iPhoneに限らず、新しいスマートフォンを購入したら、すぐさまケースをつけて保護したい。そう、落とさないうちに。では、どんなケースを選ぶのがベストだろうか。
今回はMOFTの「iPhone 16シリーズ MagSafe対応クリアケース」(以下、 iPhoneクリアケース)を紹介しよう。装着するiPhoneは「iPhone 16」で、価格は5080円だ。
●ポップなパッケージに封入された透明なケース
iPhoneクリアケースのパッケージは、全体的に白を基調としているが、オレンジの差し色がポップな印象だ。
箱の裏側にある封緘(ふうかん)のようなシールをカットしてスリーブを外す。薄いプラスチックのフタには、指で触れたらすぐに分かる小さなベロがついており、それを押し上げれば簡単にケース本体を取り出せる。爪を差し込まなくても開けられるのがうれしい。
カメラレンズ部の穴にはオレンジ色のタグが取り付けられている。「あらまあかわいい」と思ってよく見てみたら「剥がしたら返品不可」のようなことが書いてあったので、かわいいといった言葉を撤回したくなった。
パッケージの裏側には、ごく簡単に製品の特徴が記載されている。黄ばみにくく、マグネットは強力で引っかきに強く、ベゼルによってレンズ周りを保護している。
「クリア」というだけあって、なかなかの透明感だ。これは90%の透明度を持つポリカーボネートを採用しているからだろう。
クリアケースの課題はしばらく使うと生じてしまう黄変だ。このiPhoneクリアケースはパッケージの裏側に紫外線による黄ばみを防ぐとあったので、この辺りの課題が“クリア”されているのだろう。
あまりの透明感に、これでは写真を撮っても、写っているのかいないのかよく分からないので、撮影を放棄しようかと思っていたところ、ケースの四隅に曇りガラスのような質感の何かがあることに気がついた。
これはMOFTが「ナイトライト」と呼ぶ機能で、寝室などの暗がりでもすぐにiPhoneを見つけられるよう、夜光塗料(厳密には蓄光塗料)を施しているのだ。
周囲に少しでも明かりがあるとほとんど判別できない光だが、真っ暗な場所なら見つけやすい。試したところ、ライトを消してから少なくとも4時間半もほのかに光っていた。日常的にも、また災害時でも手元からiPhoneが離れてしまっている場合に便利そうだと感じた。では、早速iPhoneに取り付けてみよう。
●最小限のカバー率でもiPhoneを保護
iPhoneクリアケースは開放感をうたっているだけあり、装着してもほとんどiPhoneの見た目が変わらない。特に前面から見た場合はつけていてもいなくても分からないほど変わらない状況だ。
しかし裏側を見ると、マグネットリングがしっかりとケースの付いていることを誇示している。
前面のベゼルを取り囲む縁はディスプレイよりわずかに高くなっており、iPhoneのディスプレイ側を下にしておいたとしても、ディスプレイがテーブルなどで傷つくことを防げそうだ。
また裏側のレンズ周りも丁寧にくり抜かれており、縁が高くなっているためレンズが平滑面に触れることもないし、バックの中でレンズを囲む金属が他のものを傷つけることもないであろう。
ケースの左右側面はほぼオープンだ。コントロールスイッチ、音量ボタン、SIMトレイまで一続きの開放部となっている。右側面でも、サイドスイッチからカメラコントロール部に至るまで覆われていない。
これで本当に保護できるのだろうか、と少し不安になる。しかし、先述した夜光塗料加工のされた箇所は、ケース内側から触れると弾力がある。衝撃に耐えられるよう、クッション性を持たせてあるのだろう。メーカーの説明によれば、衝撃に強い熱可塑性エラストマーを採用しており、1.2mからの落下試験をクリアしているとのことだ。
いずれにしても、iPhoneを落とすときは決まって角から着地する。真横から着地することはほとんどないので、これで良いのかもしれない。
このように部品を削ぎ落とすことのメリットは軽さを実現できるということだ。事実、このケースはマグネットリングを内蔵しているにもかかわらず25.6gという質量だ。以前、iPhone 14で使っていたポリカーボネートとTPU素材のクリアケースが28.3gだったことからも、かなり軽量化を図っている。クリアな見た目と広い開放部、そしてこの軽さのおかげで、“裸族も満足”のいくケースに仕上がっていると感じた。
●スマホスタンド、三脚、カード収納機能を搭載する「MOFT 8-in-1多機能スタンド」
MOFTついでにもう1つ紹介したいアクセサリーがある。それは「MOFT 8-in-1多機能スタンド- MagSafe対応」(以下、多機能スタンド)だ。
多機能スタンドは、クレジットカードより一回り大きいサイズで、スマホスタンド、三脚、カード収納機能を搭載している。
MagSafeの磁力を利用してiPhoneなどに取り付けることができ、カードポケットとフタの部分を開けば目線を下げた状態でスマホ画面を見るのに適したスタンドとして使えるし、さらに脚を展開すればオンラインミーティングなどにちょうど良い高さにスマホの画面やカメラを固定するスタンドとして使うことができる。
背面カメラを覆わないデザインなので、デスクの上に置いてセミナーなどを録画したり、集合写真を撮ったりするのに具合が良い。ヒンジ部はかなりしっかりした作りになっており、0~85度の角度で固定可能だ。バランスさえ問題なければ、書画カメラに近い使い方もできるのではなかろうか。
付属の「アイアンリング」を使えば、MagSafe非対応のAndroid端末やケースでも使えるようになる。
もちろん、“なんちゃってMagSafe”搭載のケースをスマホに装着していれば、問題なくガッツリホールドしてくれる。
カードポケットはNFC対応となっており、最大2枚のプラスチックカードを収納可能だ。iPhoneだけ持って、ほぼ手ぶらでの散歩がかなう。試したところ、通常サイズの名刺も2枚入れられたので、予備の名刺入れとして使うのもありかもしれない。
カラーはサンライズオレンジ、デザートゴールド、トープ、ディープブルー、サンセットレッドの5種類で、価格はカラーによって6780円から6980円だ。
何もつけていないかのようなiPhoneクリアケースに、分厚い多機能スタンドを取り付けて常用するのはポリシーに反しているのではないかと、少し葛藤したが、「できるだけ少ない荷物で出かけたい」というニーズにはハマるのではないかと考え直すことにした。
スマホ用三脚など余分な荷物を持たずに好きな場所で写真撮影を楽しんだり、財布を持たずに外出先で支払いをしたりできる多機能スタンドと、必要最小限の保護機能を提供してくれるiPhoneケース──案外、悪くない組み合わせなのかもしれない。