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アーティストをAI学習から守るSNS「Cara」、ユーザー急増中

ITmedia NEWS 2024年6月7日 12時0分

 アーティストの作品を企業の生成AIトレーニングや盗作に利用されないように守ると謳うSNS「Cara」のユーザーが急増している。米TechCrunchの6月6日付の記事によると、ユーザー数は過去1週間で4万人から65万人に増えたという。創業者のジンナ・チャン氏はこの記事の公開後、70万人を突破したとXにポストした。

 画像生成AIモデルの多くは、著作権で保護された作品や個人データを含むネット上の膨大な量の画像をスクレイピングしてトレーニングされている。例えば米Metaは、ユーザーがFacebook、Instagram、Threadsに投稿したデータを自社の生成AIモデルのトレーニングに利用していることを明らかにしている。米Xもだ。

 Caraは、こうした状況を受けて、シンガポール出身のアーティストであるチャン氏が2023年1月に立ち上げた。同氏は自らの作品もスクレイピングされたとして複数のAI大手相手に訴訟を起こしており、アーティストがAIの著作権侵害から身を守ることができるプラットフォームを目指している。

 シカゴ大学のGlazeプロジェクトと提携し、アーティストがCara Glazeを介して自分の作品にGlazeを適用することで、AIによるスクレイピングから作品を守るための保護レイヤーを提供している。

 Glazeは、生成AIモデルのトレーニングにおけるスタイルの模倣を妨害することで人間のアーティストを保護するように設計されたプログラム。

 Caraは5月29日、新規ユーザーの登録が急増したためアクセスしにくくなっていると公式ブログで告知した。

 チャン氏はTechCrunchのインタビューで、外部の投資家に責任を負いたくないからVCには頼らないと語った。また、アーティストの利益を支援することに尽力するエンジェル投資家を見つけるのは簡単ではないだろうとも語った。

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