ドコモのクレジットカード「dカード」に、新たなラインップとして「dカード PLATINUM」が登場。2024年11月25日から申し込みを受け付けている。筆者は「dカード GOLD」ユーザーなので、アップグレードを検討中。同じようにプラチナにした方が得なのでは?と考える人は多いと思うので、どんな人がどのくらい得できるのか検証してみた。
●「dカード PLATINUM」のプラチナ特典
dカード GOLDからdカード PLATINUMにアップグレードすると、1万1000円(税込み、以下同)だった年会費が2万9700円にアップする。かなり高額になる印象だが、プラチナカードの年会費は5万円以上が一般的。最近では2~3万円台のプラチナが増え、ハードルが低くなってきた印象だ。dカード PLATINUMもその1つ。
年会費が安めとはいえ、世界の空港ラウンジが無料で利用でき、レストランでコース料理1人分が無料になるなど、プラチナカードならではの特典はしっかり付いている。ただし、dカード PLATINUMの場合、世界148の国や地域、600を超える都市にある約1600カ所の空港ラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」は年間10回まで無料。11回目以降や同伴者については1人あたり35米ドルが必要になる。
レストランの優待では、「レストラン優待サービスby招待日和」が無料で利用できる。国内有名レストラン約200店舗を大人2人以上で予約したときに、1人分のコース料金が無料。6人以上の場合は、2人分のコース料金が無料になる。
本来なら、「プライオリティ・パス」や「レストラン優待サービスby招待日和」を利用するには、それぞれ年会費や月会費が必要。頻繁に海外旅行をする人や、定期的にレストランで食事をする人なら、これらのサービスが無料で利用できる時点で、カードの年会費を上回る金額が得できることになる。
とはいえ、筆者はコロナ以降、ほとんど海外旅行に行けていないし、レストランでコース料理を食べる機会もあまりない。そんな場合は、どこで得すればいいのか?
dカード PLATINUMのお得な特典は次の4つだ。dカード GOLDと比較してどれほどお得なのか、それぞれ説明していこう。
1. ドコモのケータイなどの利用料金で最大20%ポイント還元
2. 年間の利用額に応じて最大4万円相当の特典
3. マネックス証券の「dカード積立」で最大3.1%ポイント還元
4. ケータイ補償として最大20万円付帯
●1.ドコモのケータイなどの利用料金で最大20%ポイント還元
「dカード」はドコモのクレジットカードだけに、ドコモのスマホプランやドコモ光、ドコモでんきなど、ドコモサービスの利用でポイントが大きくたまる。dカード GOLDでは10%ポイント還元のところ、dカード PLATINUMでは初年度20%還元になり、2年目以降は毎月の利用金額に応じて10~20%還元になる。
対象のプランは「eximo」「eximoポイ活」「ドコモ光」「爆アゲセレクション」「ドコモでんき Green」で、その利用料金の支払い方法をdカード PLATINUMに設定することでポイントがもらえる。なお、「ahamo」「irumo」「ahamo光」は対象外だ。
ドコモでんき Greenの電気料金も初年度は一律で、2年目以降は毎月の利用金額に応じて最大20%還元になる。還元されるポイントはエリアによって異なる。
この1の特典でどれくらいのポイントが得られるのか、eximoポイ活とドコモ光の料金で算出してみた。ドコモでんき Greenは使用量によって金額が変わるため、総務省の家計調査の数値を引用。2人以上世帯の月平均の電気代1万2265円(2023年)を、東京電力エリアのポイント還元率で算出してみた。
初年度の高還元率のときはもちろん、2年目以降のポイント還元率でも、もらえるポイントは大きい。スマホや自宅のインターネット、電気などの毎月必ず支払う固定費で得られるポイントで、dカード PLATINUMの年会費がほぼまかなえるイメージだ。最大限の還元の場合は年会費を支払ったとしても、2万ポイント程度が獲得できる。
●2.年間の利用額に応じて最大4万円相当の特典
年間のカード利用額に応じた特典もある。dカード GOLDでは年間100万円の利用で1万円分相当。dカード PLATINUMの場合はさらに年間200万円で2万円相当、年間300万円で3万円相当、年間400万円以上で4万円相当と、特典が追加される。
現在、dカード GOLDで年間200万円以上の支払いがある人なら、dカード PLATINUMにするメリットがあるだろう。月間25万円の利用額なら3万円相当の特典が得られるので、年会費2万9700円の元が取れる。
●3.マネックス証券の「dカード積立」で最大3.1%ポイント還元
dカード PLATINUMではクレカ決済で資産運用ができる「dカード積立(dカードのクレカ積立)」することで、毎月の積立額に対して最大3.1%のポイントがもらえる(年間最大3万7200ポイント)。
NISAのつみたて投資枠の上限は月10万円。初年度は一律3.1%になるので、月10万円を積み立てた場合、年間で3万7200ポイントがたまる。2年目以降は毎月のクレカ利用額によって還元率が異なり、毎月10万円未満なら1.1%、10万円以上~20万円未満なら2.1%、20万円以上なら3.1%がたまる。
dカード GOLDの場合は最大1.1%になるので、月10万円の積立で年間1万3200ポイントになる。以下の表は毎月の積立額を3万円、5万円、10万円にした場合に獲得できるポイントだ。仮に毎月3万円の積立でも還元率が3.1%なら年間1万1160ポイントとメリットが大きい。
なお、dカード積立はNISA口座だけでなく、課税口座も対象になる。その場合、ポイント還元率はNISA口座とは異なるので注意したい。また、資産運用は元本割れするリスクもある。
●4. ケータイ補償として最大20万円付帯
筆者がdカードで一番メリットを感じているのが、スマホの紛失や全損を補償してくれる「dカードケータイ補償」だ。dカード GOLDでは最大10万円なのに対して、dカード PLATINUMでは最大20万円にアップする。最近のスマホは10万円以上と高額のため、20万円まで補償があるのは安心だ。
ドコモショップなどのドコモが指定する販売店舗で、同じ機種で同じ色のケータイをdカード PLATINUMで購入した場合、利用金額の請求額から補償金額が減額される。事故時の費用は2025年12月までは無料だが、2026年1月上旬より1件につき1万5000円が発生する。
●まとめ:dカード PLATINUMで得するかはクレカの利用額がカギ
ここまでの説明で、dカード PLATINUMでどれほど得できるかは、クレカの利用額によることが分かる。年会費の元を取るためには毎月10万円以上の利用額が目安。毎月25万円以上の利用額なら1.の特典で最大20%還元、2.の特典で3万円相当、3.の特典で最大3.1%還元と、かなり得することができる。もちろんドコモユーザーでeximoポイ活、ドコモ光の利用は必須で、ドコモでんきGreenを利用しているとなお良い。
クレカの利用額をアップさせるためには、家族カードを活用するのも有効だ。1枚目は無料で発行できる(2枚目以降は1枚1100円)。支払いをメインの人のdカード PLATINUM に集約することで、利用額をアップできる。
ということで、dカード PLATINUMの注目点を以下の表にまとめてみた。dカード GOLDからdカード PLATINUMにアップグレードした場合、自分ならどれくらい得できそうか検証してみてほしい。
dカード GOLDユーザーがランクアップするときに注目すべきはココ!
筆者の場合は「ahamo」ユーザーなので、1.のポイント還元は対象外。dカード GOLDの利用額が毎月4万円くらいなので、2.の特典は得られない。資産運用は行っていないので3.の特典も対象外になる。dカード PLATINUMへのアップグレードよりも、まずはdカード GOLDで得するためにもっと利用額を増やすことや、NISA口座の開設などを検討してみたいと思う。
なお、クレカの利用額には、モバイルSuica、モバイルPASMO、モバイルICOCAを除く電子マネーのチャージ代金、金利・手数料、年会費、「THEO+ docomo」における「dカード積立」代金、マネックス証券における「dカード積立」代金、募金などは含まれないので注意したい。