録音した音声を文字に起こす「文字起こし」機能は、近年Googleの「Pixel」シリーズだけでなく、サムスン電子の「Galaxy」シリーズにも搭載されるようになり、対応する端末が年々増えている。前回の記事では、Pixel 9の「レコーダー」アプリの基本的な使い方を解説したが、今回はさらに踏み込んだ方法として、録音データと文字起こしのデータをPCで確認する方法を紹介する。
なお、文字起こしの機能はPixel 6にレコーダーアプリが搭載されて以降、注目を集めている。Googleのサポートページによると、現在はPixel 3以降のモデルで日本語のリアルタイム文字起こしが利用可能だ。会社の会議や大学の講義などで、この文字起こしの機能を活用すると便利だ。
●Pixelで文字起こししたデータ、PCで確認するには?
PCでの確認はSDメモリカードやケーブルなどを用いて同期するのではなく、「recorder.google.com」に同期して行う。
このサイトでは、Pixel本体内に保存したデータではなく、Google アカウントのクラウドストレージに保存した分を確認できる。つまり、端末内に録音データと文字起こしのデータをクラウド上に保存しておき、PixelではなくPCからでもサイトを介して確認できるわけだ。
そのため、レコーダーで録音したデータの保存先を、端末のストレージではなく、Google アカウント(クラウドストレージ)に設定しておく必要がある。PixelのレコーダーからGoogle アカウントのアイコンをタップし、「レコーダーの設定」→「バックアップと同期」→バックアップと同期の項目をオンに切り替え、バックアップアカウントの選択へ進む。
この手順を踏んだら、次はいよいよPCでの操作だ。PCでWebブラウザソフトを起動して、アドレス欄にrecorder.google.comを入力してアクセスする。この際に、PCのブラウザでもPixelと同じGoogle アカウントでログインする必要がある。ログイン済みならこの操作は不要だ。
●PCでは録音はできず 録音データの確認や共有は可能
recorder.google.com(以下、PC向けのサイト)では、Pixelと同じようにレコーダーの録音データを確認できる。ただし、PC向けのサイトでは録音は実行できない。できることは、録音データの確認、切り取り、共有、お気に入りとして保存、(ローカルストレージへの)ダウンロード、削除だ。
PC向けのサイトを使うメリットは、Pixelのレコーダーアプリよりも大きな画面で録音データを確認できること。マウスやトラックパッドを使って文字起こしのデータをスクロールしたり、検索に該当する言葉(後から確認したい発言など)を探したりしやすい。
また、他の人に録音データを簡単に共有できる。共有するには、共有したい録音データをクリックし、画面右上に並ぶハサミのマークの「切り取り」の隣にある「共有」を選択する。「ユーザーを追加」の欄に相手のメールアドレスを入力したら、メッセージを添えて「送信」をクリックする。
すると、相手には「shared a recording with you(あなたと録音を共有しました)」という表題のメールが送信される。このメールを受け取った人は、メール本文の中央にある「ウェブ版レコーダーで表示」をクリックすれば、共有された録音データを確認できる。文字起こしのデータも含まれるので便利だ。
録音したデータ自体は、PCではなくPixelからでも他の人に共有できるが、音声かテキストのどちらかを選択した上で、共有する必要があるため、共有された側は、録音したデータを聞きながら、再生部分をハイライト表示で追いかけるといったことはできない。
Pixelで録音したデータの保存先をPixelのストレージではなくクラウドストレージにしておき、共有元と共有先が録音データをPC向けのサイトから確認すると、音声とテキストの両方を同時に追える。
●おことわり
・記事内容の検証はPixel 9とVAIO Zで実施しました。OSのバージョンはPixel 9がAndroid 15、VAIO ZがWindows 11。WebブラウザはGoogle Chrome(バージョンは132.0.6834.160)を使用しました。