年々、スマートフォンの価格が高騰している。世の中には、あえて「中古」という選択肢もアリではないか? と思う人がいるだろう。中古のスマートフォンは、一度は誰かの手に渡り、使われたものを指すが、市場には型落ちで安くなった状態良好な中古もある。こうした中古スマートフォンを購入することで、新品を買うよりも出費を抑えられる場合がある。
ただ、中古スマートフォンと聞くと、本当に自分で買って安心して使えるのか、そもそもどこで買えばいいのか、買ったあとのサポートはあるのか、といった疑問や不安がわき、購入に至らない場合もあるはずだ。そこで、中古のスマートフォンを買うときに、どのような点に注意すべきかをまとめる。
●フリマアプリと実店舗(専門店)での購入、どちらがいい?
まずは中古スマートフォンを実際に買う方法から見ていく。いわゆる個人間取引のフリマアプリでは交渉次第で実店舗よりも安く購入できる場合があるが、おすすめなのは販売店舗を構える中古販売事業者での購入だ。
購入方法として、フリマアプリの方が即決でスムーズに安く買える、と思う人もいるだろうが、実はそこに落とし穴がある。というのは、フリマアプリが基本的に身元不明な出品者と購入者がオンラインでやりとりを行う他、例え商品に問題が生じても、基本的に個人間で交渉しなければならないためだ。
一方、販売店舗を構える中古販売事業者なら、購入希望者が購入前に商品の状態を確認できる。もし、傷やへこみが予想以上にひどい、電源が入らない……などの症状が見られる場合は購入をやめることが可能だ。購入前に商品状態を実際に確かめられないフリマアプリよりはいい。
●商品状態の指標となる「ランク」って何? 購入前にまず気にすべき点
これを踏まえた上で、ここからは実店舗でどのようにして中古スマートフォンを選べばいいのかを解説する。
店に入って最初に気にしたいのは、商品の状態にも関わる「ランク」だ。例えば、大手の中古販売店では、リユースモバイル・ジャパン(RMJ)のガイドラインによる5ランクで分けていることが多い。RMJは、ゲオやブックオフコーポレーションなどが2017年3月に設立した業界団体だ。
ランクはS~Jの5段階に分かれる。Sは最も状態のよいランクで、その下のAもほぼきれいな新品に近い。ランクがさらに落ちたBとCでは、傷やへこみがあるような商品が多く見られる。最もおすすめできないのは、最も低いランクのJだ。ジャンク品のJを意味し、壊れた状態のまま買い取りに出された商品も、このJランクに当てはまる場合がある。
・S:未使用品
・A:美品、目立つ傷がなく非常にきれいな状態
・B:中程度品、細かな傷・薄いかすり傷があり、使用感がある状態
・C:使用済品、目立つ傷や擦り傷等があり、明らかな使用感がある状態
・J:破損、目に見えてダメージがあり、激しい損傷または破損している状態
実店舗にもECサイトを持ち、いわゆる通販で中古スマートフォンを手に入れる方法が可能だ。実店舗が近くになく、ECサイトでの購入を希望する場合でも、ランクは気にした方がいい。ECサイトでは、フリマアプリ同様に購入前に商品の状態を実際に確認できないが、このランクが商品状態の「目安となる」ため、繰り返しにはなるが、購入前にまず気にした方がいい。
●バッテリーの状態を気にすべき スマホの設定から確認できる
続いて、バッテリーの状態だ。スマートフォンのバッテリーは、経年劣化するものなので、使うほどに寿命は縮まる。中古スマートフォンの中には、バッテリーが膨らんでいるものや、バッテリーの減りが早いものもあるので、ここにも注意したい。
Appleのサポートページによると、iPhoneの場合はフル充電サイクルを500回繰り返しても、本来の蓄電容量の最大80%を維持するよう設計されている。フル充電サイクルでは、バッテリーを100%消費すると1回カウントされる。例えば75%を1日で消費し、充電した翌日に25%消費した時点で、1回のサイクルを完了したことになる。100%消費するペースが2日に1回程度だとしたら、2年9カ月ほど使っても80%を維持できる計算になる。
誤解なきようにお伝えすると、ここでいうパーセンテージは、バッテリーがどれくらい充電されているかを示す数値ではなく、本来の蓄電容量のうち、どれくらいまで蓄電できるのかを示す数値だ。iPhoneの場合、「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」に表示される「最大容量」がそれだ。
中古販売店の中には、この最大容量を商品状態の説明に含める店もあるが、この記載がなければ、問い合わせるか、店舗で購入前に確認を求めるのも手だ。筆者の経験上、購入前の実機確認を拒否されたことは「未使用品」を除けばほぼないが、気になる人は確かめた方がいい。
●保証サービスの有無を確認 例えば、ゲオなら「修理代金の全額を保証」
最後に保証の有無を確認したい。新品でなければ全く保証がないのではないか? と不安に思う人もいるだろう。中古スマートフォンを購入する店舗で保証サービスの有無を確認するといい。
例えば、ゲオでは「ゲオ中古モバイル保証」を提供している。3万2780円の中古スマートフォンを購入する場合、購入時に保証サービスの料金として4144円を支払うだけでいい。2178円に加え、中古端末の価格(割引前価格)の6%を掛けた金額がそれに当たる。
修理時にはゲオが「修理代金の全額を保証」するとしている。全損や修理ができない場合は、購入時に負担した金額と同額の割引クーポン券を進呈し、それを「端末の再購入に充当できる」としている。
ただし、対象商品が税別7000円以上の中古スマートフォン、タブレットに限られる。ガラス割れや水没などは対象外となる。端末の購入時に加入する必要があり、後日加入できない点にも注意が必要だ。保証期間は加入から1年間となっている。