富士フイルムは1月21日、インスタントフォトシステム「instax(チェキ)」シリーズの新製品として「instax WIDE Evo」を発表した。発売日は2025年2月6日で、実売想定価格は5万5000円(税込み)。
同日に専用カメラケースと、メタリックグラデーションを施した新ワイドフィルム「BRUSHED METALLICS」も発売される。
●10種類のフィルム効果、10種類のフィルター表現
instax WIDE Evoは、チェキの中でも大きなワイドフォーマットフィルムを使い、撮影した画像を背面モニターでプレビューしながら必要なものだけをプリントできるハイブリッド方式を採用している。
10種類のフィルムエフェクトと10種類のレンズエフェクトを自由に組み合わせる“100通り”の撮影表現に加え、光や色味を最大100段階で調整できる「度合い調整」機能なども備えており、総計で10万通りを超える豊かなクリエイティブ表現ができる点が特徴だ。
本体は黒を基調としたメタリック仕上げで、シャッターレバーやダイヤル、プリントクランクなど、あえてアナログな操作感にこだわった構造を採用している。
イメージセンサーには1/3型CMOSを採用し、撮影シーンに応じてISO感度やシャッタースピードを自動調整するため、カメラ初心者でも扱いやすい設計になっている。
バッテリーはフル充電でおよそ100枚のプリントに対応し、内蔵メモリだけでなくmicroSDにも写真を保存できるなど、ハイブリッドカメラとしての使い勝手を重視している。
●写真を撮るプロセスを楽しめるカメラ
富士フイルム イメージングソリューション事業部の高井隆一郎氏は「instax WIDE Evoは特に30代男性を意識して開発したが、性別や年齢にかかわらず、じっくり写真を撮るプロセスを楽しみたい方に使ってほしい」とコメントした。
デジタルが当たり前の時代に「アナログ操作とワイドサイズのプリントをあえて満喫することで、撮影そのものの面白さを感じてほしい」という狙いがあるという。
撮影表現は、10万通りを超えるバリエーションだけでなく、広い画角を生かせる「広角モード」や写真を縁取る「フィルムスタイル」を搭載しているため、ダイナミックなテイストから絵画な表現まで幅広いイメージを生み出せる。
発表会で作例を披露した写真家の長山一樹氏は「クラシカルな外観とアナログ操作がフィルムカメラを思い起こさせる一方、ワイドフォーマットの迫力あるサイズが大人っぽい作品作りを後押ししてくれる」と話し、クリエイティブディレクター・アートディレクターの清水恵介氏は「建築や工芸品、日常のスナップでも、絵画のような仕上がりを直感的に狙えて面白い」と評価した。
●スマホプリンタとしても利用可能
専用アプリ「instax WIDE Evo」では、SNS上のユーザー作品を一覧できる「Discover Feed」を用意し、気に入ったエフェクト設定をカメラに反映できる他、スマホの写真をワイドサイズにプリントする機能やリモート撮影機能も備えている。
あわせて発売される「BRUSHED METALLICS」は、1枚ごとに異なるメタリックグラデーションが特徴で、アート性の高いプリント表現を楽しめる。