タフなボディーに特殊なカメラを搭載したスマートフォンは、中国の中堅メーカーから多数の製品が展開されています。日本のAmazon.co.jpにも山のように出品されていますが、もはやレッドオーシャン化したタフネススマホ市場の中で、生き残りをかけて登場したモデルが中国・深センの拠点を置くPhonemaxの「R4 GT」です。
9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2024のPhonemaxブースに展示されていたR4 GTは、チップセットにMediaTekのHelio G99を搭載する4Gスマホです。5G非対応は残念ですが、その分、価格はかなり抑えられているようです。
ディスプレイは4.3型と小さく、本体サイズは約121(幅)×59.2 (奥行き)×18.3m(高さ)mmとコンパクトです。重量は約190gありますが、防水・防塵(じん)性能はIP68、IP69K、MIL-STD-810G対応なので、落としても壊れにくく、安心して使えます。
最大の特徴はカメラ構成で、6400万画素の広角に加え、夜間に強い2000万画素のナイトビジョンカメラ、さらにサーモグラフィーカメラも搭載しています。
ナイトビジョンカメラは、例えば真夜中の森林の中で動く動物の姿をモノクロで撮影可能です。一方、サーモグラフィーカメラは温度の違いを色で可視化できます。
これら特殊なカメラ機能は多くの海外タフネススマホの多くが採用しており、実は珍しいものではありません。しかし、R4 GTはコンパクトなボディーなので、ストラップをつけてバックパックからぶら下げておき、アウトドアで必要な時に使うサブスマホとして使いやすいの特徴です。
市販されている多くのタフネススマホはサイズも重量も大きいため、本格的なアウトドア用途には向いているでしょうが、ライトユースにはむしろオーバースペックというわけです。
普段使いのiPhoneをそのまま登山で使いつつ、現地での特殊カメラとして使う──そんな用途にR4 GTは適しています。
実際に筆者もサーモグラフィーカメラを使ってみましたが、10メートルくらい離れた場所にいる人の温度もしっかりと検知してくれました。真夜中の山中で急に物音がしたときなど、このカメラを使って周囲に危険な野生動物が潜んでいるかどうかを確認することも出来そうです。
Phonemaxは同じ外観で特殊カメラ非搭載のモデルも発売しており、そちらは背面にサブディスプレイを搭載しています。中堅メーカーは生き残りが難しくなっていますが、さまざまなアイデアを実際に製品化することで、ヒット製品も生まれるかもしれません。