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PayPayが「他社クレジットカード」への対応継続に向けた検討を実施 2025年夏以降の提供を目指す

ITmedia Mobile 2024年12月5日 18時50分

 PayPayは12月5日、スマートフォン決済サービス「PayPay」における他社クレジットカード(Visa/Mastercard)を使った決済について、引き続き利用できるようにする方向で検討していることを明らかにした。現在、Visa/Mastercardとの協議を進めているとのことで、詳細は2025年春頃に伝える予定だという。

 これに伴い、現在の他社クレジットカードを使った決済は、新しい決済方法が始まるまで継続利用できることとなった。

●2025年1月をもって廃止予定だった「他社クレジットカード対応」

 他社クレジットカード(デビットカード/プリペイドカード)を介した決済について、PayPayは2023年5月に「2023年8月1日付で廃止する」旨を発表した。

 しかし、ユーザーから想定外の反発が起こったこともあり、同社の親会社であるソフトバンクの宮川潤一社長が6月20日に行われた定時株主総会において本方針の見直しに言及。その2日後にはPayPayから「廃止時期を2025年1月に延期する」との発表が行われた。

●他社クレジットカードではユーザーが「利用料」を負担する可能性も

 他社クレジットカードを介した決済を“継続”する方針に転換について、PayPayは特に説明をしていない。しかし、その背景として競合のスマートフォン決済サービスが他社クレジットカードに広く対応していることが考えられる。

 「d払い」や「楽天ペイ」では、Visa/MastercardブランドだけでなくJCBやAmerican Expressブランドのクレジットカードからの支払いも選択できる(※1)。「au PAY」でも、一定の条件を満たす他社クレジットカードを使って残高チャージが可能だ(※2)。

 ただでさえ対応ブランドが少ない状態のPayPayが、他社クレジットカードによる決済を一切廃止するとなれば、他社と比べた際に「サービスが悪い」と捉えられる可能性もある――ゆえに、何らかの形で対応を継続しようとしているのだろう。

 ただ、他社クレジットカードに対応する上で課題となるのが国際ブランドやアクワイヤラー(決済実務を担うカード会社)に支払う「手数料」だ。PayPayによると、現在は他社クレジットカード決済に伴う手数料が、PayPayの決済システム利用料を上回っている状態だという。つまり、他社クレジットカードによる決済で“赤字”が生じてしまっている状況にある。

 新しい他社クレジットカードの利用方法を実現するに当たり、PayPayはVisa/Mastercardと手数料に関する協議を進めているという。この協議結果次第では、他社クレジットカードの利用者に一定の「利用料」を負担してもらう可能性もあるという。併せて、利用状況次第で利用料を減免する方法も検討しているようだ。

(※1)他社クレジットカードを使う場合、決済に伴うポイントは付与されない(ただし、ひも付けたクレジットカードでポイントが付与される場合がある)。なお、楽天ペイにおいて「楽天カード」以外のJCB/American Expressカードを使うと、一部の加盟店で利用できない場合がある(※2)au/UQ mobile/povo1.0回線にひも付いた「auかんたん決済」でチャージする場合、支払い方法がJCBカード(※3)、またはauフィナンシャルサービス/クレディセゾン/ユーシーカード/三菱UFJニコス/楽天カード/イオン銀行/トヨタファイナンス/三井住友カード(旧セディナ)が発行するVisaカード/Mastercardの場合にチャージ可能。回線ひも付けのない場合は、Mastercard/American Express/Diners Clubブランドの全カードと、auフィナンシャルサービス/クレディセゾン/ユーシーカード/三菱UFJニコス/エポスカード/楽天カード/トヨタファイナンス/ビューカードが発行するVisaカード、クレディセゾン/楽天カード/トヨタファイナンス/ビューカードが発行するJCBカードでチャージ可能(※3)アプラス/UCS/ゆめカード/ポケットカード/日専連/エヌシーが発行するJCBカードと、一部のJCBデビットカード/プリペイドカードを除く

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