも7万円台からと、ゲオなら最新機種の一括価格(最低価格)より約3万円安く、じゃんぱらとソフマップなら最新機種の一括価格より約5万円安く買える。

●中古iPhoneの注意点は? SIMロックの有無や赤ロムなど

 とはいえ、中古iPhoneの注意点もある。大きな注意点は保証が効くか否か。中古販売店舗やECサイトで購入したiPhoneは基本的にサポートを受けられない。保証期間は販売店によって異なるが、購入日から1カ月~1年までの期間が多い。

 例えば、Appleの有料保証サービス「AppleCare+」は過失や事故で故障した際にApple StoreやApple正規サービスプロバイダーに持ち込めば、何度でも割安の料金で修理してもらえるサービスだが、(新品の)購入日から30日以内に加入する必要がある。

 もとの所有者が、有料保証サービスのAppleCare+に加入したまま手放したiPhoneは、利用者が変わっても保証対象になる場合があるが、実店舗ではAppleCareに登録した人と利用者の情報が合致しないことを理由にサポートを受けられないケースもある。

 中古iPhoneはバッテリーの劣化が進んでいるものもある。劣化が進んだバッテリーを搭載したiPhoneは駆動時間が短く、結果として「電池持ちが悪い」「少し減りやすくなってきた」などと感じやすくなる。購入後にバッテリー交換費用を負担せずに済ませたいなら、最初から新品か状態のいいものを選んだ方がいい。

 最も気を付けるべきは、携帯電話として機能するかどうか。中古iPhoneを買うという行為は言い換えれば「箱(ボディー)」だけを入手し、通信を機能させるためには自分で「SIMカード(遠隔で契約者情報を書き込めるeSIMを含む)」を用意する必要がある。当たり前だが、iPhoneだけが手元にあっても、通信事業者と契約したSIMカードがなければ、音声通話やデータ通信は利用できない。

 ここで気になるのがSIMカードとiPhoneの相性だ。特にソフトバンクのモデルは機種によって対応するSIMカードが異なる。どのSIMカードを挿しても動くとは限らない。例えばiPhone 14~iPhone 16シリーズは「nano USIMカードA(S)」だが、「iPhone SE(第3世代)」「iPhone 13」シリーズなどは「iPhone 専用 nano USIMカードA(C2)」にしか対応しない。

 つまり、SIMフリーのiPhoneを選んだとしても自分が使っているSIMカードで必ず動作する、とはいい切れないため、中古iPhoneを選ぶ場合は事前に動作有無を調べるといい。

 SIMロックの解除の有無にも注意したい。総務省が2021年に改定した「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」では、発売日が2021年10月1日以降の端末に「回線提供元の回線でしか使用できないようにするSIMロック」をかける行為を原則禁止している。解除手続きが必要な機種も販売店には存在するので、機種によっては解除の手続きが必要となる。

 なお、iPhoneの場合、iPhone 13シリーズ以降の機種なら、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルいずれも、SIMロックがかかっていないため、SIMロック解除の手続きは不要だ。SIMロックがかかっているiPhone 12以前の機種を中古で購入する場合、商品ごとにSIMロックが解除されているかどうかが記載されている場合があるので、その内容を確認しておくといい。

 最後に、「赤ロム」にも触れておく。赤ロムとは、本体代金の滞納や盗難などを理由に、携帯電話事業者がネットワークの利用を制限し、利用者がSIMカードを挿入してもデータ通信ができない状態を指す。

 この赤ロムかどうかについては購入前に店頭で確認したり、ECサイトから商品の状態とともに確認したりできる。利用者自身で赤ロムか否かを見分けるには、以下のURLにアクセスし、利用する端末のIMEIを入力する。

 ただ、購入時にネットワークの利用が制限されていなくても、購入後に制限がかかってしまうケースもある。この場合、ゲオとじゃんぱらは保証期間に関係なく、「同機種/同等品との交換か返金に応じる」と案内しているが、ソフマップでは保証期間を3年間と定めているので注意しよう。

 ここまでの内容をおさらいすると、新品iPhoneは高くても新機種や新機能をいち早く試したい人、中古iPhoneは注意点を十分に理解し、新品iPhoneの購入よりも出費を抑えたい人に向く。どちらがいいとは一概にいえないが、予算や用途から判断するといいだろう。

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