旅先で撮影した写真などを後から見返すときに、「これはどこで撮影した写真だろうか?」と分からなくなったという経験をしたことはないでしょうか。そんな時に便利なのが、写真に記録される位置情報です。
写真を閲覧するアプリが対応していれば、地図上で撮影場所を確認できるので旅行の行程を追うこともできるので、後から見返すのも面白いものです。
そんな便利な写真の位置情報ですが、気を付けないと「自宅で撮ったペットの写真を共有したら、自宅の場所がバレてしまった」なんてことも。今回はそんな写真の位置情報に関する設定を紹介します。
●写真に含まれる位置情報って?
デジタル写真には、写真そのもののデータ以外にもさまざまな情報が含まれています。写真に保存されたデータは「Exif」(Exchangeable Image File Format)と呼ばれ、例えば撮影した日時や撮影機材、シャッタースピードやISO感度、露出などが記録されます。
そして、このデータに撮影場所の位置情報も含まれるというわけです。普段は表には出ないデータですが、アプリを使ったり、写真のプロパティを確認したりすると誰でも簡単に見ることが可能です。
このため、位置情報が含まれたままの写真を他人に共有してしまうと、簡単に撮影場所が分かってしまうわけです。
なお、写真から自宅の場所が分かってしまうかもと書きましたが、実際はそこまで心配する必要はありません。現在、XやLINE、Instagramなど主要なSNSでは、写真を投稿する際に写真に含まれる位置情報は削除されるようになっています。
このため、自宅で撮影したペットの写真を投稿したからといって、そこから不特定多数の人に自宅の場所がバレてしまうということはありません(窓の外の景色が写っているなど位置情報とは別の要素でバレる可能性はありますが、本題ではないのでここでは触れません)。
写真をメモリーカードなどに入れて直接渡すなど、データをやりとりする方法によっては位置情報が含まれたままの写真を渡すことになりますが、そのような場合、基本的には知り合いだと思うので、位置情報の有無は問題にはならないでしょう。
とはいえ、必要がないなら初めから位置情報が記録されないようにしておくのが安全です。以下ではiOSとAndroid、それぞれの位置情報の設定方法、記録された位置情報の削除方法を説明します。
●iPhone(iOS)の場合
iPhoneのカメラで撮影した場合に位置情報を記録したくない場合は、設定アプリから「プライバシーとセキュリティ」>「位置情報サービス」>「カメラ」をタップし、「位置情報の利用を許可」で「しない」をタップします。
位置情報の記録を完全に停止したくない場合には、「このアプリの使用中」を選択しつつ、「正確な位置情報」をオフにすると、おおよその位置情報(ユーザーの実際の位置から数Kmの範囲)を記録することが可能です。
既に記録された位置情報を写真から削除したい場合は、その写真を写真アプリで表示して上にスワイプ、詳細情報を表示し、位置情報の右下に表示される「調整」をタップします。位置情報を調整で「位置情報なし」をタップすると写真から位置情報が削除されます。
●Androidの場合
Androidで写真に位置情報を記録したくない場合は、カメラアプリで設定を行います。端末により設定メニューの内容が異なりますが、下記はPixel 9 Proでの例です。
カメラアプリの設定を開き、「その他の設定」をタップ。「位置情報を保存」をオフにします。
位置情報の記録を完全には停止したくない場合、Androidの「設定」から「位置情報」を選択。カメラをタップして、「正確な位置情報を使用」をオフにすると、ユーザーの実際の位置から数Km離れた場所が記録されるようになります。
なお、使用している端末にもよりますが、Pixel 9 Proの場合には位置情報が記録された写真から位置情報を削除することができません(Galaxyは可能です)。
写真からExifデータを削除するというアプリもありますが、写真のコピーを保存する必要があるなど、あまり使い勝手がいいとはいえません。例えば、自分のXアカウントなどに、DMで写真をいったん送るという方法が手っ取り早いかもしれません。