面接やインタビューなど、重要な会話が想定される場面が控えているなら、生成AIを駆使すれば事前準備や練習がスマートに行える。
例えば、ChagGPTで質問内容の土台を作成したり、仮想の面接官役や応募者役として振る舞わせたりすれば、事前の準備やトレーニングとして注力すべきポイントを絞り込める。今回はそうした用途を想定したうえで、ChatGPTの具体的な活用方法を考えてみたい。
●質問項目を生成する
まず、面接やインタビューをする側の立場であれば、基本的な質問項目はChatGPTに生成させることで、作業時間を短縮できるだろう。
例えば、生成AIモデルで、無料アカウントでも利用しやすい「ChatGPT 4o mini」を選択した上で、「カフェのキッチンスタッフのアルバイトに応募してきた20代男性を面接します。必要な質問項目を10個出してください」と指示してみる。
生成された質問項目には、(1)自己紹介をお願いします(2)この色に応募した理由は何ですか?(3)以前の職場での経験について教えてください──といったよくある質問が10個リストアップされており、それぞれの質問の目的も添えられていた。
会社員や自営業など、どのような面接の規模であっても、こうしたリストをそのまま活用することはないだろう。しかし、基本の質問を抑えておき、その中からどれを選択しようかと検討するならば便利に使えるはずだ。
また、面接を受けたり、インタビューイとして質問をされる側の立場でも、想定される質問をイメージする上でChatGPTを使っておくと、時間をかけずに準備ができるだろう。
例えば、「新製品を発表したベンチャー企業の技術者です。メディアのインタビューを受けるので、想定される質問例を10個出してください」と指示してみると、(1)新製品のコンセプトについて教えてください(2)この製品の開発において最大の課題は何でしたか?(3)競合他社と比較して、この製品の独自のポイントは何ですか?──といった具合で、実際によく耳にする質問の型が提示された。
●面接の練習に使う
ChatGPTを使って、簡易的に面接のシミュレーションを行うこともできるだろう。ここでは、ChatGPTに面接官の人事担当者役になってもらい、応募者に対する質問をさせてみたい。
例として、「スマートフォン向けゲームを開発する会社の採用面接の練習をしたいです。人事担当者で面接のロールプレイをしてください」と指示する。今回はChatGPT 4o miniで試したが、筆者が検証した範囲では、この際に「人事担当者で面接のロールプレイを」という表現を使うと、想定した出力に導きやすかった印象だ。
そして、ロールプレイ中に応募者としてのメッセージを送信すると、それに対する面接官としての返答が続く。基本的な想定質問に対する自分なりの回答を考え、練り上げていく過程でも役立つはずだ。
●回答について評価・添削する
最後に、応募者やインタビューイの立場ならば、質問リストやロールプレイを通じて考えた回答について、ChatGPTに評価をしてもらうのも有効な使い方だ。
例えば、先のロールプレイでの返答について、評価をしてもらい、改善点を洗い出してもらってみる。「◯◯(質問のテキストを入れる)に対する回答として、◯◯(回答のテキストを入れる)を10点満点で採点してください。また、改善点があれば具体的に教えてください」と指示してみる。
生成された採点結果から、先の回答では具体的な情報を加えることや、応募会社との適合性などを意識することで、より精度が高くなることが分かった。また、「先のロールプレイを通じた私の評価を採点してください」のように、全体での採点を入れてもよいだろう。こうした採点過程を入れることで、より実用的なロールプレイでの経験を積むことができるはずだ。